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2ヶ月で10万字を執筆しZINEを出版。作家の山塚リキマルは、ジャンルを横断し活動する

2024.10.4

#BOOK

グータッチでつなぐ友達の輪! ラジオ番組『GRAND MARQUEE』のコーナー「FIST BUMP」は、東京で生きる、東京を楽しむ人たちがリレー形式で登場します。

7月10日は、編集者の小田明志さんからの紹介で、SF(SoulFul)作家の山塚リキマルさんが登場。自らが提唱する大人の紙芝居「ネオ紙芝居」についてや、コロナ禍に2ヶ月で10万字を執筆して作られたZINE『T.M.I』の制作秘話をお聞きしました。

即興のギター演奏と共に行う「ネオ紙芝居」

Celeina(MC):まずはプロフィールからご紹介します。山塚リキマルさんは北海道富良野市出身の1990年生まれ。指示待ち世代のカリスマとの呼び声も高いSF(SoulFul)作家、そしてプロ知ったかぶりでございます。小説、論評、解説、作詞、漫画原作、コラム、エッセイ、インタビュー、広告記事など、ジャンルを横断して作家活動を行われています。

タカノ(MC):山塚さんは、本当に何者なんですか?

山塚:色んなことをやっているように見えますが、文章を書いているだけで、別に何かを手広くやっているわけではないです。

Celeina:以前、リキマルさんに番組の「RADIO ENSEMBLE」で選曲もしていただきました。音楽も詳しい印象があります。

山塚:そうですね、バンドもやっていたし、音楽家の友達も多くて、音楽はずっと好きです。

タカノ:僕は去年、山塚さんの展示を拝見させていただきまして、そこで少しだけお話させてもらいました。その時は、紙芝居をされていましたよね。

山塚:僕は「ネオ紙芝居」というジャンルを提唱しているんですよ。僕が絵を描いて話を作って読むんですが、ギターの伴奏がいて、サウンドトラックのように即興で演奏してもらって、その中で読んでいくみたいな。

タカノ:インプロビゼーションみたいな感じで、すごくシュールで面白かったんですよ。内容もちょっとエモくて、村上春樹の短編小説のような印象を受けました。そういった大人向けの紙芝居もやられているので、本当にリキマルさんの活動が謎なんですよ。

山塚:ネオ紙芝居は楽しくやっていますね。ペガサス団って言うんですけど。

Celeina:ペガサス団! すでに名前が効いていますよね。

2ヶ月で10万字を執筆し、コロナ禍でZINE『T.M.I』を創刊

タカノ:そもそも作家活動はいつ頃からなぜ始めたのですか?

山塚:一番初めに新人賞に投稿し始めたのが、26歳ぐらいの時ですね。

タカノ:新人賞というのは、小説の新人賞ですか?

山塚:はい。本屋へ行ったら、ライトノベルの新人賞のポスターが貼ってあって、そこに賞金300万円と書いていたので、「俺、300万取れるかも」と思って書いてみたんです。その賞には落ちましたが、3つ目ぐらいで賞をいただいたので、そこから、あれよあれよといううちに、現在に至ります。

タカノ:もともとライトノベルを書かれていたんですね。

山塚:そうですね。広義でのエンタメ系の小説を書いていました。

Celeina:東京へ上京したのはいつ頃ですか?

山塚:東京には2020年に来ました。上京して速攻、コロナ禍の緊急事態宣言に入り、なかなか仕事もなかったので、自分でZINEを作ったんです。

タカノ:それが『T.M.I』ですか?

山塚:そうです。

Celeina:その『T.M.I』を、以前タカノさんに見せていただきました。良い意味で問題作ですよね(笑)。

タカノ:そうなんですよ。わかる世代の方もいるかもしれませんが、昔の『Quick Japan』の匂いがするというか。

山塚:まさにそうです。めっちゃ意識しています。

タカノ:サブカルの空気を感じます。リキマルさんの文章はもちろん、他の方の文章も掲載されているんですか?

山塚:テキストは僕1人で書いています。漫画の作画や写真は友達がやっていますが、ここに載っている文字情報はすべて僕ですね。

Celeina:すごいボリュームですが、制作にはどれくらいの期間がかかったんですか?

山塚:僕はめちゃくちゃストックがあるので、文章は2ヶ月ぐらいで10万字ぐらい書きました。でも本を作るのってレイアウトとかデザインに時間がかかるんですよね。

Celeina:ちょっと待ってください。タカノさん、2ヶ月で10万字って書けるものなんですか?

タカノ:僕は小説を0から書くとなると、1ヶ月に1万5000~2万字が限界なので、2ヶ月で10万字はめっちゃすごいです。しかも書いている内容は、我々が知らない世界を深く掘り下げていて、ラジオでは言えないような内容も含まれていたりしますしね(笑)。掲載されているCDレビューも、リキマルさんの視点と切り口で書かれていますよね。音楽やカルチャーの知識がすごいです。

Celeina:読み応えがすごくありますよね。現在も『T.M.I』は販売されていますか?

山塚:1号は4刷くらいしてすべて売り切れてしまいましたが、2号はまだ売っています。

ZINE出版のきっかけは、ルームシェアをしている友人の一言

タカノ:そもそも、このZINEを作ろうと思ったきっかけは何ですか?

山塚:僕とルームシェアをしている友達が、僕がコロナ禍でうだうだして何もしていなかった様子を見かねて、「お前、ZINEとか作って売ったらいいじゃん。俺がいい感じにまとめるから」とケツを叩いてくれたことがきっかけです。その友達が担当編集者みたいな感じで、「こういうのどう?」とか「もうちょっとこういう視点があったらいいかも」など、ディレクションしてくれました。

Celeina:ちなみに、その方の本業は編集者じゃないですよね?

山塚:ミュージシャンです。

Celeina:山塚さんのご友人には色んなことをやっていらっしゃる方が多いんですか?

山塚:そうですね。僕の友達は、いわゆるクリエイターと呼ばれる方が多いですね。なかでも、ミュージシャンが多いです。あとは映画関係や彫師とか。

Celeina:でも、山塚さんはプロ知ったかぶりさんですよね? これはどこまでが知ったかぶりなの!?

タカノ:雑誌を読む限り、知ったかぶりではないですよね(笑)。

Celeina:知識量はハンパない感じがします。

タカノ:色々なカルチャーに精通している方という印象ですよね。ちなみに、そのルームシェアではどんな生活を送られているんですか?

山塚:3DKの家に3人で住んでいるんですが、うちにはエアコンがないので、夏はやばいです。

Celeina:東京のこの暑さで?

山塚:そうです。エアコンがないから、1日5回、水シャワーを浴びています。この暑さの中で、普通に危ないですよね(笑)。

タカノ:扇風機は?

山塚:35℃を超えたら、扇風機ってあんまり意味ないんですよ。だから、エアコンを買うために仕事を頑張っています。

タカノ:ぜひリキマルさんへお仕事を! 2ヶ月で10万字が書ける、すごいスキルを持っている方だから。このラジオを通して、よりたくさんの方にリキマルさんのことを知ってもらいたいですね。皆さん、これを機にInstagramX(旧Twitter)のチェックをお願いします。

Celeina:さあ、「FIST BUMP」本日はSF作家の山塚リキマルさんをお迎えしました。ありがとうございました。

GRAND MARQUEE

J-WAVE (81.3FM) Mon-Thu 16:00 – 18:50
ナビゲーター:タカノシンヤ、Celeina Ann

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