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NEWS EVENT SPECIAL SERIES

イラストレーター・田中かえの作品が持つ穏やかな虚無感の魅力

2023.11.27

#ART

グータッチでつなぐ友達の輪! ラジオ番組『GRAND MARQUEE』のコーナー「FIST BUMP」は、東京で生きる、東京を楽しむ人たちがリレー形式で登場します。

9月25日はイラストレーターの田中かえさんが登場。田中さんが描くキャラクターのこだわりや、影響を受けた作家、最近ハマっているプロレスの魅力についてお聞きしました。

小さい頃から色んなジャンルの絵が常にそばにあった

Celeina(MC):週の最初は番組が推薦するこの方。イラストレーターの田中かえさんです。よろしくお願いします。

田中:よろしくお願いします、田中かえです。

タカノ(MC):かえさんのSNSには沢山のイラストがアップされているので、皆さんにぜひSNSを見ていただきたいです。現在、Instagramのフォロワーが3.8万人、X(旧:Twitter)のフォロワーが2.6万人という。しかも国内だけではなく海外のフォロワーさんも多いそうですね。

田中:そうですね。昔Netflixの『クィア・アイ』という番組に出ていたのとか、ソフビとかも出しているので、そこをきっかけに結構海外の方にフォローされることも多いです。

Celeina:なるほど。ここで田中かえさんの簡単なプロフィールをご紹介させていただきます。1995年神奈川県横浜市生まれ、2017年多摩美術大学美術学部情報デザイン学科メディア芸術コース卒業。卒業後、会社員をやりながらアーティスト活動を開始されています。最近では乃木坂46やモモコグミカンパニーさん、そしてオニツカタイガー、BEAMS、新日本プロレス、エル・デスペラード、そしてテレビ番組『爆笑ヒットパレード2023』のデザインを担当するなど、本当に様々なジャンルとコラボレーションされているということで。まずですね、気になったところが、同い年です。

田中:同学年ですね。

タカノ:いいですね、同世代というだけでちょっと近くなるようなね。

田中:歩んできた文化が一緒のような。

Celeina:近いものがあると思います。

タカノ:本当に様々なジャンルとコラボレーションされていますけれども、かえさんのイラストがね、本当に素敵なんですよね。

Celeina:キュートですよね。

田中:ありがとうございます。

タカノ:しかもキュートとか可愛いだけではくくれない何かを秘めてるというか。穏やかな虚無感みたいなものを感じるんですよ。

田中:素敵な言葉で。

タカノ:色んな要素が入っているので、このラジオを聴きながら、かえさんのSNSでイラストを見ていただくとより分かりやすいんじゃないかなと思います。

Celeina:イラストを見ていて気になったんですが、かえさんってご家庭でどういったカルチャーに触れていたんですか?

田中:自分が幼稚園生のときに、親が上履きとかに好きなキャラクターの絵を描いてくれたりとか、母親が絵本を描いたりしていたんです。そういう部分で、絵は昔から関わりがあって、常に傍にいる感じはありました。中学ぐらいになってくるとオタクになってきて、別の感じで絵に触れていくんですけど、昔からずっとともに歩んできた感はありますね。

大きい靴下や角が絵のバランスを保つ

タカノ:女の子のキャラクターを描かれることが多いと思うんですけど、ファッションがすごくいいですね。コーディネートのカタログ的な楽しみ方もあるというか。

田中:ありがとうございます。服が好きなんです。絵にしたときのバランスとして、足が大きくて重心が下の方にあるのが可愛いと思っているんです。自分も足が大きいんですけど、常にめっちゃでかい靴を履きたいし、縦幅も横幅も大きい方が好きなので、それは結構絵に反映しています。ただ靴を描くのが苦手なので、靴を履いてないことが多いです。

タカノ:そういうことなんですね。

Celeina:確かに靴下が大きいみたいな感じが。

田中:前に靴屋さんで展示したことあるんですけど、ほとんど靴を描かないで展示したんです。許してくれたんですけど、申し訳なかったですね。

Celeina:ご自身のファッションも。あ、ほんとだ、すごく重厚感のあるスニーカーを履かれてるんですね。

田中:groundsっていう、結構今みんな履いてる。

タカノ:ちょっと待ってください、僕もgrounds履いてるんですよ。いいですよね。

田中:履きやすくて、あまり厚底の重みがないですよね。マジックテープで履けるんです。

Celeina:履きやすさもあるし、ファッショナブルだしっていう。

田中:めっちゃいいです。重心を下に。

タカノ:今日はいくつか作品やグッズなどもお持ちいただいてるということなんですけれども。

Celeina:可愛い!

田中:ステッカーですね。

Celeina:ステッカーがパックになってるの?

田中:作ってくださった方がパッケージもすごいこだわってくださって。

Celeina:ペリペリって開いてパッケージから出す形ですね、ステッカー。

タカノ:あと、こちらはソフビ。

田中:ガチャガチャでVAGというシリーズがあるんですけど、そのシリーズで今3個ぐらい出してます。褐色っぽい子も絶対出すようにしてて。ギャル感とかちょっと多国籍にいきたいなという思いもあって。

Celeina:角も、イラストの中ですごくこだわられてるのかなという印象があるんですよ。イラストを見ていて、角とか耳とか、頭から何かが生えてらっしゃるような印象があったんですけど、そこは何かこだわりがあるんですか?

田中:すごく絵のバランスが良くなるんです。印刷していただいたやつを見たりすると、角がないと上の空間が寂しく感じてしまうような。

タカノ:確かに足元のボリューム感の話が出ていましたけど、そのバランス良いかもしれない。

Celeina:頭と足にちょっとアクセントをつけるというか。タカノさんが言ってたファッションカタログの話に戻りますけど、私もファッションで取り入れられそう。最近私、ちょっと普通でつまんないなと思っていたところなの。足元か頭の方でこだわりを1つ作るっていうのはやってみようかな。

タカノ:ルーズソックスとgrounds履いて、角を付けて明日来てください(笑)。

Celeina:待って待って、早い早い。少しずつ取り入れさせて。

キャラクターが笑わない理由

タカノ:あと気になってる点があって、かえさんが描くキャラクターってすごく2次元的で可愛いキャラクターが多いんですけど、みんな笑ってないんですよね。こだわりがあったりするんですか?

田中:自分の笑った顔が嫌いすぎて、笑った絵を描けないんです。アイドルさんとかのグッズを作るときとかは笑顔で描くこともあるんですけど、自分が描いている原画とかではもう一切笑わせないようにしてますね。コンプレックスをそのまま反映しているんで、何の解消にもなってないんですけど、多分今後も笑うことはないと思いますね。

タカノ:でもそれが1つのオリジナリティといいますか、かえさんのキャラクターが何を考えてるか分かんないから、こっちも想像して引き込まれるポイントでもあるのかなと思いました。

田中:笑顔の絵って怖くないですか?

Celeina:そう言われるとまた違ったように見えてきますよね。笑顔の絵もじっくり見たくなっちゃう。

田中:笑顔の絵、絶対怖いと思いますよ。絶対笑ってないほうがいいと思います。

タカノ:ちょっといろんな作品の見え方が変わるきっかけになったから面白いですね。あとはかえさんが影響を受けた作家さんはどなたですか?

田中:プロフィールとかにも入れてるんですけど、手塚治虫さんとか、吾妻ひでおさんとか。

タカノ:『失踪日記』。

田中:そうですね。私は『失踪日記』じゃないほうから入ってて、もっと普通の漫画を描いてらっしゃった時期があるので、そちらの漫画の方が好きなんですけど。

Celeina:結構オールドスクールですね。

田中:親の影響とかもあるんですけど、自分で掘っていって結局たどり着いたのが吾妻先生と手塚先生という感じです。

タカノ:でもなんか、作風にDNAを感じますね。まだまだお話聞いていきたいんですけれども、ここで1曲挟みましょうか。かえさんに、この時間にラジオでみんなで一緒に聴きたい曲を選んでもらったんですけれども、どんな曲でしょうか。

田中:トラヴィス・スコットさんの”CIRCUS MAXIMUS”という曲です。『Utopia』というアルバムに入っているんですが。

Celeina:ここまで話がいろいろ来て、トラヴィス・スコットに着地するんですね。

田中:トラヴィス・スコットにはまったのも、ファッションからなんです。「Cactus Jack」という素晴らしいブランドをやっているんですけれども、今は本当にCactus Jackが私の中で最先端にありまして、音楽もいろいろ聴いている感じです。

タカノ:それでは聴いてみましょうか。

https://open.spotify.com/intl-ja/track/6HKj08kkKMmYEhnkLW90Qz?si=4eff33febaaf4b4b

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