FRISKが新たなチャレンジを始める社会人や学生たちを応援するプロジェクト「#あの頃のジブンに届けたいコトバ」とラジオ番組『GRAND MARQUEE』のコラボレーションコーナー「FRISK DEAR ME」。
4日目に登場したのは、Aile The Shotaさん。幼少期からの夢を叶えたShotaさんに、夢にもがいていた頃の自分に宛てた手紙をもとに、夢という名の「呪い」や夢みたいなことを自分のリアルとして書いた楽曲などについて伺いました。
※NiEWでは、番組では放送されなかった内容も含めて記事化しています
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夢にもがいたコロナ禍ど真ん中の1年間
タカノ(MC):お手紙の中で、小さい頃からアーティストになることが、たった一つの夢だったと書かれていますけれども、何歳ぐらいからアーティストになりたいと思っていたんですか?
大学を卒業して、就職もせず、夢にもがいていた自分へ。
小さい頃からたった一つの夢である「アーティスト」。
高校、大学と進んでもなお、やはりその夢が霞むことはなく、君は根拠もなくそれを信じて叶えるために、やりたくもないアルバイトに勤しんでいるところでしょう。
手紙の序文。Aile The Shota直筆の手紙全文は4月11日(木)から下北沢BONUS TRACKで開催されるFRISK『あの頃のジブンに届けたいコトバ展』で展示される(詳細はこちら)
Aile The Shota:小学生ぐらいのときから、テレビの音楽番組などを見ているうちに、気づいたら、僕は絶対にテレビの向こう側で歌う存在になるんだと決め付けていたみたいな感じですね。変な感覚なんですけど、絶対こうなるみたいな感じでした。
タカノ:小学生だと、周りはサッカー選手になるみたいな子が多い印象もありますけど。
Aile The Shota:僕もまさにサッカーやってたんですけど、音楽に向けて何か習い事をするとかは全くしてないのに、ただテレビを見て、音楽を聴いていると、僕はきっとこっち側なんだろうなというのを、ずっと抱いていた感じです。
Celeina(MC):そのアーティストという夢の実現への一歩目を踏み出したのは、いつ頃ですか?
Aile The Shota:中学から高校になるタイミングでオーディションを受けようかなと思ったことはあったんですけど、その後高校のときに受けたオーディションの結果、シンガーソングライターの勉強をする学校みたいなのに1年ぐらい通わせてもらって。それをきっかけに、割と決心したというか。親に力を借りているし、「もう、この道だな」と腹をくくったなというのはあります。
Celeina:お手紙の中で「仲間たちが就職し、立派な社会人とやらになっていくのを日々感じながらもその夢を諦めることが出来ず、夢という名の『呪い』だなんて言ったりして」とありますけれども、周りが就職をはじめる中で、夢を追い続けるという判断に怖さを感じたことはありましたか?
Aile The Shota:ありましたね。普通科の大学に4年間行って卒業までさせてもらったけど、自分がやりたいことが音楽に定まっちゃって。当時入ってたダンスサークルの仲間とかも就職していく中で、怖さはありましたけど、多分これしかないんだろうなというのを信じて、就活も1回もしなくて。怖くなるような状況に自分を追い込んでました。
タカノ:この手紙の「夢にもがいていた自分」というのは、大学を卒業してアーティストになるまでの期間というイメージですか?
Aile The Shota:そうですね。2020年ぐらいのコロナ禍ど真ん中の1年間が、卒業してから1年間だったので、その時期に向けて書きました。
タカノ:こういう時期って、色々と考えちゃうじゃないですか。
Aile The Shota:そうですね。社会的にも、時の流れが遅くなるというか、みんなが止まってる状態だったので。逆に、止まってる世界な感じは、夢にもがいてる自分からするとやりやすかったのかもしれないですけど、それによってすごい長く感じました。自分もいろんな音楽を作ったり、イベントをオーガナイズしたりしてたんですけど、なかなか動き出せないというか、イベントをやるにしても、コロナ禍だしみたいな。曲をちゃんと作り始めようみたいなことに、ひたすら1人で向き合っていた時期だなと思います。
タカノ:お手紙にアルバイトのくだりもありますけど、音楽以外ではどういう毎日を過ごしていましたか?
Aile The Shota:大学に入ったタイミングでみんな一緒に飲食店でバイトを始めたんですけど、みんな卒業で辞めていく中、僕だけ5年目のアルバイトになって。それは結構しんどかったですね。でも、お皿を洗いながら歌詞を考えたりとか、今思い返すと、良い経験だったなとも思います。
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友達と語り合った、夢という名の「呪い」
タカノ:お手紙の中に「家族に迷惑をかけている、なんの成果も得られない、作品が売れることもない。それでも君は『根拠のない自信』を信じている」とありますけれども、この根拠のない自信を持ち続けられたのは、どうしてなんでしょうか?
Aile The Shota:幼少期の決め付けの延長線ではあるんですけど、やっぱり仲間とか家族とか、一番身近な人たちが褒めてくれたり信じてくれて、それを、プレッシャーも含めて自信に切り替えていましたね。身近にいて、イケてるなと思っているダンサーの友達からの「お前マジで良いよ」みたいな言葉とか。
タカノ:そういう信頼している方々からの言葉って、すごい心強いですよね。そして「君が君自身を尊重して」とあるように、ご自身が大切にされていた自分らしさについて、もし良かったら教えてほしいです。
君のその自信は、実は何一つ間違っていないよ。君が君自身を尊重して、愛して、周りに感謝して、愛して、優しさを忘れずに持って。見えない道をそうやって進んでいくと、光が見える。「根拠のない自信を持てる自分自身」、それこそが根拠だと、言える日が来る。
Aile The Shotaの手紙抜粋(「#あの頃のジブンに届けたいコトバ」presented by FRISK より)
Aile The Shota:自分がカッコ良いと思ったものをブラさないことですかね。流れとか風潮とか同調圧力みたいなものがある中で、違うと思ったことは絶対に曲げないとかは、自分らしさの一つかなと思うんですけど。あと、常に愛を持って生きていこうとする姿勢。それが100点じゃなくても愛を持っていようという考え方は、ここまで続いているので、自分らしさになっているのかなと思います。
タカノ:でも、大事な言葉ですよね。音楽って、どうしても聴いてくれる人がいて成立するもので。そういう方々への感謝とか愛はすごい大事。
Celeina:お手紙の最後の方にある「愛して、周りに感謝して、愛して、優しさを忘れずに持って」っていう1行が、改めてすごい刺さって。優しさって難しいと思うんですよ。褒めてあげるだけが優しさじゃなかったりもするし。向こうからもらうのも、意外と厳しい言葉を受けて、「これは優しくない」って最初は思うけど、回り回って「あれって優しさだったんだ」って気づくこともあるじゃないですか。Shotaさんなりの「優しさ」って、どう考えてらっしゃいますか?
Aile The Shota:考え出したらキリがないじゃないですか。自分が今、この人に対して思っている優しさは、本当に愛なのかエゴなのか考えた上で優しくするのが優しさかなと思いますね。そこに自信を持ってやれたら、十分に優しいと思います。押し付けになりにくいというか、一個クッションを挟めるかなと思うんで。大学時代ぐらいから、そういう考えをするようになりましたね。
タカノ:我々も音楽をやっているので、お手紙の「夢という名の『呪い』」っていう言葉がすごくわかるんですよ。この感覚ありますよね。
Aile The Shota:そうなんですよ。当時。同じように就職しない友達もいたので、3人ぐらいでご飯を食べながらこれからどうしようって喋ってる延長で、「最近、呪いとまで思うようになってきた」って自分が口にしちゃったことを覚えていて。でも、それだけ没頭しているというか。本当にこれしかない、「呪い」っていう自分から発した言葉をすごい覚えていたので、この手紙に組み込んだ感じですね。