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雪国とurema。干支一周分の世代差を飛び越え実現した、2組の共演
10年以上もの間、渋谷La.mamaを拠点に開催されてきたライブシリーズ『PLAY』。意外性と必然性の間を縫うようなツーマン企画を提示してきた本イベントが、新たに株式会社Kultureを主催に迎え始動。その初回となるVOL.167が2026年5月5日に新代田FEVERにて行われた。
ラインナップはuremaと雪国。干支がちょうど一周するほど世代の離れた2組だが、瑞々しいトーンが紡ぐ歴史の連続性がそこには確かにあった。つまりそれは、繊細に言葉を重ねることによってオーディエンスに切なるメッセージを届けるという、東京のあるバンドシーンに特有の翳りと身体性の伝統に倣ったものだ。
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雪国はアッパーとダウナーの間(あわい)を正確に表現する
長くなった日が沈みかける頃、最初に登場したのは雪国。麗らかなアルペジオの“白色矮星”からステージが始まる。最新作『shion』のオープニングであり、uremaの長江慧一郎(Vo / Gt)もフェイバリットに挙げていた一曲だ。京英一(Vo / Gt)のハイトーンボイスは澄んだまま、太くはないものの容易く千切れることのない糸の光沢を保ちながら、後半でバンドがバーストする。“星になる話”に“秘密基地”と、静けさのそばにある感情がライブハウスの部屋いっぱいに広がっていく。

大澤優貴(Ba)と木幡徹己(Dr)、ふたりのリズム隊の存在感が強調された“二つの朝”を経由してバンドのアンサンブルが輪郭を帯びてくる。新体制でサポートを務めるエスキベル(Esqvr)の横山秦一(Gt)の激しいプレイが顔を覗かせる“素直な君は”においても、その繊細な歌は居場所を邪魔されずに背筋を伸ばして立っている。


マスロックやサッドコアを昇華して誕生した2000年代以降の特異な東京のバンドシーン。彼らとも比較されうる雪国だが、生活の機微を見つめてクワイエットからラウドまで一息で展開する感性には、2020年代を生きる彼らなりの切実さが宿っているように聴こえる。rilium(Key / Cho)の穏やかなシンセサイザーが演出するアンビエンスから始まる“海月”や<世界は僕のものじゃない>と歌われる“生きる地図”では、淑やかな生の実感を探る様が描かれる。アッパーではないがダウナーでもない、そんな間(あわい)を正確に描写する5人は、耽美的な“金星”を最後にステージを後にした。

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音の在処を掴んでいるからこそできる、uremaのアンサンブル
しばしの転換の後、uremaが登場する。2011年結成、2017年に解散するものの2025年に復活を果たした3人は、雪国やレーベルメイトである「ひとひら」など、現在のバンドシーンで活躍するバンドたちの位置するコンテクストを間違いなく築きあげた存在だ。

冒頭の“ピアノのある部屋”で苛烈さの中にある瑞々しい歌を浮かび上がらせ、芦原崇大(Dr)の鈍重なキックが響く“さむいさむいこおりのなか”でタナトスに接近した叫びを長江が上げる。青く点滅する照明がフロアの壁に散らされる。メランコリーに向き合う雪国とurema。アウトプットの様式こそ違えど、テーマやフィーリングを介して彼らは繋がっている。アップテンポな“永遠の森”では髙橋涼馬(Ba / Cho)の5弦ベースがボトムを支え、バンドとしての重量感を底上げする。そんな中でも長江のハイトーンボイスが埋もれることはない。どこで誰が、何を鳴らしているのか。音の在処を掴んでいるからこそできる芸当だ。


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轟音の中のクリーントーン、この2組にしか汲み取ることのできない感情
どこか不安定な音をなぞるアルペジオを長江とサポートの宇都宮航(Gt)が重ねる“二月”に、キメと変拍子で圧倒する再結成一発目のシングル“暈けた脳”と、uremaのシグネイチャーとも言えるサウンドが息もつかせぬ間で展開されていく。

MCで長江が話したところによると、実はuremaは雪国を自主企画のゲストとして迎えることを考えていたという。再結成して最初のワンマンライブを開催した新代田FEVERへの謝意を表しつつ、クリーントーンのアルペジオが空間的な広がりを演出する“剥がれた日”を披露する。雪国にも共通する、アンサンブルの中で際立つクリーントーン。その音色こそが両者のアイデンティティを成すエッセンスであるようにも聴こえた。そして一段とラウドな“重力と意識”を最後に奏でて本編が終了する。

アンコールは“神戸市立海老公園”。「再結成してから人と一緒に歌うことが多い」と直前のMCで語っていた長江、それはまさにuremaの歌のポテンシャルが短くない時を経て証明されたということだろう。マイクを通していない、生のシャウトを絞り出し、轟音の中を彼らは去っていった。雪国とurema、この2組にしか汲み取ることのできない細やかで青みがかった感情が確かにそこにはあった。

『PLAY VOL.167』

日程: 2026年5月5日(火・祝)
時間: 開場 18:00 / 開演 18:30
会場: 新代田FEVER
出演: urema / 雪国
料金: 前売りチケット 4,500円(税込) + ドリンク代
https://lit.link/play_live
出演アーティスト情報:
・urema:
X https://x.com/uremaofficial
Instagram https://www.instagram.com/uremaofficial/
・雪国:
X https://x.com/ykq2_
Instagram https://www.instagram.com/ykq2_/
『PLAY VOL.168』

日程: 2026年7月28日(火)
時間: 開場 18:00 / 開演 19:00
会場: SHIBUYA CLUB QUATTRO
出演: カーネーション / 堀込泰行(band set)
料金: 前売りチケット 6,500円(税込) + ドリンク代
https://lit.link/play_live
一般販売: 2026年5月16日(土)12:00
受付URL:https://w.pia.jp/t/play-vol168/
『PLAY VOL.169』

日程: 2026年7月13日(月)
時間: 開場 18:30 / 開演 19:00
会場: 新代田FEVER
出演: WELCOME TO CHOCHOLAND / Helsinki Lambda Club / Nikoん
料金: 前売りチケット 4,000円(税込) + ドリンク代
https://lit.link/play_live
チケット:
– PLAY先行
受付期間: 2026年5月18日(月)18:00 ~ 2026年5月24日(日)23:59
受付URL: https://w.pia.jp/s/play26ps/
– チケットぴあ先行
受付期間: 2026年5月25日(月)18:00 ~ 2026年5月31日(日)23:59
受付URL: https://w.pia.jp/t/play-vol-169/
– 一般販売: 2026年6月6日(土)12:00
受付URL: https://w.pia.jp/t/play-vol-169/