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NEWS EVENT SPECIAL SERIES

雪国とurema。翳りと身体性の伝統を紡ぐ2組の共演ライブをレポート

2026.5.26

『PLAY VOL.167』

#PR #MUSIC

雪国とurema。干支一周分の世代差を飛び越え実現した、2組の共演

10年以上もの間、渋谷La.mamaを拠点に開催されてきたライブシリーズ『PLAY』。意外性と必然性の間を縫うようなツーマン企画を提示してきた本イベントが、新たに株式会社Kultureを主催に迎え始動。その初回となるVOL.167が2026年5月5日に新代田FEVERにて行われた。

ラインナップはuremaと雪国。干支がちょうど一周するほど世代の離れた2組だが、瑞々しいトーンが紡ぐ歴史の連続性がそこには確かにあった。つまりそれは、繊細に言葉を重ねることによってオーディエンスに切なるメッセージを届けるという、東京のあるバンドシーンに特有の翳りと身体性の伝統に倣ったものだ。

雪国はアッパーとダウナーの間(あわい)を正確に表現する

長くなった日が沈みかける頃、最初に登場したのは雪国。麗らかなアルペジオの“白色矮星”からステージが始まる。最新作『shion』のオープニングであり、uremaの長江慧一郎(Vo / Gt)もフェイバリットに挙げていた一曲だ。京英一(Vo / Gt)のハイトーンボイスは澄んだまま、太くはないものの容易く千切れることのない糸の光沢を保ちながら、後半でバンドがバーストする。“星になる話”に“秘密基地”と、静けさのそばにある感情がライブハウスの部屋いっぱいに広がっていく。

大澤優貴(Ba)と木幡徹己(Dr)、ふたりのリズム隊の存在感が強調された“二つの朝”を経由してバンドのアンサンブルが輪郭を帯びてくる。新体制でサポートを務めるエスキベル(Esqvr)の横山秦一(Gt)の激しいプレイが顔を覗かせる“素直な君は”においても、その繊細な歌は居場所を邪魔されずに背筋を伸ばして立っている。

マスロックやサッドコアを昇華して誕生した2000年代以降の特異な東京のバンドシーン。彼らとも比較されうる雪国だが、生活の機微を見つめてクワイエットからラウドまで一息で展開する感性には、2020年代を生きる彼らなりの切実さが宿っているように聴こえる。rilium(Key / Cho)の穏やかなシンセサイザーが演出するアンビエンスから始まる“海月”や<世界は僕のものじゃない>と歌われる“生きる地図”では、淑やかな生の実感を探る様が描かれる。アッパーではないがダウナーでもない、そんな間(あわい)を正確に描写する5人は、耽美的な“金星”を最後にステージを後にした。

音の在処を掴んでいるからこそできる、uremaのアンサンブル

しばしの転換の後、uremaが登場する。2011年結成、2017年に解散するものの2025年に復活を果たした3人は、雪国やレーベルメイトである「ひとひら」など、現在のバンドシーンで活躍するバンドたちの位置するコンテクストを間違いなく築きあげた存在だ。

冒頭の“ピアノのある部屋”で苛烈さの中にある瑞々しい歌を浮かび上がらせ、芦原崇大(Dr)の鈍重なキックが響く“さむいさむいこおりのなか”でタナトスに接近した叫びを長江が上げる。青く点滅する照明がフロアの壁に散らされる。メランコリーに向き合う雪国とurema。アウトプットの様式こそ違えど、テーマやフィーリングを介して彼らは繋がっている。アップテンポな“永遠の森”では髙橋涼馬(Ba / Cho)の5弦ベースがボトムを支え、バンドとしての重量感を底上げする。そんな中でも長江のハイトーンボイスが埋もれることはない。どこで誰が、何を鳴らしているのか。音の在処を掴んでいるからこそできる芸当だ。

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