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結成20周年・the telephonesインタビュー 「バンドの固定概念」を壊し続ける理由

2026.4.27

the telephones 『SUPER DISCO HITS!!! – 20周年ファイナルだよ、全員集合–』

#PR #MUSIC

2025年に結成20周年を迎えたthe telephonesがコラボアルバム『THIS IS A DISCO CALL!!!』をリリースし、5月31日(日)に20周年イヤーのファイナルを飾るイベント『SUPER DISCO HITS!!! -20周年ファイナルだよ、全員集合-』をZepp Shinjukuで開催する。アルバムにも参加しているアユニ・D(PEDRO)、しのだりょうすけ(トップシークレットマン)、菅原卓郎(9mm Parabellum Bullet)、ROY(THE BAWDIES)らに加え、交流の深い4s4kiや金井政人(BIGMAMA)、そして元the telephonesのベーシスト長島涼平(フレンズ)らの出演も決定し、世代もジャンルも超えた一夜限りの華やかなパーティーになることだろう。

the telephonesのこれまでの歩みを振り返ると、決して順風満帆だったわけではない。2010年代の前半にはロックフェスで満員のオーディエンスを踊らせる人気バンドの地位を確立したものの、2015年に一度活動を休止。2018年に活動再開したが、すぐにコロナ禍に突入し、2023年にはオリジナルメンバーの脱退を経験した。しかし、ピンチはチャンスとばかりに新しい編成でのライブをスタートさせると、近年はハイパーポップの流れを含むダンスミュージックの盛り上がりとも呼応し、また新たなthe telephones像を確立してみせた。

その背景にあったのは、いつの時代であっても変わることがない、彼らの強烈な音楽愛に他ならない。「ライブ」を軸にバンドの哲学を語ってもらったインタビューから、ぜひ最新のthe telephonesを感じ取ってもらいたい。

フェスブームの2010年代に感じていた違和感と葛藤

ーthe telephonesが、2025年に20周年を迎えたということで、少し過去の話をさせてください。もともと2000年代にディスコパンクなどの影響を受けながら、独自の踊れる音楽を確立して、フェスでも人気のバンドになっていった。ただ、2010年代に入ると、フェスがより一般的になり、「フェスで盛り上がること」が目的になっていって、その流れには多少の違和感があったのではないかと想像するのですが、当時どのように感じていましたか?

石毛:the telephonesはもともと『FUJI ROCK FESTIVAL』に出たいがために結成されたようなものなんです。憧れのバンドと対バンしたいとか、同じステージに立ちたいっていう、純粋な気持ちで始まっていて。で、リアルタイムで僕が行っていた日本のフェスは『AIR JAM』なんです。『AIR JAM』はちゃんとカルチャーがあって、スケボーとかアパレルも重要で、むしろ音楽はその一部でしかない、みたいな感じで。

僕はそれに憧れて、自分がいざバンドをやるときにHi-STANDARDと同じメロコアは地元の友達がもうカッコよくやっていたから違う音楽を探して、the telephonesの音楽性にたどり着いたんです。でも、やっぱり根っこにはストリートカルチャーとの融合というか、音楽と別のものがくっついて、両立してる世界にずっと憧れてて。

でも、日本のフェスはフェスで独自の発展をして、それが悪いわけではなく、ただ自分が憧れてたものとはちょっと違ってきたなとは思ってました。そういうフェスシーンの変容に対する葛藤の話は今回コラボに参加してくれた9mm Parabellum BulletとかTHE BAWDIESのメンバーともよく楽屋で話はしてたんですよ。

当時は大きなうねりの中にのまれていて……春夏秋冬あわせて年間10本以上フェスに出てたと思うので、そんなことを考える暇がないくらい忙しかったのが実際のところで。だけど、フェスのおかげで僕らが世間に知られたのは絶対あるので、思うことはあるかもしれないけど、めちゃめちゃ感謝してます。

the telephones(ザ・テレフォンズ)
2005年、埼玉県北浦和で結成。ポストパンク / ニューウェイブリバイバルの影響を受けたダンスロックサウンドで2009年にメジャーデビュー。『FUJI ROCK FESTIVAL』など国内主要フェスを席巻し、2015年には日本武道館単独公演を成功させる。一時活動休止を経て2019年に完全復活。2023年5月より、石毛輝(Vo / Gt / Syn)、岡本伸明(Syn / Cowbell / Shriek)、松本誠治(Dr)の3人体制で始動。「オーディエンスを踊らせる」というテーマをさらに突き詰め、より現代的なダンスミュージックへとフェーズを移行させた。2025年に結成20周年を迎え、2026年4月22日にはアニバーサリーを記念したコラボアルバム『THIS IS A DISCO CALL!!!』をリリース。

ー2015年に活動休止を決断したのは、そういった大きなうねりの中で疲弊してしまったことが原因だったのでしょうか?

石毛:フェスで盛り上がってくれるのはシンプルに楽しいし、こっちも嬉しいんですけど……当時は単純にバンドが限界だったというか、俺が限界だったんですよね。その理由は色々なんですけど、1回パニック発作でステージで倒れたこともあって、ステージに出ることがもうリハビリになってたんです。病院に行っても、「今完全に休んじゃう方がもっと立てなくなる可能性があるから、立ち続けて慣らしていく方がいい」と言われて。その頃は体調的にもメンタル的にも厳しかったですけど、1回休んで、また始められたし、結果的には楽しくやれてたなって、今振り返ると思いますけどね。

ー昔のフェスは発見の場で、そこに遊びに行って、新しい音楽やカルチャーを知る場所だったところから、より一般的になって、お目当てのアーティストを観に行く場所になっていった側面があると思います。でもthe telephonesはワンマン以上に対バンやイベントを大切にしていて、「俺たちのことよりも音楽自体を好きになってほしい」というスタンスだったと思うから、そこにも少なからず乖離があったのかなって。

石毛:そうですね。よくMCでもそういうことを言ってた気がする。当時はDJ的な感覚でバンドをやってたので。

ー「音楽を紹介する感覚」ということですよね。実際the telephonesの活動に触れることで、the telephonesのことはもちろん、対バンだったり、石毛さんがお勧めする海外の音楽を聴いてみたり、そうやって音楽がより好きになった人はたくさんいると思う。

石毛:今、厚武さんが代弁してくれたことが、「音楽文化を根付かせる」ってことだと思うんです。でも、特別な使命感を持ってやってたわけじゃなくて、シンプルに俺たちの世代もそうやって育ってきたはずだから、それをただ後の世代にも繋げたかったっていうだけなんですけどね。

変化を恐れず、3人体制で追求する「the telephonesらしさ」

ー現在に話を戻しますが、2023年5月にベースの長島涼平さんが脱退してから3年が経過しました。そこから新体制になり、ライブのやり方を大きく変えて、試行錯誤をしながら進んできたかと思うのですが、この3年をどう振り返りますか?

石毛:もう3年も経ったのかっていうことにびっくりはしてます。2023年の12月に新宿MARZ、新体制になって最初のワンマンを全部新曲でやったんですけど、めちゃめちゃ盛り上がったんです。すごく嬉しかったし、「このままいけるかな?」と思ったけど、やっぱりそんなに簡単ではなくて、前途多難な道を選んだんだなと思って。

ーどんな面で難しさを感じましたか?

石毛:新曲をやるのはよかったんですけど、昔の曲とどう違和感なく混ぜていくかを模索した3年だった気がします。過去と今をどう混ぜるか、みたいな。涼平が抜けたので、今ベースはシンセベースで、キックとかも同期で出しているので、前のthe telephonesに馴染んでる人だとやっぱり聴こえ方は全然違う。ロック好きからしたらちょっと違和感がある音像かもしれないですけど、「今やりたいことはこれだ」って、それをどう伝えていくかの3年でしたね。

ー2026年の1月から3月にかけて、20周年を記念したツーマンツアーが開催されましたが、それを終えての手応えはいかがですか?

石毛:今回のツアーで1個見えた気はするんですよね。何かをガラッと変えたわけではないんですけど……ツアー先でいろいろアドバイスをもらったりはしてて。例えば、盛岡Club Change WAVEの黒沼(亮介)さんは、もともとお世話になってた人で、新体制で初めて行ったときに「どうでしたか?」って聞いたら、「曲はいい。ただお前が死ぬほどダセえ」って言われて。

ーはっきり言いますね(笑)。

石毛:しかも、すごくいい笑顔で「死ぬほどダセえ」って言われて、こっちも思わず笑っちゃって(笑)。

その頃のライブは、俺の前にDJ台みたいなのがあって、そこにPCやらインターフェイスやらMIDIコントローラーを置いて操作してたんですけど、「あれがあるとお前のギターが見えねえ。そういうとこダセえと思うよ」って言われて、次のライブから変えたりして。

今はめちゃめちゃ光るMIDIコントローラーを使っていて、スタッフの提案でお客さんに見える向きに変えたんです。ただ、それを使って曲のポン出しもしていたので、“Monkey Discooooooo”の曲振りでいちいち後ろを振り向いてボタンを押さなきゃいけなくて(笑)。それを四国エリアのイベンターDukeの江戸さんに打ち上げで指摘されて。最終的にノブ(岡本伸明・Syn / Cowbell / Shriek)に別の機材で任せることにしました。

そういう積み重ねを経て仕上がったのが2026年のツアーで、見せ方がブラッシュアップされたことで、音もちゃんと伝わったのかなって。

石毛輝

ーノブさんはいかがですか?

岡本:当たり前ですけど、場数は大事でしたね。本当に一から始めたようなものだったので。前はイヤモニもつけてなかったんですけど、今は結構がっちり固定してるんですよ。耳元でクリックが鳴ってるから、お客さんの声がほとんど聞こえないことに最初は違和感があったんですけど、それも経験値が上がると慣れてきて。

松本:「がっちり固定してる」のレベルがマジすごくて、バンテージみたいなのでぐるぐる巻きにしてるんですよ。何も聞こえるわけねえだろ(笑)。

石毛:俺はフロアの温度感を確認したいからちょいちょい外すんですけど、ノブの場合は一度つけたらそういうことすらできない。

ーノブさんの激しいパフォーマンスをするにはがっちり固める必要があるわけですよね。

岡本:壊れちゃうんで(笑)。でも、やっぱり大小関わらず、いろんなステージに立つことが大事で。たくさん経験を積んで、この間のツアーで今のthe telephonesの形が一つできたかなと思います。今はどこでやってももう全然問題なくできますね。

岡本伸明

ー誠治さんはこの3年のライブをどう振り返りますか?

松本:僕も、本当に何もかもが変わりましたね。お客さんに近いところに立つこと自体ほぼなかったし、いろんなことが全部初めてだったので、いい意味で、また新人としてスタートが切れたというか、そこからどうやって作り上げていくかを考えてきました。

ーセッティングに関しては、ジェイムス・ブレイクのドラムセットを参考にしたところからのスタートだったそうですね。

松本:そうです、そうです。

石毛:今はDisclosureですね。

ーどこをどう変えたんですか?

松本:一番でかいのはキックです。キックの演奏を抜いて、完全に流し込み(※)にしました。なので、最初は普通に座って叩いてたんですけど、「これなら立って演奏できるんじゃね?」ってなって、ほとんど立って演奏するようになって。ステージの見栄え的にもノブと対になるような立ち位置になったり、そこの変化が一番大きいですかね。

※キック(バスドラム)の生演奏を行わず、あらかじめ作成した音源データを再生すること。

松本誠治

石毛:立って演奏するようになって、すぐに足折ってますけどね(笑)。

松本:2〜3回立ってライブをやった後に折って、すぐにまた座ってました(笑)。そのときの場内アナウンスで、「ドラムの誠治の演奏は座っての演奏になります」って流されて、ほとんどの人からしたら「そんなの普通だろ」みたいになって。

石毛:それ「UKFC」のイベント(the telephonesの所属するレーベルUK.PROJECT主催イベント)でライブしたときの話で、そういうアナウンスの悪ふざけが遠藤(幸一 / UK.PROJECT代表。)さんっぽいですよね(笑)。

「バンドってこう」という固定概念を壊し、さらに「踊る」ことへ特化する

ージェイムス・ブレイクやDisclosure以外だと、どんなアーティストをリファレンスにして、現在のライブのスタイルを構築していったのでしょうか?

石毛:the telephonesを始めたときと全く一緒。基本的には海外の自分に刺さる音楽で、ある程度トレンドなFred again..とかを上流とする音楽を参考にして。もうちょっと細かく言うと、jigitzとかJerseyとか、インディのその辺がめちゃめちゃ熱いんですよ。インタビューを読むとみんな大体バンド上がりで、その前で言ったらSkrillexがいるわけですけど、いわゆるDJとはちょっと違うんです。自分で曲を作れるから、トラックメイクというより、ちゃんとコンポーズな感じでダンスミュージックを作る人たち。

で、これはちょっと言い方が難しいですけど、彼らはみんないわゆる生楽器の音に飽きてる世代じゃないかなと推測します。ギターの音楽が広まったのを仮に1950年代からとしたら、もう70年以上同じ音を聴いてるわけで、それは飽きるというか、違うアプローチでロックやパンクをしようとする人が出てくるはずなんです。

現代はエフェクターの進化で新しいギターの音も作れるようになってる。そうやって新しいことをしようとしてる人たちが好きだし、the telephonesも常に新しくてかっこいい存在でありたい。だから涼平が抜けるってなったときも、この3人だったら新しいことができると思ったので、まずは楽曲を優先に作って、「じゃあこれライブでどうする?」っていう順番だったんですよね。

ー3人体制でライブをやるのは間違いなく大きなチャレンジで、ずっとライブを観てきたファンの人からは「4人のthe telephoesが良かった」という声もあったはずで。

石毛:もちろん、それで離れた人もたくさんいると思います。

ーでも今言ってくれたみたいに、この3人だからできる新しいことを追求していこうと、そこには強い決心があったわけですよね。

石毛:僕が思うthe telephonesはそういうバンドな気がして。その方がらしいかなと。

岡本:僕もそういう方がthe telephonesっぽいと思います。「バンドってこう」みたいな固定概念があんまり好きじゃないんですよね。それはthe telephonesを始めたときからそうなので、そういう意味でも今の形はめちゃくちゃ楽しいし、いいなと思う。どんな環境でもライブができるので、ある種「バンドであってバンドでない」みたいなところもあるんです。こういうバンドが日本にどれくらいいるかわからないですけど、このやり方はまだまだ伸びしろがあると思ってます。

松本:最初は「同期だと無機質になっちゃわないかな?」と思ってたんですけど、結局僕のインプットの仕方次第だなっていう部分もあって。常にそのリズムをポジティブに捉えていれば、相手がどうであれ、演奏的には楽しくなるんじゃないかという心持ちでずっとやってます。もちろん、それぞれ独立したグルーヴを持った人たちが集まった演奏もスリリングでかっこいいですけど、今のthe telephonesはこれまで以上に「踊る」ということに特化する演奏をしていて、そこにガッと集中してやってるので、その変化をすごく楽しんでますね。

https://youtu.be/ax6RedFgIt8?si=dtpo251qaNwrFGrc

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