
1988年元日、京の都の最東端にて生誕。ZERO-Gravity・WE BUILT THIS CITY所属のMC。2007年頃からそのキャリアをスタート。当初より定評のある高いライミングスキルに加え、京都アンダーグラウンドの流儀を肌で感じることで、養われた感性から紡ぎ出されるリリックは、他に埋もれずに異彩を放つ。また、Libra Recordsが主宰する『ULTIMATE MC BATTLE』においては、2012年、2015年、2019年、2020年、2021年の5度、京都代表を務め、本戦においても2度のベスト4、2019年には準優勝、そして2020年には悲願の初優勝を果たしている。
通ってきたシーンや年代も近しく、好き嫌いを正直にぶつけ合える人
今回はコラボアーティスト9組目、ラッパーの早雲君について語っていこうと思います。
彼と最初に会ったのは15年ほど前のイベントで、ずっと同じ京都には居ましたが、その時以来ほとんど会わずでした。京都のバンドシーンとヒップホップシーンはあまり混ざることがなかったんですよね。
その間僕はjizueからソロへ。彼は『UMB』というラップバトルのイベントで優勝するなど輝かしい経歴に。そうしてお互いの道を真っ直ぐに進んでいたら、2025年に大阪・アメリカ村のクラブで共演する機会があり、その時お互いの表現にシンパシーを感じて、「この再会を期に何か一緒にやれたら良いね!」と乾杯。それからしばらくして今回のコラボの話を申し込みました。
ヒップホップは自分を構成する大きな要素の一つであり、今回のコラボには必ず入れたいなと考えていました。これまでにラッパーというと、Shing02さんしかコラボはしたことがなく(なんと過去に3曲も一緒に作っています)、リリックに関してはいつもお任せ。ですが以前から、リリックの制作段階から一度携わってみたいという思いがありました。
そこで、近い距離に居て通ってきたシーンや年代も近しく、好き嫌いを正直にぶつけ合える人と一緒に時間をかけまくってヒップホップを作りたい! という全てを実現できるのは彼しかいないと思い、そんな熱いお誘いをしたらすぐに快諾してくれて、そこから沢山ミーティングを重ねる日々が始まりました。
ラップは、ともすれば誤解を生みかねない言葉というパワフルなツールを多く扱うジャンルなので、コラボ曲のテーマを決めるところから慎重に、じっくり話し合いを重ねられたのはとても良かったです。五条通りのロイヤルホストに通い詰めて、そのたびに何時間も壮大な人生のテーマについてヘロヘロになるまで語り合いました。沢山会話しながら最終的に気づいたのは、「自分が迷った時の道しるべになる言葉を世界に残しておきたいんだ」という感覚だったのは新しい発見でした。
以下は話し合いながらまとめていった曲のキーワードメモの一部です。
free jazzビート案。110BPMあたり?
アートは何故生まれてアートには何が出来るのか、人間の感情は何処から来るのか、なぜ苦しみの世界で修行する為に生まれたのか、精神修養、修行、人格者、何のために自分を磨くのか、人を感動させるほどの力とは、人生をコスパだけで考えるなら死ぬのが一番コスパが良い、六道、AIによる第六感の退化、脳の萎縮、等価交換、即興力、直感力、普遍性、原始生、精霊性の追求、表現者へのエール、言葉にはいつも沢山の嘘がこびり付いている、無我夢中の狂気を持たないと上にはいけない、修羅場の数が経験値、自分の個性を最大化する、人類を含む全ての生物は安全な生存に依存している、映像として想像出来たものは創造出来る、音楽は元々神と繋がる為の儀式。シンプルヒップホップビート案。90BPM
アインシュタインのいう愛というエネルギーの正体は何なのか、感謝する事はなくならないから感謝すればいつでも幸せになれる、音楽愛、芸術愛、人間愛、アミ、この先子供にどんな世界を見せたいか、この世界における人間の価値、芸術でしかタッチできない心の領域、幸せとは何か、人間が最初に手にした楽器が声で次がドラム、集合的無意識からのメッセージ、AIよりも脳の可能性、八百万の神の世界、純粋とは何か、真心の強さ、言葉の道しるべ、言霊(ヤマト言葉)、音楽で世界は変えられないが音楽で変わった人が世界を変える、ピュアで居続けるには物凄いエネルギーがいる、人間的生存戦略。
2回しか会ったことのない人間がこんな内容を、いきなりここまで深く語り合えたのは、誰も見たことがない凄い作品をつくりたいという、共通の強い目的があったからで、これは素晴らしい経験でした。
ラッパーにとってリリックは命そのものであるわけですが、今回僕の意見もたくさん取り込んでくれつつ、最後は彼のセンスと、狂気的な熱量で見事にまとめ上げてくれて、聴くほどに何処までも奥深い素晴らしい作品が出来ました。この積み重ねた制作時間によって、しっかり誰も聞いた事ことのない新しい形のヒップホップが完成していると思います。是非、リリックと音が深い意識で融合した世界観をじっくり何度もお楽しみください。
粉川心
p.s.1曲目のピアノは僕の1stソロアルバムで石若駿君に弾いてもらった音源をサンプリング加工したもので、3曲目のインストのトランペットは、僕が魂のワンテイクで完成させた奇跡のテイクとなっております。
次回は粉川からMomose Yasunagaへの手紙を6月30日(火)に公開予定。
粉川心(SHIN KOKAWA)長期プロジェクト「13artists×3works」

■プロジェクトコンセプト:身体的負荷の先にある「強いアート」の本質 この途方もない量の制作と連続リリースの背景には、粉川自身の「身体値の限界突破」というテーマがあります。比叡山延暦寺の極限の修行「千日回峰行」から着想を得ており、便利な時代にあえて「質より量」という過酷なアプローチを選択。圧倒的な制作量とライブの継続を通じて、身体 的な負荷の先に見える「強いアート」の本質を突き詰める試みです。また、13週間にわたる活動 そのものをひとつの表現とし、アーティストとしての影響力を拡大しながら、持続可能で心地よいビ ジネスモデルを構築・実証していくという「アートとビジネスの両立」も重要なテーマとして掲げています。
■参加アーティスト(全13組 / 順不同・敬称略)
・zezeco (青木ロビン / manukan)
・ermhoi
・類家心平
・魚返明未
・Noriyuki Inoue (jizue)
・THE BED ROOM TAPE (景山奏 / NABOWA)
・オオヤユウスケ (Polaris)/anzu
・高橋佑成
・早雲
・Momose Yasunaga
・伊藤えり
・八幡亜樹
・Yasutaka Okada (kott)
各種リンク
HP: https://penguinmarket.net/artist/shinkokawa/
Instagram:https://www.instagram.com/drum_shinkokawa/
X(旧Twitter):https://twitter.com/Drum_ShinKokawa
SPOTIFY:https://open.spotify.com/intl-ja/artist/3Vg6ZWLfFLXKgHoE4xbE3k
APPLE MUSIC:https://music.apple.com/jp/artist/shin-kokawa/1575903464

収録曲:
1.I think
2.White-hot
3.White-hot (Instrumental version)
配信リンク:https://linkco.re/nR8cpbpf