グータッチでつなぐ友達の輪! ラジオ番組『GRAND MARQUEE』のコーナー「FIST BUMP」は、東京で生きる、東京を楽しむ人たちがリレー形式で登場します。
6月3日は、「リピト・イシュタール」の田中かずやさんからの紹介で、ビンテージガジェットをリメイクするブランド「stability」の下嶋一洋さんが登場。「stability」を始めたきっかけや、活動を通して発信したいことなどについて伺いました。
INDEX
「stability」はヴィンテージガジェットをリメイクして販売するブランド
タカノ(MC):僕は下嶋さんとお会いしたのは2度目です。昨日出演された田中さんのお店「リピト・イシュタール」も参加している、新宿マルイ メン1階で開催中のポップアップショップ『REBOOT BRAINS』でお会いしました(現在は終了)。ぶっちゃけ告白すると、 僕は今週「FIST BUMP」に出演いただく方全員と会っているんですよ。『REBOOT BRAINS』に出展している方が全員来てくれる予定で。
Celeina(MC):『REBOOT BRAINS』で繋がっていく1週間ということですね。
タカノ:何はともあれ、下嶋さんのブランド「stability」がすごくかっこいいんです。
下嶋:ありがとうございます。
Celeina:「stability」はヴィンテージガジェットをリメイクするブランドということですが、具体的にはどんなものを扱っているんですか?
下嶋:1980年代〜1990年代に発売されたソニーのウォークマンとか、ポータブルカセットプレーヤーを世界中から集めてきて、修理して販売しています。
Celeina:修理して、実際に使えるような形にして販売するということですか?
下嶋:そうですね。
タカノ:「stability」を始めてからどれくらいになりますか?
下嶋:もう3年目になります。
タカノ:始める前も、ガジェットを修理して販売するようなお仕事をしていたんですか?
下嶋:いや、全然違います。もともとアウトドアのブランドに勤めていて、店舗の店長を13年ほどやっていました。40歳を過ぎた頃に、自分のやりたいこととか、自分が今まで培ってきたことを何か世の中に発信したいなと思って、この事業をスタートしました。
INDEX
ヴィンデージガジェットの魅力を発信するために、積極的にポップアップに参加するように
Celeina:始めるきっかけはあったんですか?
下嶋:会社を辞めて、過去の自分を改めて振り返ってみた時に、スケートボードを長く嗜んでいたので、ストリートカルチャーに関連した発信ができればなと思いました。その時に、昔はカセットテープで音楽を聴いていたけど、当時どういうデバイスを使っていたっけ? と思い返してみたんです。そして、まず最初に頭に浮かんできたのが「Shock Wave」で。
タカノ:「Shock Wave」は、パナソニックから発売されていたウォークマンのようなものですかね。
Celeina:カセットテープを差し込んで音楽を聴けて、ラジオも聞ける製品ですね。
下嶋:そうです。「Shock Wave」を使って、もう1回カセットを聴いてみたいなと思ったんですよ。まずメルカリやヤフオクなどのサイトで不用品を探したんですが、全部壊れていることがわかって。もう動くものがないんだなと思ったので、それなら直すしかないなと。業者に直してもらうか、自分でやるかの2択だったんですが、やっぱりまず自分でやりたいなと思ったんです。人が作ったんだから人が直せるだろうという安易な発想もあって、修理の仕方を調べて、見よう見まねでやってみました。そうしたら、最初にアメリカから輸入した「Shock Wave」6台のうち、4台を修理できたんですよ。
Celeina:すごいですね!
下嶋:まずやってみよう、ダメだったらまた次考えようという単純な発想でやったら、4台直せたので「これやべえな」と思って。1台は自分のものにして、残りの3台をメルカリで販売してみたら、すぐに完売してしまったんですね。「これちょっとイケてるんだ」と思って、そこから「Shock wave」だけでなく、僕らが当時買えなかった「SONY SPORTS」というソニーから出ていたカセットプレーヤーや、「SONY SPORTS」のウォークマン、ラジカセなど、扱う製品の幅が広がっていったんです。
こういったガジェットって、現代にはないプロダクトデザインだし、物としての力を感じたんですよ。なので、その魅力をもっと皆さんに発信したいなと思いました。発信する方法は、SNSを使ったりメルカリで売ったり色々あると思うんですが、それだとこちらが提示した後は待ちの姿勢になってしまうと思ったんです。もっと表に出なきゃいけないなと考えて、色々なところで盛んに行われていたポップアップに出店し始めました。 ポップアップで発信したことによって、世の中の人が、これがイケていると思っているんだということも実感できましたね。
Celeina:先ほど6台仕入れて4台直せたという話もありましたが、もともと修理や電気系の勉強をしていたわけではないんですか?
下嶋:全然ないです。本当に素人ですね。
Celeina:すごいですね! パーツを仕入れる必要もあると思うんですが、欠品しているパーツとかはないんですか?
下嶋:全部欠品していますね。パーツは自分で作る場合もあるし、「ニコイチ」というやり方をする時もあります。要は、壊れているものを2台用意して、いいとこ取りをして完成品を1台仕上げるんです。
タカノ:面白い。ちょっと新しい世界が開けるというか、やってみようという気になりますね。
下嶋:僕もできたので、皆さんもやろうと思えばできると思いますよ。
INDEX
「stability」の活動を通して、何かを作ろうとチャレンジする人の背中を押したい
タカノ:「stability」の活動をやってみて何か感じたことや、世の中に発信したいことはありますか?
下嶋:昨年1年で、ポップアップのイベントを全国で45会場くらい回ったんです。当然売り上げゼロのイベントもあったりしたんですが、自分の実績を作ることや経験値を積むことが大切だと思ったので、売れる売れないを無視して、色々なところに出向きました。45会場を回って、色々な出店者の方、アーティストの方、クリエイターの方と出会ったり、お客さんと話しをしたりする中で、チャレンジしている人ってこんなにいっぱいいるんだと思ったんです。
僕が修理している製品が発売された1980年代〜1990年代って、日本の企業がめちゃくちゃイケてる時代だったと思うんです。僕はそのプロダクトのパワーを実感しているので、当時と現代とを比べると寂しいなと思う部分があって、日本のクリエイティブの力が衰退しているように感じました。
「失われた30年」とか言われていますが、僕が行っている活動や作品を見ていただいて、何か作ろうとチャレンジする人がもっと増えればいいなと思っていますし、そういうメッセージを発信したいです。疲弊しているようなイメージもあるんですけど、やっぱりチャレンジする精神を皆さんに持ってもらいたいなと、最近思うようになりました。
タカノ:作り手が増えた方が絶対にいいですよね。技術や知識がなくて悩んでいる方がいたら、まず一歩踏み出してみるというか、アクションを起こすことが大事ですね。
Celeina:ぜひ「stability」で販売されているプロダクトを手に入れて、自分が何かを作る時のインスピレーション源にしたいですね。先ほどメルカリのサイトでも販売しているとおっしゃっていましたが、主にそちらで購入できますか?
下嶋:ポップアップと、メルカリで販売しています。あとManhattan Records®さんというレコード屋さんでも取り扱いがあってそちらでも購入できます。 その3つで今は事業展開をしています。
Celeina:あとはもうInstagramですかね。
下嶋:InstagramからDMをいただければ、その都度細かく対応させていただきます。
Celeina:自分だけの逸品をぜひ「stability」で見つけたいですね。さあ、「FIST BUMP」はグータッチで繋ぐ友達の輪ということで、お友達をご紹介していただいています。どんな方をご紹介していただけますか?
下嶋:今新宿でポップアップをやらせていただいている『REBOOT BRAINS』の3人のチームの中から、移動式古本屋「tuneless melody bookstore」の堀田勇人さんを紹介します。堀田さんは、『Boon』とか昔よく読んでいたファッション雑誌を、メンズ / レディース問わず日本で1番持っている方ですね。
Celeina:楽しみですね。明日は堀田勇人さんに繋ぎます。「FIST BUMP」、本日は「stability」の下嶋一洋さんをお迎えしました。ありがとうございました。

GRAND MARQUEE

J-WAVE (81.3FM) Mon-Thu 16:00 – 18:50
ナビゲーター:タカノシンヤ、Celeina Ann