グータッチでつなぐ友達の輪! ラジオ番組『GRAND MARQUEE』のコーナー「FIST BUMP」は、東京で生きる、東京を楽しむ人たちがリレー形式で登場します。
5月20日は、フレグランスブランド「fragrance yes」の山野辺喜子さんからの紹介で、Webディレクターの石黒宇宙さんが登場。Webディレクターとしての仕事の内容のほか、イベント運営からWeb領域に仕事を移した経緯や、個性的なオンラインストアが増えている背景などについて伺いました。
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イベント運営から、Webディレクターに転身
Celeina(MC):石黒さんは Webディレクターということですが、具体的にはどういったお仕事をされているんですか?
石黒:Webディレクターは、「Webサイトを作りたい」という方からご依頼をいただいて、それを形にしていく仕事です。まずは依頼者の方のご希望を伺って、こちらからも「こういうことをホームページで発信していきましょう」ということをご提案します。そこから実際のデザインや、実装と呼ばれる制作の部分、あとはそれをサーバーに載せるところまで、一連の流れを含めて管理しています。
私の場合は、デザインも実装も手掛けています。大きいプロジェクトだと何人かでチームを組むこともあるのですが、その際には、ディレクターを務めたり、デザインや制作だけを担当したりという形で活動しています。
タカノ(MC):実装もされるんですね!
Celeina:デザインと実装では内容が全然違いますよね。実装は、コーディングと言われる工程ですよね?
石黒:そうですね。ただWebデザインの場合は、実装とデザインがすごく密接に関わっているので、自分の周りでは両方されている方も多いです。
Celeina:なるほど。石黒さんのキャリアとしては、ずっとWeb関係でお仕事をされているんですか?
石黒:そうではないんですよ。大学を出た後、最初は大阪にある「graf」 というデザイン会社のアート、音楽、カルチャー全般を扱う部署に所属していました。詳しく言うと、展覧会の期間中に、出先機関みたいな感じでカフェを開いてイベント運営をするプロジェクトがありまして。僕はその担当者として、青森に行ったり、金沢や大阪に行ったりという形でいろんなところを転々としながら、展覧会に合わせてイベントを運営していました。
そのプロジェクトがひと区切りついた後に、東京のWeb系の会社に出向で勉強させてもらって、そこからWeb関連の仕事をするようになりました。
Celeina:イベント運営からWebのコーディングというのは、かなり離れた分野のように思えるのですが、コーディングなどについては社会人になってから勉強されたんですか?
石黒:はい、なので最初は本当に右も左もわからない状態でした。手取り足取り教えていただいたおかげで、今もやらせていただいています。キャリアとしては、20代後半の頃から続けています。
Celeina:Webのコーディングって、難しくないんでしょうか?
石黒:コーディング自体は言語を覚えるのと一緒なので、最初にある程度使えるようになるまでは比較的簡単だと思います。ただこれも言語と一緒で、綺麗な正しい言葉を使えるようになるにはやはり修練が必要になってきますね。
タカノ:今、AIもプログラミングに使われているじゃないですか。そういった技術も活用されたりするんですか?
石黒:もちろんです。AIもコーディングをしてくれるので、それでだいぶ助かるようになりましたね。もう、ChatGPTが最近の僕の主な会話友達です。「これ教えて」とか、「ここをこうしたいんだけど」とか。
タカノ:じゃあ、Web業界は皆さん結構、AIと共存できている感じなんですね。
石黒:はい、皆さん使われていると思います。
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商品の背景にあるストーリーを丁寧に伝えるオンラインストアが増えてきている
タカノ:Webサイトのトレンドについても気になっているのですが、最近の流行りなどはあるんですか?
石黒:最近ですと、オンラインストアのご依頼をいただくことがすごく多いですね。トレンドというか、自分が仕事をしている中での実感なんですけれど。以前はオンラインストアを小さな規模で始めるのが難しかったのですが、最近は個人で運用することが簡単になってきたんです。導入コストの面でもハードルが下がっており、始めやすくなっています。それで、従来のブランドサイトに加えてオンラインストアも作って、自分たちで販売を手がけられているところが増えてきました。
そこからさらにもう1つ、オンラインストアの中で、商品のことをより詳しく伝える流れが来ている印象があります。例えば香りを作るブランドだったら、その香りはどこから抽出されているかということをオンラインストアでちゃんと説明して、そのまま購入できるようにするということですね。あとはミュージシャンだったら、CDやレコードを作った背景や、こういう出演者でこういうことが起こりました、というエピソードや、ジャケットのデザインのことなども含めて、一緒に伝えながら販売していくですとか。Amazonや楽天のようなインターネット上の商業モールなどでは載せきれないような商品の魅力や、商品の背景にあるストーリーをより丁寧に伝えて、それが販売と一緒に繋がっていくというのが大きな流れになっていると感じますね。
購入される方も、そういうところから買いたいという流れがあると思います。靴や洋服を買うとしたら、「この身長だったらこのサイズ感ですよ」みたいな情報をちゃんと伝えていくところで買いたいという傾向になっていて。なので、オンラインストアでどんどん丁寧に商品の魅力を伝えていくというのが、流行りとして1つあるんじゃないかなと思います。
Celeina:もともとオンラインストアを小さな規模で始めるのは難しかったとおっしゃっていましたけれど、それはどういったところが壁になっていたのでしょうか?
石黒:オンラインストアでは個人情報やクレジットカード情報などの取り扱いがあるため、かつてはセキュリティ面や決済機能の構築など、ゼロからシステムを作るのは非常にハードルが高かったんです。それが今では、必要な機能がパッケージ化されたプラットフォームが普及し、カスタマイズするだけで簡単にオンラインストアを始められる時代になっています。
カスタマイズの自由度もかなり高くなっていて、ブログを併設したり、商品ページで音楽イベントのチケットを売ることもできたりします。音楽の場合だったら、そこで「こういうイベントがありますよ」と告知したり、過去のイベントの写真を載せて雰囲気を伝えたりもできます。ミュージシャンの方がそれをソーシャルメディアなどで発信してみんなに見てもらうことができるので、より魅力を伝えていきやすくなったと思います。
タカノ:なるほどね。聞きましたかスタッフの皆さん、J-WAVEの『GRAND MARQUEE』のホームページに、タカノの小説を売るページを作りましょうよ(笑)。