グータッチでつなぐ友達の輪! ラジオ番組『GRAND MARQUEE』のコーナー「FIST BUMP」は、東京で生きる、東京を楽しむ人たちがリレー形式で登場します。
6月5日は、移動式古本屋「tuneless melody bookstore」の堀田勇人さんからの紹介で、アーティストのSOMETAさんが登場。スニーカーの空き箱に絵を描いた作品が生まれたきっかけや制作方法、今後の目標などについて伺いました。
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使われなくなったものに絵を描くことで、価値が生まれていくのが楽しい
Celeina(MC):SOMETAさんは、2020年から独学でデジタルイラストの制作を開始。楽曲のジャケットやアパレルなどのアートワークを手がけ、2022年にはアーティストとして活動をスタートしました。今日はスタジオに作品をお持ちいただいております。これはスニーカーの靴箱にイラストが描いてあるのでしょうか?
SOMETA:スニーカー屋さんとのポップアップイベントの時に作った作品です。というのも、使われていなかったスニーカーの古い空き箱がたくさんあったんですよ。 その空き箱を提供してもらって、イラストを描いて何か作品にしてみようというのが制作のきっかけでした。

Celeina:なるほど。かっこいいですね。
タカノ(MC):空き箱が生まれ変わりましたね。
SOMETA:カッコよかったけど使われなくなったものに価値が生まれていくのが楽しくて、もともと好きだった、昔のものへの興味がどんどん強くなっていきました。キャンバスに絵を描くだけでなく、いろんな支持体に描くようになりましたね。
Celeina:自由な発想がいいですね。
SOMETA:あまり気にせずにやっています。
タカノ:スニーカーの箱のもとのデザインに寄せたり、色を合わせたり、インスピレーションを受けて作品を作っていらっしゃる感じがします。
SOMETA:僕はおそらく、当時をすごく知っている世代と、当時を全く知らない若い世代のちょうど間くらいにいるという意識があって。 自分がカルチャーを生身で体験したわけじゃないけど、やっぱりリスペクトがあるんです。だから、当時のカルチャーを自分なりに今っぽく描き直して、若い人にも当時の人にも楽しんでもらえるようにするのが楽しいんだと思います。
Celeina:架け橋のような存在なんですね。
SOMETA:そうなりたいと思います。
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もともとの素材の良さを活かしながら、インスピレーションのままに描く
タカノ:こちらの作品は触っても大丈夫ですか?
SOMETA:もちろんです。本当に普通の靴箱です。
タカノ:画材は何を使っているんでしょうか?
SOMETA:今は全部アクリル絵の具を使っていて、 キャンバスに描くのと同じやり方で下地の処理をしています。ただ、このスニーカーの空き箱が持つ良さを絶対に消したくないと思ったので、もとのデザインは残しつつ、インスピレーションを感じたままに一発描きみたいな感じで描いています。
タカノ:この紫の箱にはもともと何が入っていたんですか?
Celeina:「Nike SB Dunk Low Pro」みたいです。靴箱だから品名を確認できますね。
SOMETA:全部潰すと絵画との違いが出ないので、箱の形は残しておきたいなと思っています。
Celeina:主に箱のトップの部分に絵が描かれていますが、側面にも小さい女の子の顔が描かれていて、遊び心がありますね。
SOMETA:自由にやりたいという思いが常にありますね。こういうものは王道の作品ではないので、気軽に触ったり持ってもらったりしてもらいたいんです。 飾りやすいと思いますし、そういう作品の役割についても考えていますね。
Celeina:このスプラッシュしているようなペイントは、スプレー缶を使っているんですか?
SOMETA:そうです。家でスプレー缶で描いています。
タカノ:2020年から独学で学ばれたんですよね。独学でできるものなのでしょうか。
SOMETA:僕は美術の教育を受けていないんですが、展示の機会をいただくようになるうちに絵の具で描く場面が出てきて。その時は、とにかく色々試して、失敗してもとにかくたくさん数をこなして、だんだんと様々な表現ができるようになってきました。
タカノ:そうなんですね。皆さんにぜひ、SOMETAさんのInstagramをチェックしていただきたいですね。
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自身が面白いカルチャーを吸収して、広められる存在になりたい
タカノ:普段は会社員はやられているんだとか?
SOMETA:そうなんです。なので、合間を見て作品を作っています。
タカノ:お忙しいですね! 二足の草鞋でやられていると思いますが、アーティスト活動をやって良かったことはどんなことですか?
SOMETA:例えばこのラジオに出させていただくことも含めて、出会ったことのない人と出会えたり、見たことない場所に行ける機会に恵まれたりするのが、本当に楽しいなと思います。
タカノ:世界が広がったということですね。海外の方とやり取りをすることもあるとか?
SOMETA:SNSを中心に活動しているので、海外とも繋がりやすいのかもしれません。気軽に海外の人とやり取りがあって、仕事が生まれて、と今っぽい面白い入り方ができているなと思っています。
Celeina:今後こんな形でアーティスト活動をやっていきたいとか、展望はあったりしますか?
SOMETA:道を極めていくというよりは、広く知ってもらえるような存在になっていきたいですね。アニメとか、昨日出演された堀田さんが参加されている「REBOOT BRAINS」もそうですが、面白いカルチャーに触れて、自分が吸収したものをとにかく広く知ってもらって、楽しんでもらいたいです。それが今1番の目標ですし、ずっとそうありたいなと思っています。
タカノ:今後、音楽など多方面のアーティストとコラボすることもあると思いますが、すごく楽しみにしています!
SOMETA:ありがとうございます。
Celeina:展示のご予定はあったりしますか?
SOMETA:6月27日(金)から7月8日(火)まで、寺田倉庫にあるアートカフェ「WHAT CAFE」内で行われるグループ展『WHAT CAFE EXHIBITION vol.42:Framing Motion』に参加します。以前から親交がある野間博尊さんがキュレーションをされていて、2年前にも1度参加させていただきました。今回は参加する作家さんや作品数を増やして、さらにパワーアップした展示になっているみたいです。僕もそこで新作を色々出したいなと思っているので、ぜひ来てもらいたいです。
Celeina:気になる方はぜひチェックしてみてください。さあ、自分の中にあるアート心が刺激される時間でしたけれども、この1週間の「FIST BUMP」は「REBOOT BRAINS」が繋いでくれた友達の輪だったんですよね。
SOMETA:「REBOOT BRAINS」の方々には、本当にリスペクトしかありません。SNSで知ったのをきっかけにすぐに「REBOOT BRAINS」のイベントに行ったんです。「こんな場所は他にない」と思って何回も通ううちに少しずつ覚えてもらって、仲良くさせていただけるのがありがたいです。すごく大事な機会をいただきました。
Celeina:素晴らしいですね。「FIST BUMP」、本日はアーティストのSOMETAさんをお迎えしました。ありがとうございました。

GRAND MARQUEE

J-WAVE (81.3FM) Mon-Thu 16:00 – 18:50
ナビゲーター:タカノシンヤ、Celeina Ann