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アートディレクターの野中愛は、「好き」という感情の機微に注目してZINEを制作する

2025.6.5

#BOOK

グータッチでつなぐ友達の輪! ラジオ番組『GRAND MARQUEE』のコーナー「FIST BUMP」は、東京で生きる、東京を楽しむ人たちがリレー形式で登場します。

5月12日は、番組からの推薦で、アートディレクターの野中愛さんが登場。「好き」という感情の機微に焦点を当てたZINE『ハイパーファン倶楽部』を制作したきっかけや、最新刊の内容について伺いました。

「好き」という感情の機微に焦点を当てたZINEを制作

タカノ(MC):野中さんは5月11日に『文学フリマ東京 40』に参加されたそうですね。僕も会場に足を運んでいたのですが、どのあたりにいらっしゃいましたか?

野中:1階のブースに出展していました。アイドル批評を主としたゾーンですね。

タカノ:文学フリマへの参加は初めてだったのでしょうか?

野中:お客さんとして足を運んだことはあったのですが、出展者としての参加は今回が初めてでした。

タカノ:実際に出展されてみて、いかがでしたか?

野中:非常に楽しかったです。実際に購入してくださる方が目の前にいらして、どうして手に取ってくださったのかを直接伺うことができるのは、とても素晴らしい体験でした。また、他の出展者の方々も魅力的な方が多く、とても充実した1日でしたね。

タカノ:お隣のブース同士での交流もありますよね。今回、野中さんはどのような作品を出展されたのでしょうか?

野中:私は『ハイパーファン倶楽部』というZINEを制作しており、昨日はその第2号を初めて販売しました。

タカノ:どのような内容のZINEなのですか?

野中:『ハイパーファン倶楽部』は、アイドルや二次元キャラクターのファン3名で制作しているZINEで、構成はインタビュー形式となっています。登場する方々はすべて何かのファンであり、その対象を好きになった経緯や応援の仕方、さらにはその気持ちのアップダウンなど、「好き」という感情の機微に焦点を当てています。

Celeina(MC):スタジオにも『ハイパーファン倶楽部』の第2号がありますが、装丁がとても素敵ですね。学生時代に手に取っていたノート帳のような雰囲気もありますね。

野中:ありがとうございます。放課後に友人同士で好きなものについて語り合うような、そうした空気感を装丁に込めて制作しました。

タカノ:これはA6サイズで、比較的小さめですね。カラオケボックスのような場所で誰かがマイクを持っているような写真があり、顔は映っていないものの、そこにピンクの文字で『ハイパーファン倶楽部』と書かれているのが印象的です。

誰かを応援することには、人生を豊かにする側面が確実にあると感じている

Celeina:とても惹かれますね。特集のタイトルが「熱狂する君を見ている。私たちの”好き”とフレンドシップ」となっていますが、どのような意味が込められているのでしょうか?

野中:今回は、個人の「好き」という感情に加えて、同じものを好む人同士の友情や人間関係についても取り上げています。誰かを応援することは、自分の時間やお金を費やす行為ですし、その後に何も残らないのでは? という見方もあって否定的に捉えられることもあります。しかし実際には、人間関係が深まったり、視野が広がったりするなど、人生を豊かにする側面が確実にあると感じています。そうした点に着目し、インタビューを通じて掘り下げたのが第2号です。

タカノ:共通の「好き」を持つことで、結束力が高まるようなこともあるのでしょうか?

野中:そうした一面もありますし、1人で抱えていたモヤモヤとした感情を他者と共有することで、ポジティブな方向に転じることもあります。また、自分では気づいていなかった一面が、他者を通じて認識できることもあり、誰かに熱狂的な姿を見てもらうことで、新たな自己理解が生まれることもあります。

タカノ:客観的な視点を、友人を通じて得られるということですね。

Celeina:こうした「好き」を集めたZINEを制作しようと思われたきっかけは何だったのでしょうか?

野中:アイドルのライブに行った後、現在ZINEを共に制作している2人と好きなアイドルについて話す中で、そうした会話をもっと広げていきたい、形に残したいという思いが芽生えたんです。そして、ZINEを作ることで、自分たちの「好き」に対するポジティブな活動として、良い連鎖を生み出せればと思い、制作を始めました。

タカノ:アイドルに限らず、他のジャンルも対象にしているのですね。

野中:はい。映画について語っている方もいれば、VTuberやキャラクターについて話してくださる方もいます。

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