グータッチでつなぐ友達の輪! ラジオ番組『GRAND MARQUEE』のコーナー「FIST BUMP」は、東京で生きる、東京を楽しむ人たちがリレー形式で登場します。
9月12日はダンサーのUNOさんからの紹介で、現代水墨画家のCHiNPANさんが登場。水墨画に出会ったきっかけや、作品のテーマとメッセージについて伺いました。
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飽き性の性格にピッタリだった水墨画
Celeina(MC):まずはCHiNPANさんのプロフィールからご紹介します。2008年に国立新美術館で開催されたコンテストに入選したことをきっかけに、水墨画家としてのキャリアをスタート。「再生と破壊」をテーマに、紙だけに留まらず水墨表現の可能性を追求。店舗内装やファッション、音楽関連のビジュアル制作など、幅広く活躍されています。
タカノ(MC):CHiNPANさんのSNSアカウントを番組のSNSに投稿したので、まずは皆さんにどういう作品を制作されているのかをぜひ見ていただきたいです。
CHiNPAN:ぜひ。
タカノ:モチーフがすごくかわいいですね。
CHiNPAN:ありがとうございます。
Celeina:お寿司の海老とかテディベアとか、すごく意外でした。
タカノ:そうそう。水墨画では見たことがないようなもので、
CHiNPAN:確かにそうかもしれないですね。
タカノ:まず、水墨画を始めたきっかけは何だったんですか?
CHiNPAN:元々絵が好きな子供だったんですけど、結構飽き性で、水彩画とか版画とかも最後までやれなかったんです。その時になぜか美術の先生が「もうお前は水墨画をやれ!」って言ってきて。
Celeina:変わっている先生ですね。
CHiNPAN:そうですよね。和紙と墨を渡してくれて、水墨画を描いてみたんです。そうしたら、描いて乾いたら終わりで簡潔だったのがすごくしっくりきたんです。そこから水墨画に夢中になって、近所の水墨画教室に習いに行かせてもらったことがきっかけです。
Celeina:その小学校の先生は美術専門の方だったんですか?
CHiNPAN:先生自身が芸術家でしたね。美術室を自分のアトリエ化させて、ちょっとアウトなぐらい汚かったんですけど。そこがもう魅力で私は入り浸っていたんですよ。
タカノ:カリスマ感のある感じの先生だったんだ。
CHiNPAN:そうですね。
タカノ:確かに水墨画ってシンプルですよね。色も一色で、タッチで表現するっていうのはすごく奥が深そうですよね。
CHiNPAN:それぞれの手法を学んで、その組み合わせで絵を作っていくんですよ。なので、ギターとかピアノを演奏するのと結構近くて、普通の絵画とはちょっと違うかもしれないですね。
タカノ:一色だけど、濃淡で奥行きだったりを表現して。 CHiNPAN:そうですね。和紙との相性とか、水の含ませる量とかそういう部分をコントロールするので繊細ですね。繊細ですけど、大胆にもできるという良さはありますね。

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身近に感じられた「生と死」が作品に影響する
タカノ:「再生と破壊」がテーマということじゃないですか。それには何かきっかけがあるんですか?
CHiNPAN:今5歳の娘がいるんですけど、娘が生まれるタイミングと、15年間一緒に連れ添った愛犬が亡くなるタイミングが被ったんです。その時に、生と死について考えることがすごく多くて、それを作品に残したいという思いがあって個展を開いたんです。今もそのテーマを掲げて作品作りをしています。
Celeina:そうだったんですね。
CHiNPAN:「再生と破壊」も含め、「生と死」というのは表裏一体なんです。私の最近の作品の中では昆虫のモチーフが多いんですけど、昆虫ってさなぎの中で液体みたいにぐちゃぐちゃってなってから成虫になるんですね。そんな再生と破壊を繰り返して、大きく脱皮していくということを表現したくて作品を作っています。

Celeina:なるほど。
タカノ:この話を聞いてから作品を見ると、印象が変わりますね。先ほどお子さんのお話も出ましたけど、生活と作品というのは結びついているんですか?
CHiNPAN:ちょっと難しいんですけど、作品自体にはあまり関わってはいないような気もしています。もう1つのライフワークとして、水墨画に馴染みを持ってもらうためにタトゥーシールを作っているんです。そこで身近なものモチーフにする中で、娘の愛用しているテディベアとかお寿司とか、みんなに楽しんでもらえるものを選んだりしています。
Celeina:これってタトゥーシールだったんですね。
CHiNPAN:そうなんです。
タカノ:水墨画のエビのタトゥーシール、めちゃくちゃかわいいですね。
Celeina:目を引きますよね。プロフェッショナルとして水墨画を作りながらも、タトゥーシールというみんなが入りやすい入口も作ってくださっているCHiNPANさんの姿勢が、すごく素敵だなと思いました。
CHiNPAN:ありがとうございます。
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芸術家夫妻ならではのエピソードも
タカノ:知っている方も多いと思うんですが、CHiNPANさんのパートナーが、Tempalayのドラマーの藤本夏樹さんなんですよね。SNSもずっとチェックしているんですが、めっちゃかっこいい絵になるファミリーなんですよ。憧れの眼差しで見ています。
CHiNPAN:いやいや、ありがとうございます。地元で泥臭く生活していますよ。
タカノ:音楽と美術のアーティストファミリーですよね。
CHiNPAN:言われてみれば、確かにそうですね。
Celeina:創作をする上でお互いに影響し合ったりする部分はあるんですか?
CHiNPAN:ありますね。私が展示をしている時にライブをやってもらったり、紹介してくれたダンサーのUNOちゃんがいるポートランドに行って、ライブをして展示もしたりとか。そういうことを家族旅行も兼ねてできるので、楽しいですね。
Celeina:旅行のお話が出ましたけど、元々旅行があんまり得意じゃなかったと聞いているんですが。
CHiNPAN:それは今もあんまり得意じゃなくて。
Celeina:それは何でですか?
CHiNPAN:自分の家とか、住んでいる場所が大好きすぎて。
Celeina:それはめちゃくちゃいいことじゃないですか!
CHiNPAN:それもあるんですけど、変化がちょっと苦手なのか、すごくストレスを感じるんですよね。旅行に行ったらもちろん楽しいし、行ってよかったって思うことしかないんですけど、苦手は苦手ですね。ポートランドに行く前も、すごく嫌だと思っていたんですけど、行ったら最高すぎて。また行きたいとは思っているんですけどね。
タカノ:いろんなお話を聞いて気になったというリスナーの方は、CHiNPANさんのSNSをぜひフォローして、作品を見てください。
Celeina:「FIST BUMP」、本日は現代水墨画家のCHiNPANさんをお迎えしました。ありがとうございました。

GRAND MARQUEE

J-WAVE (81.3FM) Mon-Thu 16:00 – 18:50
ナビゲーター:タカノシンヤ、Celeina Ann