グータッチでつなぐ友達の輪! ラジオ番組『GRAND MARQUEE』のコーナー「FIST BUMP」は、東京で生きる、東京を楽しむ人たちがリレー形式で登場します。
1月17日はクリエイティブレーベル「MANNERS KNOWS」の代表・MARCOさんのご紹介で、プロBMXレーサーの中井飛馬さんが登場。BMXとの出会いや、BMXレースの魅力、パリオリンピックへの想いなどについて伺いました。
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実家の近くでたまたま出会ったBMX
Celeina(MC):今日がラジオ初出演ということで。
中井:そうですね。今までラジオに出演したことがないので緊張しています。よろしくお願いします。
Celeina:よろしくお願いします。まずは中井さんのプロフィールからご紹介したいと思います。5歳のときに新潟県上越市にてBMXレースと出会い、11歳で世界選手権で初の決勝進出を決め、念願であったワールドゼッケンを獲得。その後12歳で本場アメリカの強豪チームにスカウトされ海外へ転戦を始めます。2019年にはエリートクラス1年目ながらも、全日本選手権で優勝。2021年には日本人で初めてUCI BMXワールドカップシリーズのU23シリーズチャンピオンに輝き、2023年には杭州アジア大会で金メダルを獲得。スキルフルなライディングが持ち味。鋭いライディングでオリンピックメダル獲得を狙っています。
中井:ありがとうございます。
タカノ(MC):5歳からBMXを始めたんですね。
中井:そうなんです。でもBMXのレースに出る選手はみんな始めるのが早くて、2、3歳でストライダーという、ペダルがついていなくて、プッシュして乗るものから始めているんですよ。僕は5歳で補助輪が外れたので、すごく遅い方なんです。
Celeina:5歳のときに初めてBMXレースを見た時の感覚って、覚えていらっしゃいますか?
中井:覚えています。僕の実家は新潟県の上越市で、たまたま近くにBMXのレースコースがあったんですよ。普段の生活では絶対に感じないような、ジェットコースターに乗っているくらいのスピード感を自分でコントロールできるのが、すごく面白くて。そこで初めてBMXに乗って、そのまま父親と一緒に自転車屋さんに行ってBMXを買ってもらいました。
タカノ:やらされるんじゃなくて、自分から前のめりに。
中井:そうですね。
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BMXレースはエキサイティングな「自転車の格闘技」
Celeina:中井さんは現在、南フランスを拠点にBMXプロレーサーとして活動されていて、今は一時帰国中ということなんですよね。 夏のパリオリンピック出場を目指されているということですが、まずはBMXレースについて簡単に教えていただきたいです。「自転車の格闘技」と呼ばれているんですか?
中井:BMXの中にも色んなジャンルがあります。フリースタイルで技を決める「パーク」とか、街のなかでスケボーみたいに走る「ストリート」とか。僕がやっているのは「レース」なんですけど、最大8人で一斉にスタートを切って、タイムを競うんです。陸上競技みたいにトラックで区切られてもいないので、ぶつかったりとか、進路妨害をしたりとかが認められているんです。
Celeina:進路妨害までOKなんだ!
中井:そうなんですよ。だからレース中に肘と肘がぶつかったりとか、相手を転がしちゃったりとか、そういうことが沢山あります。なので、日本では「自転車の格闘技」と言われているぐらい、エキサイティングな競技です。
タカノ:コースもアップダウンがあって、でこぼこしているというか。
中井:各コースごとに、特色があるんです。このコースはジャンプが大きいとか、細かくてテクニカルとか、ストレートが長いとか。色々あるので、全てのレースに違った面白さがあるんですよね。
Celeina:映像で見ているとすごくスピードが速そうなんですけど、時速で言ったら何キロぐらい出ているんですか?
中井:スタートしてから約2秒でスタートヒルという坂を下るんですけど、そこで時速60キロぐらいですね。
タカノ:原付より速いんだ。
中井:それで8人が一斉に下って、動きもたくさんあるので、見ている側はすごくアドレナリンが出ますね。
タカノ:どういう部分に注目したらより楽しめますか?
中井:レースの中での激しいぶつかり合いは、見たことない方でもすごくエキサイティングになれると思います。あとは、トーナメントは4人ずつ上がっていくんですけど、トップの選手だけじゃなくて4位争いも激しいので、面白いと思います。
タカノ:4位と5位の境目があるんですね。
中井:そうですね。あとはやっぱり自分の推しの選手を注目して見ると、色んな動きがあって面白いです。
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キャリアとともに重ねた怪我と乗り越えるメンタル
Celeina:スピードに加えてパワーもあるということなんですが、怪我も多いんじゃないですか?
中井:そうなんです。
Celeina:中井選手も1ヶ月前に鎖骨を骨折してしまったということで、これで6回目なんですか?
中井:鎖骨だけで6回目なんですけど、全身をあわせたらお医者さんに聞かないとわからないですね。実は、手術とリハビリのためにフランスから帰国したんです。
タカノ:恐怖心はないんですか?
中井:最近ちょっとずつ芽生えましたね。
Celeina:逆に、今?
中井:子供の頃はやんちゃだったんで「怖くねーよ」という感じで乗っていたんです。最近は転ぶ恐怖よりも、転ぶことでBMXに乗れない期間が出てくる恐怖がちょっと現れてきましたね。
タカノ:その勇気もレースの中でポイントになってくるということですもんね。
中井:そうですね。各コースに特徴があって、早く攻略しないといけないんですけど、怖いジャンプとかもあるんですよ。それで練習のときにジャンプができない選手も、いっぱいいるんです。でもそこは、自分の気持ちを抑えてジャンプしないといけなくて。
Celeina:強いな。ハートが大事ということなんですね。さあ、このあたりで1曲お送りしたいと思います。中井さんにこの時間にみんなで一緒に聴きたい曲を選んでもらいました。選曲理由からお願いします。
中井:BMXの大会ではこの年代のロックが流れていることが多くて、あとはこの曲に僕も勇気をもらっているので選びました。Good Charlotteで”Hold On”。