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人間の声はカオスのための「錨」。複雑な拍は数えるよりも感じる

ー今作は、ほぼ全曲で2人のボーカルが収録されていますね。「自分の声」という、とても人間らしくて脆い部分をあえて見せることに、ためらいや恥ずかしさはありましたか?
DOMi & JD BECK:作曲しているうちに、僕らの楽曲って実はほとんどが「Aメロ、Bメロ、サビがあって、ブリッジ(展開部)からアウトロへと向かう」という典型的な構成で、すごくシンプルだってことに気づいて。
それなら「自分たちの声で歌おう」って、自然な流れでそうなりました。人間の声って一番古くからある楽器だし、人とダイレクトに繋がれる手段だから。
ボーカルはメロディーと歌詞を伝える役割があるから、どうしても注目が集まりがちだけど、僕らの意図はボーカルを主役にすることじゃなくて、アンサンブルがもたらすカオスのための「錨」として、役割を果たしてほしくて。
人間の声も独自の音色や質感、能力を持っていて、他の楽器と同じ「1つの楽器」。声を使って探求するのは楽しかったです。
ー複雑なコード進行や変拍子の上で歌う“CLiMBiNG HiGH”などは、演奏しながら歌う難易度も相当なものだと思います。ボーカルというアプローチは、2人のグルーヴにどんな新しい感覚をもたらしましたか? また、今作では“RAiN”や“SMALL EYES”のように具体的な言葉でパーソナルな想いを表現する「作詞」のプロセスも加わりましたが、それによってお互いの関係性に何か変化はありましたか?
DOMi & JD BECK:技術的な面で言うと“PUZZLE PiECES”のボーカル録音は本当に難しかった。変拍子なだけじゃなくて、曲中でボーカルの音程が大きく跳躍するから。でも、その過酷な作業のおかげで、拍は「数えるよりも、感じる方がいい」っていう確信がさらに深まりました。
DOMi & JD BECK:関係性の変化については、僕らはお互いのことをもう知り尽くしてるから変化は何もありませんでした。