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ライブハウスでの音楽活動を持続可能にするために。muside×JASRACが目指す未来

2026.7.27

KENDRIX

#PR #MUSIC

ライブの告知やチケットの予約管理にはじまり、セットリストの記録やメンバーの募集……ライブハウスを主戦場とする音楽活動には、演奏や楽曲制作以外にも数多くの事務作業が伴う。特にアマチュアやインディーズのアーティストは、その多くを自分たちの手で担わなければならない。

そうした現場の課題に寄り添うサービスとして注目を集めているのが、音楽活動に伴うさまざまな業務を一つのアプリに集約し、アーティストたちの活動をサポートするプラットフォーム「muside(ミューサイド)」だ。

本記事ではmuside発案者や、JASRACのKENDRIX担当者に話を聞いた。また2026年5月に福岡で開催されたサーキットイベント『スイゾクカン』の会場を訪れ、イベント主催であるライブハウスオーナーや出演アーティストに、ライブハウスでの音楽活動についてインタビュー。各方面から、インディペンデントに活動する際に参考になるお話を伺ったので、ぜひ、音楽活動の参考にしてほしい。

自身の音楽活動の中で感じた課題を解決するために立ち上げた「muside」

2024年2月にリリースされ、主にインディペンデントな音楽シーンで利用者を増やしてきた「muside」は、西日本鉄道株式会社の社員が、自らの音楽活動の中で抱いてきたモヤモヤを解決するために、発案したサービスだ。

musideの発案者で、現役のシンガーソングライター「hako」としても活動する近藤真由は下記のように語る。

近藤:音楽活動を始めたばかりの頃、一番困ったのが、自分と同じようなアマチュアのアーティストがどこで活動しているのか分からなかったことです。ネットで検索をしてもカフェやバーなどの小規模なライブ会場の情報が少なくて、私自身、不安を感じながら、恐る恐る会場を訪ねたこともありました。

だからこそmusideでは、ライブができる場所や、そこで活動しているアーティストの情報を集めるところから始めたんです。土地勘のない場所でライブハウスやスタジオを探したり、ツアーの計画を立てたりする際にも情報源としても活用してもらえます。

音楽活動を始める前は、「ステージに立つ人は特別な存在」というイメージを持つ人も少なくありません。しかし実際に、自分と同じようなアーティストたちの活動を知ることで、「自分にもできるかもしれない」と一歩を踏み出すきっかけになればと思ったんです。

近藤真由(こんどう まゆ)
西日本鉄道株式会社の新規事業創出プログラム内で提案され、2024年2月にサービスを開始した音楽活動支援プラットフォーム「muside」の発案者のひとり。シンガーソングライター「hako」としても活動しており、自身の経験をもとにアーティスト目線のサービス開発を行っている。
hakoとして『スイゾクカン』に出演 / 撮影:斉藤祥光

そんな近藤も出演者のひとりとして参加した、サーキットライブイベント『スイゾクカン』では、出演アーティスト全員にmuside上でセットリストを作成 / 登録することを促している。musideでセットリストを登録すると、抽選で特典がもらえるKENDRIXとのコラボキャンペーンが当日からスタートしていたためだ。このキャンペーンは、将来的には、musideに登録されたセットリストの楽曲が、ライブハウスからJASRACに支払われる著作権使用料の分配対象となることを目指し、運用面における課題等を把握するための検証を兼ねている。

近藤:セットリスト機能は以前から搭載していましたが、実際に利用しているのは一部のユーザーに限られていました。そこで今回の取り組みにあわせて機能のアップデートを行い、楽曲ごとの詳細情報やJASRACの作品コードを登録できるようにしました。

自分で楽曲を作って活動しているアーティストの中には、権利登録の対象になる人も少なくありません。しかし、制度を知らなかったり、難しそうだと感じて利用していないケースも多いと思うんです。

今回の取り組みを通じて、普段のライブ活動の中でセットリストを登録することが、将来的な権利の管理や適切な対価還元につながる可能性があることを知ってもらいたいです。

イベントではmusideの画面を見せるとガラポンができるキャンペーンを実施。出演アーティストも来場者もほとんどがmusideをダウンロードしていた

各SNSにそれぞれ投稿していた情報を、musideで一括管理

musideを利用しているアーティストたちは、どんなところに魅力を感じているのだろうか。ユーザーのひとりであるシンガーソングライター・広華ももに話を聞いた。

広華:私が特に便利だと感じているのは、活動に関する情報を一つの場所にまとめられることです。演奏動画やライブ情報、各種SNSへの入口として使えるので、興味を持ってくれた人が必要な情報にたどり着きやすい。公式サイトのような感覚で活用しています。

一方で、既存のファンが見ることの多い個人のサイトとは違い、musideにはたくさんのアーティストの情報が掲載されているので、まだ自分を知らない人の目に留まるチャンスがある。新しい出会いにつながるところがいいと思います。

広華もも(ひろか もも)
福岡を拠点に活動するシンガーソングライター。2024年8月に最新シングル「ヒペリカム」をリリース。musideユーザーとして今回のイベント『スイゾクカン』に出演。初めてのサーキットライブに緊張しながらも、ライブを楽しんだと話していた。

また、musideの魅力は単なる情報発信にとどまらないと広華は話す。アプリ内ではライブイベントへの出演オーディションや楽曲の募集企画、キャンペーンなどが頻繁に実施されており、アーティストにとってチャンスにもなっている。

広華自身もmusideを通じてさまざまな企画に参加してきた。そのひとつが、応募によって選ばれたアーティストの楽曲を商業施設や店舗のBGMとして放送する『USEN 推し活リクエスト』とのコラボ企画だ。この企画に広華の楽曲も選ばれ、実際に商業施設で放送された。

広華:実際に商業施設で自分の曲が流れているのを聴いた時は本当にうれしかったですね。普段はなかなか得られない経験だったので、大きな励みになりました。

musideから広がる活動の輪

福岡市内のライブハウスを中心に活動するシンガーソングライターのHoolyも、musideを活用するアーティストのひとりだ。

Hooly:僕がよく使うのはライブ告知機能です。以前はDMや個別のメッセージで案内することが多かったのですが、musideにライブ情報を登録しておくだけで、フォローしてくれている人へ一斉に知らせることができるのでとても助かっています。最近では、チケットの取り置き機能を利用してくださるお客さんも増えて、予約管理の手間が減りました。

アーティストページでSNSリンクやYouTubeリンクの掲載のみならず、イベント告知等が一式で行える。

Hoolyが特に気に入っているのは「クリップ」と呼ばれるブックマーク機能。イベントなどで気になるアーティストに出会った際、プロフィールをクリップしておけば、その後の活動を追いかけることができる。アーティストにとっては、共演者の活動を知るきっかけにもなり、「また一緒にイベントをやりたい」「コラボしてみたい」と思ったときに思い出すことで、新たなつながりが生まれる可能性を感じているという。

Hooly:将来的には、アーティスト同士をつなぐマッチング機能のようなものができたら面白いですよね。さらに動画編集やミュージックビデオ制作など、自分一人では難しい部分を得意な人とつなげてくれるような仕組みがあれば、新しい挑戦もしやすくなると思います。

Hoolyは、2026年3月にmusideとKENDRIXが主催したイベント『音学~TALK SESSION&MINI LIVE!!~』にも出演し、音楽の著作権や著作権によるマネタイズといったテーマについて学んだことで、自身の意識にも変化があったと話す。

Hooly:それまでは正直、著作権についてあまり詳しくありませんでした。ただ、自分や他のアーティストが生み出した楽曲がどのように守られ、どのような形で還元されるのか、その仕組みを知ることは大切だと感じました。

Hooly(ホーリー)
福岡市内のライブハウスを中心に活動するシンガーソングライター。ギター1本でオリジナル曲を届ける。『スイゾクカン』では、応援してくれる人たちの存在を改めて感じ、「音楽をやっていて良かったと思える一日だった」と振り返った。

セットリスト提出のDX化にトライ

アーティストの活動を支える仕組みは、出演者だけでなくライブハウスの現場にも深く関わっている。現場の最前線に立つライブハウスのオーナーは、musideをどのように見ているのだろうか。

今回初開催の『スイゾクカン』を企画したのは、福岡のライブカフェ&バー「アクアリウム」の店主・岡本武志。2018年のオープン以来、数多くのライブやイベントを手掛け、新人アーティストの発掘や育成にも力を入れてきた、福岡のライブハウスシーンを支える存在のひとりだ。

岡本武志(おかもと たけし)
福岡のライブカフェ&バー「アクアリウム」の店主で、『スイゾクカン』の発起人。バンド中心のサーキットイベントが多い中、弾き語りアーティストにも活躍の場をつくりたいという思いから、今回のアコースティックサーキットライブを企画したという。普段からmusideをアーティストにおすすめしている。

ライブハウスがJASRACへ報告する楽曲利用情報は、著作権使用料を権利者へ適切に分配するための重要なデータとなる。しかし実際の現場では、どの曲が演奏されたのかをアーティストの申告に頼るケースも多い。ただ同じ曲名の楽曲が世の中には無数にあったりもするので、正確な把握や管理には、少なくない手間がかかっていると岡本は言う。

そうした中、この日のイベントで行われたのが、musideのセットリスト機能を活用して当日アーティストが演奏する楽曲を把握するという実証事業。岡本は、この取り組みが現場にもたらす変化に期待を寄せている。

KENDRIXが目指す、音楽家に正しく対価還元される世界

こうした実証事業において、musideと連携するのがJASRACのクリエイター向け権利管理プラットフォームKENDRIXだ。

両者が協業を開始したのは、2026年4月。インディペンデントに活動するアーティストにも適切な対価を還元したい——そんなJASRACのかねてからの使命感が、その背景にある。

KENDRIXとは
レーベルや事務所に所属せず、個人で活動する音楽クリエイターを対象に、権利に関するサポートを提供する仕組み。匿名性の高い活動をしていると、いざトラブルに巻き込まれた際に権利を主張しても信じてもらえないことがある。そういった際に、ブロックチェーンに裏付けられた楽曲管理の仕組みが、証明となる。JASRACが運営しており、2022年10月のリリース以降、累計で3000名を超えるクリエイターが利用し、18000件以上の音源が登録されている。

KENDRIXを立ち上げたJASRACの水谷英彦は、2017年頃からブロックチェーンの調査を進めていた。その中で、クリエイターへのヒアリングを重ねる中で、作品の盗用やなりすましへの不安、権利に関する知識不足といった課題が見えてきた。また近年は生成AIの普及もあり、「自分が作った作品であることを証明したい」というニーズも高まっている。そうした課題を受けて誕生したのがKENDRIXだ。

一方で水谷が強く課題意識を持っていたのが、著作権使用料の分配に必要な利用実績データの収集だった。著作権使用料を集めることだけが目的ではなく、実際に演奏された楽曲の情報をもとに、正しく権利者へ対価を届けることが重要だ。しかし現場では、セットリストの受け渡しが紙で行われることも多く、データとして活用しづらい状況が続いていた。

そうした中で水谷が可能性を感じたのが、musideのセットリスト機能だった。

水谷:単にファン向けにセットリストを公開するサービスではなく、ライブハウスやイベンター、アーティストが共通で利用できるデジタル基盤になり得ると思いました。musideでのセットリストの作成 / 共有が標準化されれば、ライブハウスの業務効率化にもつながりますし、記録もより正確になります。特にインディーズやライブハウスシーンのように、十分な人員やシステムを持たない現場にとっては大きな助けになるはずです。

水谷英彦(みずたに ひでひこ)
JASRAC広報部主幹。2022年にクリエイター向け権利管理プラットフォーム「KENDRIX」を立ち上げ、現在もシステム開発やプロモーションを担当。ブロックチェーンなどのデジタル技術を活用しながら、クリエイターへの適切な権利還元や新たな支援の仕組みづくりに取り組んでいる。

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