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『星野源論』をさらに紐解く「3時限授業」。刊行記念トークイベントレポート

2026.7.10

#BOOK

『星野源論』(新潮新書)の刊行を記念したトークイベントが、6月29日(月)、下北沢の本屋B&Bで「開講」された。

会場参加のチケットは発売即完売となり、オンライン配信でも700人が見守ったイベントの模様を、抜粋してお届けする。

戸部田誠×つやちゃん×小田部仁による「3時限授業」

『星野源論』は、二人の著者による二部構成を取っている。前半は、『タモリ学』などの著書で知られるテレビウォッチャー / ライターの戸部田誠(てれびのスキマ)による、芸能史から考える星野源論。後半は、『わたしはラップをやることに決めた フィメールラッパー批評原論』などの著作がある文筆家・つやちゃんが、音楽批評の観点から星野源について論じている。

同書の発売直後から、「『星野源論』という講義があれば受けてみたい」という声が多数寄せられたといい、この日のイベントはそのリクエストに沿うようにして「3時限授業」の形で進行した。1時限目は戸部田、2時限目はつやちゃんがそれぞれ「講義」を行い、最後の3時限目は「私の星野源論」と題して、参加者からの質問やコメントに登壇者が応える時間だ。進行は本書の編集を手がけた小田部仁が務めた。

本物の講義さながら、参加者が熱心にメモを取る姿も。

戸部田の人生の選択に、星野源が与えた影響

戸部田による1時限目のテーマは「極私的 思い出深い星野源」。自身も星野源のファンでありながら、本書の性質上、本に入れ込むことはできなかった個人的なエピソードや思いが語られた。

戸部田が星野源にハマったきっかけは、2006年のドラマ『アキハバラ@DEEP』(演出:大根仁)だったという。戸部田は星野の3学年上で、星野の登場に「年上ではない、同世代のサブカルスターがはじめて現れた! と思いました」。

戸部田:サブカルチャーとオタクのカルチャーを幸福に混ぜたドラマで、そこに星野さんがいるのは象徴的。特におすすめは4話『タイコの恋!? 洗脳されるアキバチルドレンを救出せよ!』ですね。星野さんの主役回で、しかも相手役が木南晴夏という、めちゃくちゃいいところを突いてくる。最近見返しましたけど、いまの倫理的にどうかな? と思う部分は若干あるものの、20年経っても面白いです。

星野の出演した番組や、インタビュー記事など、戸部田にとって思い出深い星野のモーメントのスライドがめくられるたびに、会場から「おおー」「ああー」といった歓声が上がる。あまりに「全部知られている」ことに、戸部田も驚きの様子だった。

戸部田のスライドより。ここで全てを紹介できないのが残念だ。

『TV Bros.』2015年7月1日号でのインタビューは戸部田にとっても思い出深いものだという。「テレビ」をテーマにした星野への取材で、当時インタビュアーとしての仕事は断っていた戸部田にオファーがあった。

戸部田:ピンポイントで指定された取材日が、移動日で飛行機に乗っている予定だったんです。でも星野さんは大好きなので、「迷っています」という返事をしたら、星野さんも今年ラジオでおっしゃっていましたが、星野さん側から僕の名前をあげてくれたと聞いて、それはぜったいに断れないと思って。

それが、戸部田にとって初めてのインタビューとなった。

戸部田:このときに、僕の拙い質問に星野さんが意を汲んで答えてくれたおかげで、他で聞かないような話が聞けて、「インタビュー、できるじゃん」と勘違いしちゃったんですよね(笑)。それが上京してライターとして仕事をする直接のきっかけにもなったんです。

ちなみにこのインタビューで星野は、「『シャボン玉ホリデー』みたいな番組をいつかやりたい」という夢を語っている。後の『おげんさんといっしょ』を予見するような重要な証言だ。

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