折坂悠太の4thアルバム『呪文』の発表、そしてそのリリースツアーの開催に際した短期連載第2弾。今回の書き手は、俳優の坂東龍汰。「折坂さんの音楽は僕にとってほぼ生活」だという彼は、折坂悠太の歌にどのように出会い、何を受け取っているのか。
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折坂悠太の歌は「ほぼ生活」。坂東龍汰がその歌に感じる自由
折坂悠太さんの歌と出会いは、2019年に渋谷で行われた『全感覚祭』でした。折坂さんのライブは朝方4時ごろだったのですが、音楽をやっている友人と聴きに行き、喰らいすぎて二人してぼろぼろ感動泣きしたのを覚えています。
なかでも“芍薬”がかなり印象に残っていて、リズム、メロディー、歌声、全てが僕の「どタイプ」でスッと体に入ってきました。僕は昔からカントリーやフォークが好きで、折坂さんのリズムやギターの音が好きなのかもしれません。
それからもう毎日のように折坂さんの曲を聴いています。2019年の一番よく聴いた曲のランキングも折坂さんだらけで、折坂さんの音楽は僕にとってほぼ生活です。説明的すぎず、余白がたくさんあって、解釈を聴いている側に委ねてくれる歌詞が好きで、聴いていると、ふとした瞬間に歌詞がスッと自分の思考とフィットして心が揺れます。
一番好きな歌は“角部屋”で、“朝顔”も“トーチ”も“春”も“揺れる”も好きです。“朝顔”は弾き語りで友達とカバーしたりもしました。カラオケでも何度も歌っていますし、カラオケに入っている折坂さんの曲は全部歌えます。折坂さんの歌を歌っていると自由を感じます。のびのびとした川の流れの中にいるような、空を飛んでいるような、そんな気持ちよさに似ているかもしれません。