展覧会『今日から明日へ 作品を継承すること』が、石川・金沢21世紀美術館で10月31日(土)から2027年4月18日(日)まで開催される。
同館は2027年5月から2028年3月にかけて、設備更新と修繕工事のため長期休館を予定。同展が休館前最後の展覧会で、同館の現在地を見つめ、作品を未来へ継承することの意味を問い直す内容となっている。タイトルの「今日」は「いま」であると同時に、同館が2004年に開館して以来積み重ねてきた20余年を、「明日」は休館とリニューアルを経た後の20年とさらにその先へと続く時間を、それぞれ示している。同館の歩みを振り返るとともに、素材の経年変化、機材の旧式化、展示環境や社会状況の変化など多くの不確実性が伴う中で、次の20年へ作品をどのように残していくのかという、具体的で現実的な課題に向き合う展示となる。
同展では、保存・修復や展示、継承方法の検討を要するコレクションを中心に、工芸、ミクストメディア、メディアアート、インスタレーション、上演を伴う作品などが取り上げられる。展示室1では、素材のナフタリンが昇華し次第に形が失われていくことで、時の加算が現れることを予感させる作品である宮永愛子の『waiting for awakening -chair-』を展示し、作品の本質や次代へ受け渡すポイントを考える。展示室2では、16年ぶりの展示となる体験型の作品であるジェームズ・タレル『ガスワークス』を紹介し、装置や素材に加え、鑑賞者が出会う体験も継承の課題となることを示す。また、館の内外に設置され気軽に体験できる作品群として人気を集めてきた、レアンドロ・エルリッヒ『スイミング・プール』などの恒久展示作品も、建築や環境、日々の手入れとの関係をたどり、体験を未来へつなぐ条件を考える展示として位置づけられる。



作品そのものだけでなく、調査、修復、機材更新、再演、記録といった継承に向けたプロセスも展覧会の一部としてクローズアップ。美術館のバックヤードや収蔵庫の前室を思わせる空間の展示室4『継承の実験室』では、検品、調査、記録の過程など普段公開することのない作品の保存、修復に関わる資料を紹介する。展示室5では、2024年の展示中に機器の不具合で稼働を中止し、オーバーホール(分解点検・整備)後、初の展示となるヤノベケンジ『ビバ・リバ・プロジェクト―スタンダ―』を2027年1月31日(日)まで展示する。展示室6では、塩田千春によるインスタレーション『記憶の部屋』と、演劇作家で小説家の岡田利規による演劇プログラムが一体化した作品『記憶の部屋について』を上演。インスタレーションとテキストが互いを補完し、舞台美術と演劇の関係とは違う空間に観客が立ち会う。展示室3では、ゲストアーティストの石毛健太、髙橋銑、細井美裕の3人が、ものを残すことに加え、行為や経験を受け渡すことにも目を向けた新作を発表する。


同展の問いを多角的に掘り下げる関連プログラムとして、ワークショップやシンポジウムも行われる。
『今日から明日へ 作品を継承すること』

会期 2026年10月31日(土)~2027年4月18日(日)
休場日 月曜日(ただし11月23日、1月11日、3月22日は開場)、11月24日、12月29日~1月1日、1月12日、3月23日
開場時間 10:00~18:00(金・土曜日は20:00まで、1月2日~3日は17:00まで)
会場 金沢21世紀美術館 展示室1~6、交流ゾーン
料金 一般 1,200円(1,000円)/ 大学生 800円(600円)/ 小中高生 400円(300円)/ 65歳以上の方 1,000円
※( )内はWEB販売料金と団体料金(20名以上)
※当日窓口販売は閉場の30分前まで
日時指定ウェブチケット購入方法 当館ウェブサイトよりご購入いただけます。
<出展作家(予定)>
展示室1:宮永愛子
展示室2:ジェームズ・タレル
展示室3, 交流ゾーン:石毛健太、髙橋銑、細井美裕
展示室4「継承の実験室」:
粟津潔、大巻伸嗣、小沢剛、オトボン・ンカンガ、岸本清子、田島美加、田中敦子、田中
信行、奈良美智、西山美なコ、蓮田修吾郎、ヤノベケンジ、YANTOR、ヤン・ファーブル、
毛利悠子、Rhizomatiks
※上記は、会期全体を通した「継承の実験室」の出品予定作家です。作品の調査・検証を行う展示室4「継承の実験室」では、その進捗や結果に応じて、出品作品を変更する場合や、作品の一部のみを展示する場合があります。出品作家数および作品数は、内容の確定後、改めてプレスリリースでお知らせします。
展示室5:〈前期〉2026年10月31日(土)~2027年1月31日(日):ヤノベケンジ
〈後期〉2027年2月2日(火)~2027年4月18日(日):塩田千春
展示室6:《記憶の部屋について》
塩田千春+岡田利規 / 上演参加者:羽鳥嘉郎、関川航平、倉田翠 ほか
[上演日程(予定)]
2026年11月19日(木)~12月1日(火)
各日13:00~17:00
12月1日(火)は16:00まで。16:30-17:30 ポストパフォーマンストーク
演出:羽鳥嘉郎
出演:石田みや、横田僚平
2027年1月19日(火)〜1月31日(日)
時間:火〜木・日曜:10:00〜18:00、金・土曜:10:00〜20:00。
※1月31日(日) 16:30〜17:30 ポストパフォーマンストーク(上演は16:00まで)
翻案・出演:関川航平
2027年3月26日(金)~4月4日(日)
火~木・日曜10:00~18:00、金・土曜10:00~20:00。
4月4日(日)は15:30まで。16:00-17:00 ポストパフォーマンストーク
演出:倉田翠
出演:西田悠哉、花形槙、前田斜め、倉田翠
演出助手:平澤直幸
※上演日時は変更になる場合があります。休場日の上演はありません。詳細のスケジュール
は確定後に当館ウェブサイトでご案内します。
館内および屋外の恒久設置作品等:
LAR/フェルナンド・ロメロ、アニッシュ・カプーア、オラファー・エリアソン、ジェームズ・
タレル、パトリック・ブラン、ピピロッティ・リスト、フロリアン・クラール、マチュー・ブ
リアン、ヤン・ファーブル、レアンドロ・エルリッヒ、SANAA、マイケル・リン
主催 金沢21世紀美術館[公益財団法人金沢芸術創造財団]
助成 独立行政法人芸術文化振興会、文化庁
協賛 エルメスジャポン株式会社
協力 OMO5金沢片町 by 星野リゾート、株式会社LINNAS Design
後援 北國新聞社
お問合せ 金沢21世紀美術館 TEL: 076-220-2800
関連プログラム『壊れていくもの、継承していくもの』
<第1部 ワークショップ>
日時:2026 年 11 月 13 日(金) 17:30~19:00
会場:金沢美術工芸大学
対象:18歳以上の方(経験・所属等は問いません)
定員:24名(応募多数の場合は抽選)
※応募締切済み(2026年10月20日(火)13:00まで)
<第2部 シンポジウム>
日時:2026 年 11 月 14 日(土) 14:00~16:30
会場:金沢 21 世紀美術館 シアター 21
対象:一般
定員:150 名
料金:無料(予約不要)
※ワークショップの応募方法・締切、参加条件、シンポジウムの登壇者の詳細は、確定情報を金沢21世紀美術館ウェブサイトに掲載します。
主催:金沢21世紀美術館、エルメスジャポン株式会社
協力:金沢美術工芸大学 金島隆弘研究室