オーディオテクニカの「音楽活用実態と音質意識に関する調査」によると、仕事中に音楽を聴く頻度は、クリエイティブ関連職と一般の就業者(非クリエイティブ職)とで大きく違うという。では、彼らは何のために、どんな曲を選んでいるのか。アイデアを練るとき、作業に没頭するとき、耳に入れる音楽は同じでいいのか。
そしてその音質にこだわる人たちは、最高の音で何を手に入れようとしているのか。調査の数字から、音楽好きのクリエイターたちの、ちょっと皮肉な「聴き方」を読み解く。
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仕事中に音楽を聴くクリエイターは65%
オーディオテクニカが発表した「音楽活用実態と音質意識に関する調査」は、現代のクリエイターがいかに音楽をシビアな「道具」として扱っているかを浮き彫りにした。オーディオ機器メーカーによる自社調査ではあるが、その数字からは興味深い傾向が読み取れる。
同調査は、20〜50代のクリエイティブ関連職(以下、クリエイティブ職)335人と、非クリエイティブ職(以下、一般層)326人を対象に実施されたもの。それによれば、クリエイティブ職の実に65%が週3日以上仕事中に音楽を聴いており、一般層の19%と3倍以上の開きがある。

さらに一般層が気分転換やモチベーションアップのために聴くことが多いのに対し、クリエイティブ職で最も多かったのは「集中して作業する時間」に聴くという回答。仕事中に音楽を聴くクリエイティブ職の約9割が、パフォーマンス向上のために意図的に聴くことがあると答えている。

イヤホンやヘッドホンを身につけて作業している彼らは、カフェやオフィスで優雅に音楽を鑑賞しているわけではない。デスクワーカーが作業内容に合わせてモニターの輝度やカラーモードを調整するように、クリエイターにとっての音楽は、自らの脳をハックし、生産性を引き上げるための「作業環境の変数」なのだ。データを読み解くと、音楽好きであっても例外ではない、芸術に対する極めてシステマチックで冷徹な態度が見えてくる。