12月6日(金)に日本公開されるオーストリア映画『クラブゼロ』(英題:CLUB ZERO)より、衣装デザインを手がけたターニャ・ハウスナーのコメントが公開された。
『第76回カンヌ国際映画祭』コンペティション部門に正式出品された同作は、名門校に赴任してきた栄養学の教師・ノヴァクと生徒たちをめぐるスリラー映画。ノヴァクは生徒たちに「少食は健康的であり、社会の束縛から自分を解放することができる」という食事法「conscious eating(意識的な食事)」を教え、言葉巧みに洗脳。ノヴァクとともに「クラブゼロ」と呼ばれる謎のクラブに参加することになった生徒たちが「究極の健康法」を選んでいく内容となっている。
監督は『リトル・ジョー』など過去に手がけた4作の長編が『カンヌ国際映画祭』に選出されているジェシカ・ハウスナー。ノヴァク役は、『アリス・イン・ワンダーランド』や『クリムゾン・ピーク』『イノセント・ガーデン』などに出演したミア・ワシコウスカが、監督から直々のオファーを受けて務めた。
ストーリーもさることながら、同作の注目点はカラフルでポップな⾊使いが広がる⾐装たち。海外メディアでも「鮮烈で饒⾆な⾊彩と⾐装」などと評価される衣装デザインを担当したのはジェシカ監督の実姉であるターニャ・ハウスナーだ。
同作の中でも⼀際⽬を惹くのが、ノヴァク先⽣が着こなすジェンダーレスなファッションスタイル。ポロシャツにパンツあるいはスカートというシンプルなスタイルではあるものの、カラーバリエーション豊富なポロシャツがスクリーンの中でもインパクトを放っている。

ノヴァクを演じるミア・ワシコウスカには、多忙なスケジュールの合間を縫って⼀度だけロンドンに来てもらい、その際にありとあらゆる⾐装を試着してもらうことができたという。ターニャは、ノヴァクにとっての洋服は「真⾯⽬に⾒られるために⾝につける『鎧』 のようなもの」だと言う。「彼⼥が少しコワモテに⾒えるような、外⾒を気にしない年上の⼥性のようなワンピースがありましたが、それだと強さがなくなってしまうので、オーバーサイズのジャケットやロングスカート、ポロシャツを選びました。⼥性らしさと男性らしさをミックスしたような、中性的な要素を取り⼊れたかったんです」。


シーンごとにポロシャツの⾊味だけ変化するノヴァクのスタイルだが、ターニャとジェシカ監督は「どんな時でも⼀貫して⾃分のスタイルに忠実な姿を表現しようとしました」(ターニャ)、「観客の想像⼒を刺激して、思考の余地を残すことが⼤事でした」(監督)とそれぞれに狙いを明かしている。


『クラブゼロ』

出演:ミア・ワシコウスカ
脚本・監督:ジェシカ・ハウスナー 撮影:マルティン・ゲシュラハト
2023年|オーストリア・イギリス・ドイツ・フランス・デンマーク・カタール|5.1ch|アメリカンビスタ|英語|110分|原題:CLUB ZERO|字幕翻訳:髙橋彩|配給:クロックワークス
Ⓒ COOP99, CLUB ZERO LTD., ESSENTIAL FILMS, PARISIENNE DE PRODUCTION, PALOMA PRODUCTIONS, BRITISH BROADCASTING CORPORATION, ARTE FRANCE CINÉMA 2023
公式サイト:klockworx-v.com/clubzero/
公式X:@clubzeromovie
12月6日(金)より、新宿武蔵野館ほか全国公開