『マシン・ラブ:ビデオゲーム、AIと現代アート』展が2025年2月13日(木)から東京・六本木の森美術館で開催される。
人工知能(AI)の飛躍的な発展により、日々変化する私たちの生活。顧みればテクノロジーとアートは、コンピューターアート、ビデオアートなどの歴史のなかで常に併走してきた。近年のビデオゲームやAIの発展がアーティストの創造活動に全く新しい可能性をもたらす一方で、生成AIの登場は、人類の創造力にとっての脅威ともなっており、こうした動向は、現代アートの文脈においても大きく注目されている。
同展では、こうした背景を元に、ゲームエンジン、AI、仮想現実(VR)、さらには人間の創造性を超え得る生成AIなどのテクノロジーを採用した現代アートが紹介される。それらからはデジタル空間上のさまざまなデータが素材となった全く新しい美学やイメージメイキング(図像や画像を作ること)の手法、アバターやキャラクターなどジェンダーや人種という現実社会のアイデンティティからの解放、超現実的な風景の可視化などが見てとれる。しかし、このような新たな表現手法を取り入れながらも、その根幹では普遍的な死生観や生命、倫理の問題、現代世界が抱える環境問題、歴史解釈、多様性といった課題が掘り下げられている。
参加作家は、ビープル(Beeple)、ケイト・クロフォード(Kate Crawford)とヴラダン・ヨレル(Vladan Joler)、ディムート(Diemut)、藤倉麻子、シュウ・ジャウェイ(許家維)、キム・アヨン(Kim Ayoung)、ルー・ヤン(陸揚)、佐藤瞭太郎、ジャコルビー・サッターホワイト(Jacolby Satterwhite)、ヤコブ・クスク・ステンセン(Jakob Kudsk Steensen)、アドリアン・ビシャル・ロハス(Adrián Villar Rojas)、アニカ・イ(Anicka Yi)の12組。
「マシン」(従来の重工業的な「機械」のイメージではなく、コンピューターおよびハードウェアの総称としての「マシン」)とアーティストが協働する作品や没入型の空間は、「ラブ(愛情)」、共感、高揚感、恐れ、不安など私たちの感情を揺さぶる体験となる。また、現実と仮想空間が重なりあう同展は、人類とテクノロジーの関係を考えるプラットフォームとして、不確実な未来をより良く生きる方法をともに想像する機会となる。
会場では、展覧会アドバイザーを務めるメディアアーティストの谷口暁彦が「『私と他者』の二者の関係性」をテーマにセレクトしたゲームを来場者同士でプレイできるインディーゲームコーナーも展開される。
『マシン・ラブ:ビデオゲーム、AIと現代アート』
会期:2025年2月13日(木)〜6月8日(日)
会場:森美術館(東京都港区六本木 6-10-1 六本木ヒルズ森タワー53階)
開館時間:10:00〜22:00(火曜日のみ17:00まで、ただし4月29日[火]、5月6日[火]は22:00まで)
* 入館は閉館時間の30分前まで *会期中無休
入館料:
・一般[平日]当日窓口2,000円/オンライン1,800円[土・日・祝日]当日窓口2,200円/オンライン2,000円
・学生(高校・大学生)[平日]当日窓口1,400円/オンライン1,300円[土・日・祝日]当日窓口1,500円/オンライン1,400円
・子供(中学生以下)無料
・シニア(65歳以上)[平日]当日窓口1,700円/オンライン1,500円[土・日・祝日]当日窓口1,900円/オンライン1,700円
* 事前予約制( 日時指定券 )を導入しています。専用オンラインサイトから「 日時指定券 」の購入が可能です。日時指定券の販売開始日は決まり次第ウェブサイトでお知らせします。
* 当日、日時指定枠に空きがある場合は、事前予約なしでご入館いただけます。
* 表示料金は消費税込
* 本展のチケットで、同時開催プログラムもご鑑賞いただけます
同時開催:「MAMコレクション 019:視点 ― 春木麻衣子、片山真理、米田知子 」/「MAMスクリーン 021:ガブリエル・アブランテス」/「MAMリサーチ 011:東京アンダーグラウンド 1960-1970 年代 ─ 戦後日本文化の転換期 」
主催:森美術館
企画:片岡真実(森美術館館長)、マーティン・ゲルマン(森美術館アジャンクト・キュレーター)、矢作 学(森美術館アソシエイト・キュレーター)
アドバイザー:畠中 実(NTTインターコミュニケーション・センター[ICC]主任学芸員)、谷口暁彦(メディア・アーティスト)