11月8日(金)に公開される映画『本心』の本予告が解禁された。
同作は、平野啓一郎の同名小説を原作としたヒューマンミステリー。「大事な話があるの」と言い残して急逝した母が、実は「自由死」を選んでいた。母の本心を知りたい息子・朔也が最先端のAI企業に「母を作ってほしい」と依頼したことをきっかけに、母や自分自身の「本心」に迫っていく内容となっている。
最新AIを搭載したVF(ヴァーチャル・フィギュア)技術を利用して仮想空間に「母」を蘇らせる青年・石川朔也役は池松壮亮が演じる。そのほか、朔也の母・秋子役を田中裕子、秋子が生前親しかった友人で、過去のトラウマから他人に触れられない女性・三好役を三吉彩花、朔也に「リアル・アバター」の仕事を紹介した幼なじみの岸谷役を水上恒司、世界的に有名なアバターデザイナーのイフィー役を仲野太賀、「リアル・アバター」の仕事を始めた朔也の依頼人・若松役を田中泯、朔也の依頼を受けて秋子のVFを制作する技術者・野崎役を妻夫木聡、野崎によって生み出されたVF・中尾役を綾野剛が務めている。
本予告は朔也の「母を、作りたいんです」という衝撃的な一言から始まり、AIの開発を行う野崎が「本物以上のお母さまを作れます」と応える姿が描かれるなど、人間の存在とは何かを突き付ける物語の一端が映し出されている。
なお、今回の映画化は、2023年の『月』で『第48回報知映画賞』作品賞などを受賞した監督・石井裕也に、原作を読んだ池松壮亮が「今やるべき作品」と企画を持ち込んだことが制作のきっかけとなったという。石井の作品に池松が出演するのは今作が9度目となる。
映画『本心』
11月8日(金)TOHO シネマズ 日比谷ほか全国ロードショー
池松壮亮
三吉彩花 水上恒司 仲野太賀 / 田中 泯 綾野 剛 / 妻夫木 聡
田中裕子
原作:平野啓一郎「本心」(文春文庫 / コルク)
監督・脚本:石井裕也
音楽:Inyoung Park 河野丈洋
製作幹事・配給:ハピネットファントム・スタジオ
制作プロダクション:RIKI プロジェクト
©2024 映画『本心』製作委員会
■ストーリー
「母を、作りたいんです。」
“自由死”を選んでいた母の本心を知るために、AIで母を蘇らせる――。
同居する母(田中裕子)から「帰ったら大切な話をしたい」と告げられた朔也(池松壮亮)。その夜、氾濫する川べりに立っていた母を助けようとするも重傷を負い、1年もの間昏睡状態に陥ってしまう。目が覚めたとき母は亡くなっており、生前“自由死”選択をしていたと聞かされる朔也。さらに、ロボット化の波で勤務先の工場は閉鎖。唯一の家族を失くし、激変した世界に戸惑う彼は、仮想空間上に任意の“人間”を作る技術「VF」を知る。VFで母を作れば、“自由死”を選んだ理由がわかるかもしれない……。開発者の野崎(妻夫木聡)が告げた「本物以上のお母様を作れます」という言葉に一抹の不安を覚えつつ、VF制作に伴うデータ収集のため母の親友だったという三好(三吉彩花)に接触。彼女が避難所生活中だと聞き、「ウチに来ませんか」と手を差し伸べる。かくして、朔也と三好、VFの母という奇妙な共同生活がスタート。その過程で朔也が知る、母の本心とは。そして三好だけが知る母の秘密とは ――。