映画『ぼくが生きてる、ふたつの世界』(英題:Living in Two Worlds)の全国公開日が9月20日(金)に決定し、新たな場面写真が公開された。
きこえない、またはきこえにくい親を持つ聴者の子供=「コーダ(Children of Deaf Adults)」という生い立ちを踏まえて、社会的マイノリティに焦点を当てた執筆活動をする作家 / エッセイスト、五十嵐大による自伝的エッセイを原作とする同作。
宮城県の小さな港町で、耳のきこえない両親のもとで育ち、幼い頃から母の「通訳」を日常的に行っていた五十嵐大。次第に周りから特別視されることに戸惑いや苛立ちを覚え、20歳になって逃げるように東京へ旅立つが、数年ぶりに宮城へと戻ってくる。「きこえる世界」と「きこえない世界」、ふたつを行き来する五十嵐大の行動を通して、その心の軌跡を追った作品となっている。なお、五十嵐の出身地・宮城県では9月13日(金)からの先行上映が予定されている。
五十嵐大役は吉沢亮、大の母・明子役は忍足亜希子(おしだりあきこ)、父・陽介役は今井彰人が演じる。そのほか、ユースケ・サンタマリア、烏丸せつこ、でんでんらがキャストに名を連ねている。監督は『そこのみにて光輝く』が2014年の『キネマ旬報ベスト・テン』1位に選出された呉美保で、長編作品を手がけるのは2015年の『きみはいい子』以来9年ぶり。脚本は『ゴールド・ボーイ』や『正欲』等の港岳彦が務めた。
公開された場面写真は、五十嵐大の瞳が印象的なカット、大が東京から宮城へと向かう車内の様子、明子と大がぎこちなく隣に座っているシーン、大が子どもの頃の家族写真など全7点。ふたつの世界を行き来する大と、作品中の懐かしく温かな瞬間が切り取られたものとなっている。
また、同作は6月14日(金)から開催される『第26回上海国際映画祭』コンペティション部門への正式出品およびワールドプレミアも決定。ワールドプレミアは6月21日(金)に開催され、呉美保の舞台挨拶とレッドカーペット登場も併せて予定されている。正式出品を受けて、呉と上海国際映画祭のプログラミングディレクター・徐昊辰(じょこうしん)からのコメントも公開された。
監督:呉美保
「この映画のワールドプレミアが上海国際映画祭コンペティション部門だなんて、これほどしあわせな幕開けがあるでしょうか。日本の片隅で人知れずもがきながら生きる男の子のささやかな心の機微を、アジアの、世界の、みなさまがどう受け取ってくださるのか、その反応をこの肌で感じに、さらには選ばれし新しい映画たちにも出会いに、いざ上海、行ってきます!」徐昊辰:上海国際映画祭プログラミング・ディレクター
「きこえる世界、きこえない世界、そして、そこに生きている1人のコーダ。呉美保監督は、優しい視線で彼の揺れ動く心の成長を静かに見守っている。”ふたつ”の世界は、”ひとつ”になった時、きっと一番幸せに違いない。こんな素敵な作品を上海国際映画祭でワールドプレミアができるとは、最高に嬉しい!」
『ぼくが生きてる、ふたつの世界』
監督:呉美保 『そこのみにて光輝く』(14)、『きみはいい子』(15)等
脚本:港岳彦 『ゴールド・ボーイ』(24)、『正欲』、『アナログ』(23)等
主演:吉沢亮 『キングダム』シリーズ、『東京リベンジャーズ』シリーズ等
出演:忍足亜希子 今井彰人 ユースケ・サンタマリア 烏丸せつこ でんでん
原作:五十嵐大「ろうの両親から生まれたぼくが聴こえる世界と聴こえない世界を行き来して考えた30のこと」(幻冬舎刊)
企画・プロデュース:山国秀幸 『オレンジ・ランプ』(23)、『ケアニン』シリーズ等
手話監修協力:全日本ろうあ連盟
製作:「ぼくが生きてる、ふたつの世界」製作委員会
(ワンダーラボラトリー/博報堂DYミュージック&ピクチャーズ/ギャガ/JR西日本コミュニケーションズ/アイ・ピー・アイ/アミューズ/河北新報社/東日本放送/シネマとうほく)
©五十嵐大/幻冬舎 ©2024「ぼくが生きてる、ふたつの世界」製作委員会
配給:ギャガ 公式HP:https://gaga.ne.jp/FutatsunoSekai/ 公式X: @FutatsunoSekai_
全国公開:9月20日(金)
先行上映:9月13日(金)