眞栄田郷敦が初主演を務める映画『彼方の閃光』が12月8日(金)から全国公開される。公開決定にあわせて、ポスターと予告編も解禁された。
同作は、2022年に開催された『第35回東京国際映画祭』のNippon Cinema Now部門に出品され、大きな反響を呼んだことをきっかけに劇場での公開が決定。ホウ・シャオシェンやジャ・ジャンクーらの映画音楽を手掛け、『アグリー』『雨にゆれる女』『パラダイス・ネクスト』などの作品を発表してきた半野喜弘監督の最新作となる。
主人公の光を演じる眞栄田郷敦のほか、池内博之、尚玄、加藤雅也、アーティストのAwichらも出演する同作は、戦争の足跡を辿るロードムービー。幼い頃に色覚を失った光が、戦後に活躍した写真家・東松照明の作品に惹かれて訪れた長崎や沖縄で、現在の暮らしを営みながら未来を守ろうとする人々の姿を捉え、「戦争」や「敵」について問いかける。
「その瞳に映る世界は、姿を変える」というキャッチコピーが添えられたポスタービジュアルは、作品の最も象徴的なシーンによって構成。モノクロの世界に身を置く光が「何か」を捉えた刹那の姿と、海面でたゆたう二人の人影を捉えたものとなっている。
予告編では、光が目の当たりにする戦争の痕跡や、旅路で出会う人々の姿の断片が、モンタージュのように紡がれている。
お話をもらってまず作品のイメージを映像化したトレーラーを観せていただいたのですが、
眞栄田郷敦 ※初主演
これまで体験したことがなかったモノクロの映像や世界観に強く惹かれました。
その後、脚本を読ませてほしいとお願いをしたのですが、「やらせてください」と即答していました。
この作品を通して、「戦争」という歴史を伝えていかなければならないという意識を
改めて強く持つことになりましたし、自分なりに伝えていける方法があることを実感しました。
自分自身としては、あの時持てるすべての力を出したし、出させてもらったので、
是非色んな方々に観ていただきたいと思っています。
色彩と平和、この2つのキーワードが両輪となってこの映画は走ります。
半野喜弘(監督・原案・脚本・音楽・スタイリング)
当然のように自分の手の中にあると感じているものを見つめ直し、主人公の眼差しを通してその意味や価値を問う。
そんな映画を作りたいという思いから『彼方の閃光』は生まれました。
本作にとって主人公・光の瞳はあまりに重要な存在で、私自身が何を求めているのかを自分でさえ分からずにいました。
それはまるで私自身が暗闇を彷徨っているような感覚でした。
そんな中、私は眞栄田さんの瞳に、まさに探して求めていた「光」を見ました。それは私にとって閃光と言えるものでした。
公開までの道のりは困難の連続でしたが、ついに辿り着いたという気持ちです。
主人公の眼差しは、この映画を観る人の眼差しでもあります。
その眼差しに映る世界が観る人の心に触れることを願っています。
『彼方の閃光』
監督・脚本・原案・音楽・スタイリング:半野喜弘
出演:眞栄⽥郷敦/池内博之/Awich/尚⽞/伊藤正之/加藤雅也
プロデューサー:木城愼也/半野喜弘/坂本有紀/中村悟/藤井拓郎
アソシエイトプロデューサー:名取哲/滝田 和人 ラインプロデューサー:田中深雪
原案:半野喜弘 脚本:半野喜弘/島尾ナツヲ/岡田亨
撮影監督:池田直矢 編集:横山昌吾 (J.S.E) 録音:城野直樹 美術:山内麻央/木下沙和美
ヘアメイク:橋本申二 スタイリスト:半野喜弘/上野恒太 スクリプター:奥井富美子 音楽:半野喜弘
フィクサー:長野隆明 配給:ギグリーボックス 制作:GunsRock
(c)彼方の閃光 製作パートナーズ 公式HP:https://kanatanosenko.com/
【ストーリー】
生まれて間もなく視力を失った10歳の少年・光(ヒカリ)。光にとって世界は「音」であり、彼はカセットテープに自分の世界を録音してゆく。光の眼は手術をすれば視力を得られる可能性があった。母の説得により、手術を受けることを決意するが・・・。
20 歳になった光(眞栄田郷敦)は、東松照明 (1930-2012) の写真に強く導かれるように長崎へ。
旅先で出会った自称革命家の男・友部(池内博之)にドキュメンタリー映画製作に誘われ、長崎・沖縄の戦争の痕跡を辿ることになる。その中で、心に傷を負いつつもたくましく生きる女・詠美(Awich)、沖縄を愛し家族を愛する男・糸洲(尚玄)と出会う。
戦争の痛ましい記憶と彼ら3人の生き様は、光の人生を大きく揺さぶり始める。
灼熱の日々の中、光の眼に映るものとは、何か?
そして、51年後の 2070年、71歳になった光(加藤雅也)。彼の生きる世界は大きく変容していた・・・。