青年団リンク キュイの短編集『非常に様々な健康の事情』が11月1日(水)から3日(金・祝)まで、神奈川県立青少年センター スタジオHIKARIで上演される。
青年団リンク キュイは2011年に主宰の綾門優季によって旗揚げされ、専属の俳優を持たない、プロデュースユニットとして活動。劇作は綾門優季が担当し、外部の演出家とタッグを組みながら創作するスタイルを基本としている。2023年夏に青年団演出部が解散となり、青年団リンクも解体されるため、同公演が青年団リンク キュイとしての最後の公演となる。
同公演では、『非常に様々な健康の事情』『永久に記憶する煙』『不眠普及』の3編が上演される。『非常に様々な健康の事情』の演出は綾門優季、出演者は岩井由紀子、西村由花、堀紗織。『永久に記憶する煙』の演出は児玉健吾、出演者は小見朋生、山田遥野。『不眠普及』の演出は三浦雨林、出演者は杉山賢、西風生子となっている。
なお青年団リンク キュイは、キュイとして活動を継続し、2024年4月に新作公演『予定された孤独』の上演が予定されている。
【綾門優季のコメント】
好きな漫画家で、高野雀さんという方がいます。
『しょうもないのうりょく』が特に大好きです。
設立当初をよく知らないのですが(中学生の頃です)青年団リンクというのは、まだ東京の演劇をみたこともないような時代に、若手を応援するために、どうやらつくられたシステムみたいです。
今回の公演は、青年団リンク団体の、最終公演となります。
現実の流れの重さとは逆に、めちゃくちゃ軽快な新作をつくってみました。
私のしょうもないのうりょくにわざわざスポットライトをあてていただいて、これまで本当にありがとうございました。
【児玉健吾のコメント】
児玉健吾です。今回演出を担当する「永久に記憶する煙」はざっくり、どこか現実を感じさせる架空の地獄を描いた戯曲です。戯曲なので当然概ね大体がフィクションなわけですが、綾門さんのそれは虚構の薄い幕を貫通して刺してくるような鋭利さがありますね。
流石にそのままは危ないかなと思ったので、今回観客の皆さまが危険に晒されぬよう舞台演出的配慮を多数施しました。安全に楽しみましょう。フィクションなんですから。
【三浦雨林のコメント】
『不眠普及』を上演いたします、三浦です。
当公演の企画時、私と児玉さんは、綾門さんからそれぞれ「この戯曲を上演してほしい」とお声がけいただきました。若手の演出家の多くは自分の団体で上演するため、演出家として呼ばれる(選ばれる)ことがほとんどありません。
この人にこの作品をやってもらいたい、と思われることのなんとも言えない嬉しさはもちろんのこと、劇作家としての綾門さんが私に求めていること、戯曲に対して私と私たちのチームがすべきことは何だろう、と立ち止まり、振り返りながら創っています。
三つの戯曲とそれぞれのチームの応答を見比べていただいても面白いかと思います。
みなさまのご来場お待ちしております。