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NEWS EVENT SPECIAL SERIES

ウンゲツィーファ『8hのメビウス』で描かれた、コロナ明けの人間関係の煩わしさ

2024.11.25

#STAGE

ゆるやかにつながり、同じ社会で生きている登場人物

合同会社メビウスで働くコミネ(黒澤多生)と、アルバイトながらスタートアップの頃から働く古株のシバタ(近藤強)は、ちょっとしたことがきっかけで関係が悪化。コミネとシバタから愚痴を聞く管理職のサカヅキ(藤家矢麻刀)は、双方の肩を適当に持ってその場をやり過ごす。ある日、コミネとシバタは正面からぶつかり、コミネは会社を辞める。そのことを家族に黙ったまま副業のUber Eatsの配達中、橋から飛び降りようとする。その時、彼は世直し系Youtuberワロボロスとして活動するノヅマ(高澤聡美)に掴まり、彼女のチャンネルに出演することになる。アルバイトとしてノヅマが会社に潜入し、コミネの胸倉を掴んだシバタの監視カメラの映像を盗撮。それをシバタにつきつけ、コミネに土下座をさせるという内容である。

ワロボロスになってYouTube撮影をするノヅマ

しかしコミネは、妻のサチ(豊島晴香)に相談なくYouTubeへの出演を決めていた。そのために彼はノヅマと街中でYouTubeの撮影中、サチとばったりと出くわしてしまう。これにより、コミネが仕事を辞めたことも含めて妻に知られるところとなる。このように登場人物たちはゆるやかにつながり、社会空間を共有している。舞台上では、ソファーとテーブルが乗ったキャスター付きの大きな平台が、コミネやシバタ家のリビングルームとなる。この舞台美術が象徴するように、映像が投影されるホワイトボードや冷蔵庫、2台の長机を使い、ファミレス、コンビニなどの場面が流れるように展開する。そのことで、彼らの世界がシームレスにつながっていることを上手く描いていた。

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