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カプセルトイ作品の反響をきっかけに生まれた新作
ー新作『球体の球体』についてですが、カプセルトイのガチャガチャっていう言葉があって、そこから連想ゲーム的に親ガチャ、子ガチャみたいに話に膨らんでいったんでしょうか?

現代アーティストの本島幸司(新原泰佑)は、2024年に遺伝と自然淘汰をコンセプトとしたアート作品『Sphere of Sphere』を創作する。その作品が話題となり、独裁国家の「央楼」に招待されることで、本島には思いもよらぬ人生が待ち受けていた。そして35年の時を経た2059年、本島の告白から物語が始まる。
池田:そうですね。実は、自分のハンドメイド作品がカプセルトイ化された時に、それを欲しいっていう海外の人がたくさんいたんです。で、海外に初めてエアメールを使って送ったりしたんですけど、僕は海外って一度も行ったことがないんです。それが、ガチャガチャという作品きっかけで意外と簡単に繋がるんだな、って思ったところから、人と人との繋がりっていう、今回のストーリーが立ち上がっていきましたね。

ー『球体の球体』っていうタイトルはどのようにして浮かんだんですか?
池田:ガチャガチャは「球体の中に世界がある」というイメージが最初にありました。ガチャガチャってミニマムだけどすごく奥行きがあって、この小さいプラスチックを開けて中にお宝が入っている仕様が、好きだなあと思って。ああいうものがショッピングモールに並んでいると、たくさん世界があるなあと思ったりして。それと、親と子、遺伝というテーマも絡めて『球体の球体』っていうタイトルにしましたね。