『第68回岸田國士戯曲賞』の選考会が3月1日(金)に東京・学士会館で行われ、池田亮『ハートランド』が受賞作に選ばれた。
白水社が主催し、一ツ橋綜合財団が後援する『第68回岸田國士戯曲賞』。最終候補作品には、受賞した『ハートランド』に加え、安藤奎『地上の骨』、金子鈴幸『愛について語るときは静かにしてくれ』、菅原直樹『レクリエーション葬』、蓮見翔『また点滅に戻るだけ』、升味加耀『くらいところからくるばけものはあかるくてみえない』、メグ忍者『ニッポン・イデオロギー』、山田佳奈『剥愛』の7作品が選出されていた。
選考委員を務めたのは市原佐都子、上田誠、岡田利規、タニノクロウ、野田秀樹、本谷有希子、矢内原美邦の7名。本谷有希子は『ハートランド』について「社会の『弱者』とされる人々が、仮想世界とテクノロジーによって新たな居場所を与えられ、生かされる。リアル世界に固執した人々が、昔ながらの苦しみの中に取り残される。現代社会において実際に起こっている現実を描き出している本作が、軽妙なくせに、最も強度と緊迫感を持っている戯曲だと感じた」とコメントしている。
池田が作 / 演出を手掛けた劇団「ゆうめい」による『ハートランド』は、2023年4月に東京芸術劇場で上演。都心から遠く離れた山奥の駆け込み寺的なコミュニティに、一人の外国人女性が現れたことを機に、俗世まみれのコミュニティとなり崩壊が起こる展開が描かれ、相島一之やsaraらが出演した。