グータッチでつなぐ友達の輪! ラジオ番組『GRAND MARQUEE』のコーナー「FIST BUMP」は、東京で生きる、東京を楽しむ人たちがリレー形式で登場します。
11月28日は、『アースデイ東京』事務局長・河野竜二さんからの紹介で、あきる野市で狩猟や養蜂を行なう、小川岳人さんが登場。サラリーマンをやりながら狩猟を始めたきっかけや、食べ物に対する考え方の変化、狩猟に関するイベントの内容について伺いました。
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東日本大震災がきっかけでハンティングの世界へ
Celeina(MC):小川さんは、狩猟や養蜂、狩猟に関するイベントを開催されたりしていますが、元々はサラリーマンをやりながらハンティングを行なっていたということで。まずハンティングを始めたきっかけを教えてください。
小川:ハンティングを始めたきっかけは、2011年の東日本大震災です。当時渋谷で働いていたんですが、そこで被災して自宅の吉祥寺まで歩いて帰ることになったんです。その時に、お腹がすいたり、喉が渇いたりしてスーパーやコンビニに寄っても、食べ物も飲み物も何も売っていなかったんです。そういう経験をして、都市での生活というのは便利だけど、災害が来ると大変なことになると実感しました。
もう日本は終わるかもしれないとか、東京はもう駄目だなんて噂もあって、防災の観点で実際に東京から地方に移住する方が多かったので、私もその考えに傾倒していき、移住を決めました。田舎に住んでいれば災害が起きても、水は山に行けば湧いていて、火を燃やすための燃料もあり、川で魚はとれるし、野菜を作ることもできます。その1つとして、山でイノシシやシカなどの野生動物をとれば、お肉も手に入るという考えになりまして、移住をきっかけにハンティングを始めました。
タカノ(MC):なるほど。狩猟はどのように始められたんですか?
小川:ファーストステップとしては、環境省が講習会からライセンス発行まで行なっている、狩猟免許というのを取りました。インターネットで狩猟の始め方を調べると、やり方自体はたくさん出てくるんですが、実際に免許を取ってからどうやって始めるのか、というところでつまずく人が多いんです。そういった方向けに、狩猟の始め方の実践的なイベントを開催したりしています。
タカノ:免許が必要ですもんね。僕は一時期、小説の題材のために散弾銃とか銃についてちょっと調べたことがあるんです。それで分かったのが、銃のライセンスを維持していくのも結構大変なんですね。
小川:そうですね。日本は、銃を所持するのに世界で1番厳しくて大変だと言われています。お金も当然かかりますし、維持や管理するにあたっては3年に1度ライセンスを更新する必要があって、実技の講習や、警察の方が家に来て、安全に管理されているかどうか調べることもあります。
タカノ:保管場所も決まっているんですよね。
小川:はい。ガンロッカーという銃を保管する倉庫みたいなものですね。しっかり壁に固定しなくてはいけないという決まりもあります。
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狩猟は自然のサイクルを尊重して行われる
Celeina:今、ちょうど狩猟のシーズンだと伺ったんですが、なぜ冬が狩猟のシーズンなんでしょうか?
小川:これも狩猟法という法律で定められているんですが、2024年度は、狩猟できるのが11月15日から2月15日までなんです。自治体や地域によっては10月から3月までと少し長かったりするのですが、理由としては2つあります。1つ目は、夏だとハンティングしてとれた獲物のお肉が、気温の関係で傷んでしまうというところ。2つ目は、多くの野生動物は春から夏にかけてが出産育児のシーズンなので、そのシーズンに獲物の動物をとってしまうと、個体数が減ったり、ひいては絶滅の恐れがあるということで、この時期を避けています。実は縄文時代も、冬しか狩猟はしなかったそうです。
Celeina:そうなんですね。自然のサイクルをちゃんとリスペクトしながら狩猟をされているんですね。
タカノ:狩猟に関するイベントというのは、どんな方が参加されるんですか?
小川:サラリーマンの副業みたいな形でやり始めて、もう7、8年になるんですが、当初は年齢層でいうと30代前半ぐらいの方が、狩猟に興味があったり、ジビエが好きということで、多く参加していました。ここ1年ぐらいはすごく変わってきていまして、年齢層が幅広くなりました。20代の学生さんから60代ぐらいの方、あと親子連れの方、それから外国の方も増えてきました。
タカノ:親子連れの方もいるんですね。
小川:そうですね。親子で狩猟やジビエというのを楽しんでいただきたいという思いがあり、親子連れの方はウェルカムなので、情報発信しています。
タカノ:食育や環境について、教育的な観点もありますからね。