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「十六夜かなき」という名前の意味

また、ある意味、本作で描かれているのは、石平の父親探しの旅でもある。元々、家の本棚にあったライトノベル版の十六夜かなき 著『放浪する青』。一般書として出版されて「書店大賞」を受賞したことをきっかけに、石平が図書館で借りてくるのと時を同じくして、母・りょうこ(矢田亜希子)の元に同じ本が届けられることから、月が好きな「十六夜かなき」が誰かは自ずと想像がつく。石平が、図書館の貸出本である『放浪する青』の破られたページの破片を見つけ出すことは、長年欠落していた父親との思い出の欠片を取り戻すことに繋がった。さらには、「十六夜」の意味を知りたいと辞書を開き「十六夜かなき」という名前の意味を知る。旧版と新装版の違いを通して、作者が結末を変えた理由に思いを馳せる。つまり、彼は無意識のうちに、本を通して今は会えない父のそばにいる。