「やったことないことをやると、やったことないことが減るので、たまにはやったことないことをやると良いかもよ」。そう語るミュージシャンのRachelさんが、何気ないことからムチャ振りまで「やってみる」エッセイ連載。第1回は、幼少期にやった遊びに全力で取り組んでもらいました。
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みんな、あの頃なにやってた?
担当編集氏に「やってみて」と言われたことをやってみて、その様子を書きみんなに見せる企画『やってみて、イェイ』。
今回の企画は「子どもの頃にやった遊びを全力でやる」です!
みんな、なにやってた? 私は体を動かすのが好きな子どもだったので鉄棒やどろけい(けいどろという地域もあるね)、ボール蹴りやドッジボールが大好きでした。鉄棒ってあれやばいよね、棒3本立ってるだけなのに何時間も遊んでたな。
特に好きだったのが足の間に鉄棒を挟んでグルグル回る「方位磁針」という技。立てなくなるまでやってたな。人の親になった今思うのは、「それ子どもがやってくれてたら楽だな〜」ということ。勝手に疲れてくれるのが一番楽。ほっといたら回ってんだもん。それがいいよね。すごい遊具だわあれ。
でもね、あたし、33歳。季節、夏。鉄棒は、もうできないよ。できたとしても、熱中症になっちゃうよ。ちゃんと危ないです。今の私が公園でできるのは、日が沈んだ後に缶チューハイ飲んで蚊に刺されながらくだを巻くことくらい。しかも、蚊に刺されたところは全然治らない。残念だけどこれが現実だよ。

ということでもう少し記憶を探ってみる。室内でだって遊んでたはずだよね。ゲームボーイアドバンス以外だと何で遊んでたかなあ、と考えて閃いた!
そうだ、「じょうせん」だ!
知らない人のために説明するね。「じょうせん」は「定規戦」の略で、机の上でやる対戦型ゲーム。ペンで定規を弾いてぶつけ合い、机から出ちゃったら負け。相手の定規の上に自分の定規を乗せて、相手が3回弾くまでに出られなかったらそれも相手の負け。他にもローカルルールはたくさんあるかもだけどざっくりそんな感じ。
このゲーム、めっちゃ盛り上がるんだよな。みんなで遊べるし、机のスペースがある限りは何人でも遊べるから雨の日とか短い休み時間によくやってた。よし、あれをやろう!
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お菓子にもClassicはある
ということでさっそくじょうせんを一緒にやってくれる仲間を探す。インスタストーリーの親しい友達で呼びかけるとそもそも「じょうせん」を知ってる人はかなり少なそうだった。これは意外。関東の一部のエリアや世代しか知らない遊びなのかも。どうしよっかなぁ、誰ならやってくれそうかなぁと思った時に「懐かしい!」とメッセージを送ってくれたのがユカ(友達)。ユカとは飲む予定があったのでそのときに「今度じょうせんやらない?」と誘ってみると、なんと快諾。ユカは2児の母だけど、忙しい隙間を縫ってうちまで来てくれた。
「子どもの頃好きだったお菓子を買っていこう」となり、コンビニで買い物。カゴを持つという行為にすら「大人」を感じる。カゴが必要なくらい色んなもの、買えなかったもんなぁ。2つ3つのお菓子を何分もかけて見比べて、1つを選んでたな。
「これ好きだったわー」「甘いのもいっときたいよねー」と言い合いながらお菓子をカゴに入れていく。「蒲焼さん太郎」「ヤンヤンつけボー」「タラタラしてんじゃね〜よ」……私たちの子ども時代を彩ってくれたお菓子たちは今も変わらずそこにいた。お菓子にもClassicはあるんだ。かっけえな。

帰ってきて机に並べてみると錚々たるメンバーだった。それらをつまみながら「これお酒が欲しくなる味だな〜」なんて盛り上がる。一息ついて、じょうせんを始めることに。私は100均で買った定規セットで挑む。
ユカは娘さんの小学校で使っている現役の定規を持ってきてくれた。それはアルミ製の軽い定規で、ミゾというミゾが黒く塗りつぶされていた。「わかる〜!」と爆笑。なんで子どもって塗りつぶせそうなところを見つけるとすぐ塗りつぶすんだ? 30cm定規のすこし窪んだ箇所もえんぴつでグリグリしていたことを思い出した。なんなら、ノートのページの間とかも塗りつぶしてなかった? 現役小学生のバイブスを感じながらルールの確認をし、20年(以上?)ぶりのじょうせんスタート。
