2010年にオープンした「BAR MEIJIU」。ほど近い神楽坂エリアで食事を楽しむ大人から、音楽好きの20代まで、幅広い層に支持されている。
音楽評論家・柳樂光隆もこの店に魅せられた一人だ。音楽関係者にもファンが多いという同店を、柳樂と訪ねた。
連載「グッド・ミュージックに出会う場所」第3回。
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世界観が確立されている、完成度の高いバー
たまたまTwitterで流れてきて気になったバーが僕の行きつけになって3年が経った。飯田橋なんて縁もゆかりもないし、自宅からはちょっと遠い。でも、ここには行ったほうがいい予感があった。それが「BAR MEIJIU」だった。
僕がBAR MEIJIUに魅了された理由は、隅々まで気が配られていて、店として限りなく完成されていること。そして、その「完成度」の中に選曲も含まれていることだ。
東京にはいくつかの完成度の高い店がある。例えば、西荻窪の「JUHA」や渋谷の「Bar Music」。この二つの店では様々なジャンルや時代の音楽が流れているのだが、その店が醸し出したい雰囲気や世界観に沿った共通するテイストや質感やフィーリングの音楽が選ばれているので、不思議な統一感がある。そして、内装やインテリアのデザインまで、その音楽と雰囲気がぴったり合うように施されている。選曲も含めて「しっかりとデザインされている」ことで、どこにもない個性=オリジナリティが生まれている。