第4回『音楽本大賞』の大賞作品が、音遊びの会による『即興がつなぐ未来 音楽と社会の狭間でおっとっと』に決定した。
同賞は音楽の聴き方や作り方を変えるような優れた音楽本の存在を広く届けることを目的に、2023年に創設されたもの。2025年には、金成玟の『日韓ポピュラー音楽史 歌謡曲からK-POPの時代まで』が第3回の大賞を受賞している。
第4回を迎える2026年は、2025年の1年間に刊行された音楽をテーマとする書籍約350冊を対象に選考が行われた。月刊誌『サウンド&レコーディング・マガジン』で長年、幅広い分野の音楽本を数多くレビューする音楽家の選考委員長・横川理彦のもと、音楽評論家 / 声楽家の松平あかね、大阪音楽大学准教授で音楽家の渡邊未帆、今回から新たに加わった批評家 / ライターの矢野利裕、大阪大学文学部教授の音楽学者・輪島裕介が選考委員を務めた。
大賞を受賞した音遊びの会は、知的な障害のある人や音楽家などからなるアーティスト大集団。即興演奏を中心とした、かつてないパフォーマンスが反響を呼んでいる。同著は、会の代表を務める飯山ゆいをはじめ大友良英、森本アリらによる文章が収録された第Ⅰ部と、保護者座談会やメンバーインタビューを収めた第Ⅱ部で構成され、20年にわたる活動の軌跡が詰め込まれた1冊。予定調和を吹き飛ばし、互いの音を真剣に楽しむことで生まれる自由でスリリングな表現は、来たるべき社会のあり方までを浮かび上がらせる。
さらに、大賞に加えて個人賞も発表された。
個人賞受賞作品
・松平あかね個人賞:柳下惠美(著)『イザドラ・ダンカン 美と魂の表現者』国書刊行会
・矢野利裕個人賞:中村拓哉(著)『日本語ラップ 繰り返し首を縦に振ること』書肆侃侃房
・横川理彦個人賞:長屋晃一(著)『機械仕掛けの音楽誌』アルテスパブリッシング
・輪島裕介個人賞:ズーザ・オーメン・ヂ・メロ(著) 国安真奈(訳)『アモローゾ ジョアン・ジルベルトの人と音楽』アルテスパブリッシング
・渡邊未帆個人賞:kajii(著)『おうちでできる! kajiiのふしぎな手づくり楽器』ヤマハミュージック
なお、最終候補の10作が選出された二次選考の結果は以下の通り。
【二次選考結果(発売月順)】
・井口淳子、山本佳奈子編著『ファンキー中国 出会いから紡がれること』灯光舎
・ズーザ・オーメン・ヂ・メロ/国安真奈訳『アモローゾ ジョアン・ジルベルトの人と音楽』アルテスパブリッシング
・柳下惠美『イザドラ・ダンカン 美と魂の表現者』国書刊行会
・渡邊温子『ヨーロッパ古楽旅行』アルテスパブリッシング
・一般社団法人コンサートプロモーターズ協会(ACPC)『ACPCオフィシャル 日本コンサート・ヒストリー』ぴあ
・kajii『おうちでできる! kajiiのふしぎな手づくり楽器』ヤマハミュージック
・本田隆『東京ロカビリー・ジェネレーション80s』シンコーミュージック
・長屋晃一『機械仕掛けの音楽誌』アルテスパブリッシング
・中村拓哉『日本語ラップ 繰り返し首を縦に振ること』書肆侃侃房
・音遊びの会『即興がつなぐ未来 音楽と社会の狭間でおっとっと』岩波書店