ハリウッドの王道とインディペンデントのアート系を跨って駆け抜けてきたガス・ヴァン・サント。
『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』や『ミルク』のようなハリウッド大作に人間ドラマを落とし込み、アカデミー賞などの賞レース常連で誰もが認める名監督として知られる一方、『ラストデイズ』や『エレファント』など、鬱な世界に没入させるアートのような作品もあったりと、両極端ながら、しっかりとある軸が評価される監督としても有名。日本で7月17日(金)から公開される最新作『デッドマンズ・ワイヤー』でも、彼の作家性は切実に表れている。
リバイバル上映も常連であり、『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』は2025年、製作総指揮としては『KIDS/キッズ』も同年に上映され、それぞれ人気を博したことも記憶に新しい。
ヴァン・サントを語るうえで、初期の代表作であり、現在にも通じる作家性を形成したと言える「ポートランド三部作」は、絶対に欠かすことができない。
「ポートランド三部作」とは、長編監督デビュー作として知られる、『マラノーチェ』、キアヌ・リーヴス、リヴァー・フェニックスとタッグを組んだ『マイ・プライベート・アイダホ』、そしてマット・ディロンとタッグを組んだ『ドラッグストア・カウボーイ』で構成されている。
『マラノーチェ』は、使用音楽など、権利上の問題により長らく劇場公開されず「幻の作品」として封印されていたが、2006年のカンヌ国際映画祭で上映されたのを機に、2007年に日本でも正式公開された。なんと『マイ・プライベート・アイダホ』と『ドラッグストア・カウボーイ』に関しては、今回が初のリマスター化となり、それぞれ「2026年」の8月7日(金)と9月18日(金)に劇場公開されるというのだ。
幅広い年齢層の映画ファンから愛され続けたヴァン・サント。アリ・アスターやポール・トーマス・アンダーソン、盟友とされるヴィム・ヴェンダースといった、クリエイターたちにも多大なる影響を与えてきた作家性を体系的に感じとることができる貴重な体験になる。
これを逃すと、次は何年、何十年後かもしれない……。
【マイ・プライベート・アイダホ デジタルリマスター版】

2026 年 8 月 7 日(金) シネマート新宿、シネスイッチ銀座ほか全国ロードショー
製作総指揮・監督・脚本:ガス・ヴァン・サント 製作:ローリー・パーカー 撮影:ジョン・キャンベル エリック・アラン・エドワーズ プロダクションデザイナー:デビット・ブリスピン 編集:カーティス・クレイトン 衣裳:ベアトリクス・アルーナ・パスツアー音楽:ビル・スタッフォード 原作:ウィリアム・シェイクスピア『ヘンリー四世 第1部』
『ヘンリー四世 第2部』『ヘンリー五世』リヴァー・フェニックス キアヌ・リーヴス ジェームズ・ルッソ ウィリアム・リチャート ロドニー・ハーヴェイ キアラ・カゼッリ ジェシー・トーマス マイク・パーカー フリー トム・トゥループ ウド・キアー ジム・カヴィーゼル
(1991年/カラー/アメリカ/104分/DCP/原題:My Own Private Idaho)
配給:weber CINEMA CLUB 配給協力:TOMORROW Films. PG12
【ドラッグストア・カウボーイ デジタルリマスター版】

2026 年 9 月18日(金) シネマート新宿、シネスイッチ銀座ほか全国ロードショー
監督:ガス・ヴァン・サント 製作総指揮:ケイリー・ブロカウ 製作:ニック・ウェクシュラー カレン・マーフィー 脚本:ガス・ヴァン・サント ダニエル・ヨスト原作:ジェームズ・フォーグル 撮影:ロバート・ヨーマン 編集:カーチス・クレイトン メアリー・バウアー 美術:デビット・グリスピン 衣裳:ビュートリックス・バスツアー 音楽:エリオット・ゴールデンサルマット・ディロン ケリー・リンチ ジェームズ・レマー ジェームズ・レグロス ヘザ
ー・グラハム ウィリアム・S・バロウズ
(1989 年/カラー/アメリカ/100 分/DCP/原題:DRUGSTORE COWBOY)
配給:鈴正、weber CINEMA CLUB PG12