キリル・ソコロフが監督を務める最新作『ゼイ・ウィル・キル・ユー』(原題:They Will Kill You)が、5月8日(金)より日本公開されている。
ソコロフ監督は、日本でも「シッチェス映画祭ファンタスティック・セレクション2020」のラインナップの1作として注目を集めた長編デビュー作『とっととくたばれ』(2018年)が世界的にも評価され、ブラックユーモアと映画愛溢れるロシアの監督として知られるようになった。そんな彼が、『プレデターズ』(2010年)、『シークレット・ソサエティ ~王家第二子 秘密結社~』(2020年)の脚本家アレックス・リトヴァクとタッグを組み、本作で本格的に欧米映画デビューを果たした。
セルジオ・レオーネ、マーティン・マクドナー、パク・チャヌク、マーティン・スコセッシ、クエンティン・タランティーノ、サム・ライミといった映画監督をリスペクトし、彼らがソコロフのアクションとバイオレンスのスタイルの原型でもあることから、「ロシアのタランティーノ」や「ロシアのパク・チャヌク」などと呼ばれることもある。
『とっととくたばれ』は、モスクワのアパートを舞台に限られたフィールドのなかで展開されるアクション映画だった。対して『ゼイ・ウィル・キル・ユー』では、ニューヨーク・マンハッタンの歴史的な高級マンション「バージル」を舞台にしているという点で、コンセプトが共通する部分はあるものの、圧倒的にスケールアップしたフィールドでソコロフの手腕が存分に発揮される。
今作で主人公を務めるザジー・ビーツは、『ブレット・トレイン』(2022年)、『デッドプール2』(2018年)など、いくつかの作品で過酷なアクションシーンを経験してきたが、主演としての本格アクションは初めて。ところが、多種多様なアクションから戦闘センスの良さがにじみ出ている。

生け贄からリベンジキラーに転じる展開の作品といえば、2026年の1月に公開された『ヴィレッジ 声帯切村』もあったが、圧倒的な暴力で制圧する、ホラーではないアクション映画スタイルというのもソコロフのハイブリッドな作家性が明確に表れており、そのコンセプトをザジーが見事に体現してみせた。
また、悪魔崇拝者のひとりを演じたトム・フェルトンといえば、『ハリー・ポッター』シリーズのドラコ・マルフォイ役として知られているが、実は『ハリー・ポッター』以降、イギリスでは味のある役者として育ってきている。2025年には、インドの伝記ドラマシリーズ『ガンジー(ガンディー)』で、弁護士のジョサイア・オールドフィールド役を演じて評価されたばかり。そんなトムとザジーの対決にも期待してもらいたい。
そして、『Mr.ノボカイン』(2025年)、『アベンジャーズ / エイジ・オブ・ウルトロン』(2015年)ではスタント・コーディネーター、インド映画『Crakk: Jeetega… Toh Jiyegaa』(2024年)ではアクション監督も務めたケリー・グレッグがアクションシーンを支えていることからも、アクションのクオリティは間違いない。
『ゼイ・ウィル・キル・ユー』

監督:キリル・ソコロフ
制作:アンディ・ムスキエティ 『IT/イット “それ”が見えたら終わり。』
出演:ザジー・ビーツ 『デッドプール2』、パトリシア・アークェット 『6才のボクが、大人になるまで』、トム・フェルトン 『ハリー・ポッター』シリーズ、ほか
全米公開:2026年3月27日
原題:THEY WILL KILL YOU
配給:東和ピクチャーズ、東宝
©2026 Warner Bros. Ent. All rights reserved
公式サイトURL:https://they-will-kill-you.jp/
2026年5月8日(金)より全国公開中
【ストーリー】
物語の舞台は、ニューヨーク・マンハッタンの歴史的な高級マンション“バージル”。富豪やセレブが暮らし、優雅なインテリアデザインに、高度に訓練されたメイドが住人たちの世話をする、誰もが羨む高級億ション。だが、その実態は、狂信的な悪魔崇拝者たちの巣窟だった。悪魔を崇拝する住人たちは、月に一度、無垢な女性をメイドとして雇用しては、悪魔に生け贄を捧げる恐ろしい儀式を行っていた。そして今夜もまた、一人のメイドが生け贄に捧げられる…はずだった。しかし、今度の獲物は何かがおかしい。住人たちに捕らえられて生け贄に捧げられるはずだったメイドが、思わぬ反撃に転じたとき事態は急展開を迎える。斧やナタで悪魔崇拝者たちを、次々と血祭りにあげるこのメイドはいったい何者なのか?——狩られる側が狩る側に、狩る側が狩られる側に転じ、悪魔崇拝者たちの恐るべき秘密が隠された死のマンションを舞台に壮絶バトルが幕を開ける!