難波優輝による著書『本とは何か』が6月17日(水)に新潮社から刊行される。
1994年生まれの美学者である難波は、美学およびポピュラーカルチャーの哲学を専門としており、これまでに『物語化批判の哲学』『なぜ人は締め切りを守れないのか』などの著作を発表している。
同書は、複数の書店員から投げかけられた「本を読むってそんなに偉いことなんでしょうか」という疑問を契機として執筆された。本を読むことが無条件によいとされる現代において、「本を読むとは、結局どういうことなのか」という根本に立ち返り考えていく一冊となっている。
同書内では、難波の提唱する「読書とは〈パフォーマンス〉である」という概念を手がかりに、小説や人文書をはじめ、漫画、ハウツー本、楽譜、レシピまで、多様な形態の本を対象として読書の意味を問い直している。
難波優輝 コメント
デビュー作の発売後、いくつかの書店さんにご挨拶に伺ったとき「次にどんな本が読みたいですか?何でも書きます!」とお聞きしました。複数の書店員の方はこう教えてくれました。「本を読むことってそんなにえらいのか考える本ですね!」。その瞬間、いつか書こうと思いました。
私は本が好きです。けれど、「好き」は、「全肯定」ではないと思います。本が好きだからこそ、「本とは何か」、ひっつきすぎず、離れすぎずのいい感じの距離感で考える言葉を作りたいと思いました。この本を一つのきっかけに、本についての語りがさらに多種多様になる未来を想像しています。
この本の生まれ故郷は書店です。どんなふうにして、故郷にこの本が帰還するのか、読み手に読まれる
のか、わくわくしています。
『本とは何か』

著者名 難波優輝
造本 新書判
定価 1,043円(税込)
発売日 2026年6月17日
ISBN 978-4-10-611128-0
■目次
はじめに 本を読んでいるときに、私たちが考えていること
第一章 へたな読書と上手な読書は何が違うのか――パフォーマンスとしての読書
第二章 物語を読むと他人が分かるようになるのか――あいだのパフォーマンス
第三章 難しい人文書が分からなくてなぜ楽しいのか――分からなさ
第四章 ハウツー本でなぜ元気になるのか――変身の予感
第五章 なぜ雑誌は読み通せなくてもいいのか――回遊する時間帯
第六章 マンガは本なのか――アトラクションと批評
第七章 楽譜とレシピの何を読んでいるのか――自由と可能性
第八章 なぜ読んだ本をSNSで紹介するのか――装いと家具
第九章 積読と書店めぐりは読むことなのか――庭とデモクラシー
あとがき
ブックガイド――本をもっと楽しく読むための18冊
■書籍内容
本を読むとはどういうことなのか。読んでいるとき、私たちは何を体験しているのか。「読書とは〈パフォーマンス〉である」という概念を手がかりに、小説、人文書、マンガからハウツー本、楽譜、レシピまで、幾多の学問領域を渡り歩きながら、この世に存在するあらゆる本について考える読書の哲学/美学。本を読むことが無条件によいものとされる現代で、読書の意味を問い直す試み。
■著者紹介:難波優輝(なんば・ゆうき)
1994(平成6)年兵庫県生まれ。美学者。神戸大学大学院人文学研究科博士前期課程修了。専門は分析美学とポピュラーカルチャーの哲学。著書に『物語化批判の哲学』『なぜ人は締め切りを守れないのか』『批判的日常美学について』等。