『さばかれえぬ私（わたくし）へ Tokyo Contemporary Art Award 2021-2023 受賞記念展』が6月18日まで東京・江東区の東京都現代美術館で開催されている。
『Tokyo Contemporary Art Award（TCAA）』は、トーキョーアーツアンドスペース（TOKAS）と東京都が実施する、中堅アーティストを対象に受賞から複数年にわたる継続的支援によって更なる飛躍を促すことを目的とした現代美術の賞。本展は、第3回TCAA受賞者の志賀理江子と竹内公太による受賞記念展となる。
志賀は2点の新作を発表。2011年の被災後から突如始まったあらゆる分野での復興計画に圧倒された経験を、人間が「歩く」営みとして捉え直した、長さ30m以上に渡り投影される映像インスタレーション『風の吹くとき』と、青森から三陸、東京までの太平洋側沿岸部の道路を緻密に書き込んだインスタレーション『あの夜のつながるところ』を展示している。
竹内は、第二次世界大戦末期の日本軍の兵器「風船爆弾」についてのリサーチにもとづき、直径約10mの実寸大の風船による新作インスタレーション『地面のためいき』をはじめ、「風船爆弾」に関わる写真、映像、200点を超えるドローイングを展示している。また、「風船爆弾」を放った場所のひとつであり、竹内が拠点としている福島県いわき市の劇場が解体される様を記録した映像インスタレーション『三凾座（みはこざ）の解体』もあわせて展示されている。
