5月24日(土)と25日(日)に千葉・幕張メッセ国際展示場9〜11ホールで開催された『POP YOURS』のオフィシャルレポートが到着した。
¥ellow BucksとJJJがヘッドライナーを飾った2025年の『POP YOURS』。チケットは3年連続でソールドアウトとなり動員は3万5000人、YouTubeでの生配信は視聴回数は180万回を記録した。Spotifyではセットリストを可能な限り再現したプレイリストが公開されている。
以下、オフィシャルレポート全文となる。
ヒップホップフェス『POP YOURS 2025』(主催: (株)スペースシャワーネットワーク)が、5月24、25日に千葉・幕張メッセ 展示ホール9-11で開催された。2022年からスタートした『POP YOURS』は、BAD HOPの解散発表をはじめ、TohjiやLEXの独創的なステージなど、近年の日本のヒップホップシーンにさまざまな話題と大きな影響を与えてきた。4回目となる今回は¥ellow BucksとJJJをヘッドライナーに据えて開催発表。昨年に続き、全出演者が明らかになる前にチケットがソールドアウトした。来場者数は2日間合計で約3万5000人。YouTubeでは無料生配信され、視聴回数は合計約180万回にのぼった。
DAY1のオープニングDJはDJ YUTO。午前10時半から爆音のヒップホップで1万人以上が合唱する光景はもはや『POP YOURS』の風物詩。そんな朝にぴったりのアーティストといえば、それはSEEDA。満タンのバイブスで“Daydreaming pt.2”などを歌った。


JinmenusagiとCharluは意外にも今回が初登場。抜群のライブスキルで観客のバイブスを沸騰させた。


STACK THE PINK、ziproom️、TOKYO世界、TeteがNEW COMER SHOT LIVEをかましたのち、赤い髪をスパイキーヘアのようにアレンジした7が“言った feat. MIKADO”などを歌った。





ダンサーを従えたeydenはパフォーマンスの端々からヒップホップカルチャーへの愛を滲ませた。新曲を中心にセットリストを組んだFuji Taito、実力と思い切りの良さで一気に人気アーティストの仲間入りしたKaneee、美しい声とスムースなフロウが特徴の3Houseと続いていく。




凄まじい衝動を放ったのはKMだ。“力をくれ”(LEX)などのKMリエディット曲をマイクで激しく煽りながらプレイしたほか、彼がプロデュースした昨年のアンセム“Champions”にKaneee、Kohjiya、Yvng Patraを呼んで場内のエネルギーを爆発させた。続くkZmは「デカフェスの主役はお前ら」と名言を残し、“DOSHABURI”、“Teenage Vibe”などで幕張メッセを揺らした。JP THE WAVYは武器であるダンスにフォーカスし3曲も新曲を歌った。



BIMはトレンドのサウンド感ではなく、オーセンティックなスタイルのヒップホップで『POP YOURS』にのぞんだ。だが客演のPUNPEEや、DJ ZAIの超絶スクラッチを要所に挟むことで、自分のスタイルは変えず、同時に観客もしっかり楽しませるライブを披露。そしてバンガー“DNA”には人気者のKohjiyaも加わって幕張をぶち上げた。ANARCHYは観客と対話しながらポジティブなバイブスを交換し、IOはギターとキーボードをフィーチャーして自身の持つ哀愁と言葉の力をさらに際立たせていた。



プライベートな祝い事が話題になったBenjazzyは『POP YOURS』で変わらぬラップ巧者ぶりをアピールした。Watsonは持ち前の声の良さとワードチョイスのセンスで今年も際立っていた。大合唱の“阿波弁”に加え、Benjazzyと制作した新曲“Fashion Week”も歌った。令和のギャルをレペゼンするLANAのスタイルはまさに“Street Princess”。かわいさとかっこよさを同時に表現するパフォーマンスや演出は今年も圧巻。“No.5 Remix”にはVingoも駆けつけた。



DAY1のヘッドライナーを務めるのは¥ellow Bucks。2年前のリベンジの機会で “Yessir”や“My Resort pt.2”をはじめ、“Big Shit Trouble feat. eyden”などキラーチューン満載のセットリストに観客は絶叫し続けた。だが何よりも印象的だったのは¥ellow BucksがDJをしたパート。“力をくれ”(LEX)、“Miss Luxury”(YZERR)といった自身の参加曲をプレイし、それにあわせてセキュリティのように屈強なダンサーと、妖艶なゴーゴーダンサーたちがそこかしこで絡み合うパフォーマンスを披露したのだ。その様子は人気ゲーム『Grand Theft Auto』に出てくるナイトクラブ。猥雑で危険だが同時に魅力あふれる世界。ゴーゴーダンサーのセクシーなダンスが『POP YOURS』の看板である超巨大LEDに大写しになった場面は、あまりにも刺激的で痛快なエンターテインメントで、¥ellow Bucksのバックグラウンドを垣間見られる体験だった。




最後に自身の波瀾万丈なキャリアを踏まえ、「本当に好きなことなら、続けていればいつか必ずチャンスは来る」とポジティブなメッセージをファンに伝えてDAY2にバトンを繋いだ。
