3月3日(月)、令和6年度(第75回)芸術選奨文部科学大臣賞と同新人賞の受賞者が発表された。
同賞は、文化庁が昭和25年から毎年度選奨を行っているもの。演劇、映画、音楽、舞踊、文学、美術A、美術B、メディア芸術、放送、大衆芸能、芸術振興、評論の12部門において、優れた業績を挙げた者に文部科学大臣賞が、その業績によって部門に新生面を開いた者に同新人賞が贈られる。
令和6年度は、文部科学大臣賞と同新人賞ともに各部門2組ずつが受賞。文部科学大臣賞には、映画『箱男』で監督を務めた石井岳龍、『不適切にもほどがある!』で主演を務めた阿部サダヲ、『名探偵コナン』が連載30周年を迎えた青山剛昌、出身地・大阪中之島美術館で大規模個展を開いた塩田千春など24名が名を連ねた。
令和6年度(第75回)芸術選奨文部科学大臣賞 受賞者
演劇部門
・浅野和之(俳優):「What If If Only―もしも もしせめて」「リア王」の成果
・坂東彌十郎(歌舞伎俳優):「髪結新三」家主長兵衛ほかの成果
映画部門
・石井岳龍(映画監督):「箱男」の成果
・土井敏邦(映画監督):「津島 福島は語る・第二章」の成果
音楽部門
・岡村慎太郎(地歌箏曲演奏家):「岡村慎太郎 地唄箏曲演奏会」ほかの成果
・阪哲朗(指揮者):「ばらの騎士」ほかの成果
舞踊部門
・尾上紫(日本舞踊家):「第7回尾上紫リサイタル―花―」の成果
・柄本弾(バレエダンサー):「ザ・カブキ」「ロミオとジュリエット」ほかの成果
文学部門
・野木京子(詩人):「廃屋の月」の成果
・町屋良平(小説家):「私の小説」の成果
美術A部門
・石田尚志(美術家):「石田尚志 絵と窓の間」展の成
・塩田千春(美術家):「塩田千春 つながる私(アイ)」展ほかの成果
美術B部門
・開発好明(現代美術家):「ART IS LIVE ―ひとり民主主義へようこそ」展の成果
・金築浩史(展覧会エンジニア):「札幌国際芸術祭2024」ほかにおけるエンジニアリングの成果
メディア芸術部門
・青山剛昌(漫画家):「名探偵コナン」の成果
・桜井政博(ゲームクリエイター):「桜井政博のゲーム作るには」の成果
放送部門
・阿部サダヲ(俳優):「不適切にもほどがある!」の成果
・村瀬史憲(プロデューサー):「掌で空は隠せない~1926木本事件~」ほかの成果
大衆芸能部門
・立川談春(落語家):「芸歴40周年記念興行 立川談春独演会」ほかの成果
・柳家喬太郎(落語家):「喬太郎企画ネタ尽きました、お客様決めてください」ほかの成果
芸術振興部門
・広上淳一(指揮者):能登半島地震の被災地における音楽による復興支援活動の成果
・丸岡ひろみ(横浜国際舞台芸術ミーティングディレクター):「横浜国際舞台芸術ミーティング2024」ほかの成果
評論部門
・有木宏二(香雪美術館学芸部長):「ゴーガンと仏教」の成果
・片山杜秀(慶應義塾大学教授):「大楽必易―わたくしの伊福部昭伝―」の成果
文部科学大臣新人賞は、22名と2組が受賞。主演を務めた『ナミビアの砂漠』『あんのこと』が立て続けに話題を呼んだ河合優実、地元である東京・目黒区美術館で『刺繍少年フォーエバー』展を開催した青山悟、映画『ルックバック』で監督 / 脚本 / キャラクターデザインを手掛けた押山清高などが選ばれた。
令和6年度(第75回)芸術選奨文部科学大臣新人賞 受賞者
演劇部門
・江口のりこ(俳優):「ワタシタチはモノガタリ」「リア王」の成果
・藤田俊太郎(演出家):「リア王の悲劇」「VIOLET」の成果
映画部門
・河合優実(俳優):「ナミビアの砂漠」「あんのこと」ほかの成果
・三宅唱(映画監督・脚本家):「夜明けのすべて」の成果
音楽部門
・北村朋幹(ピアニスト):CD「リスト 巡礼の年 全3年」ほかの成果
・長谷川将山(都山流尺八演奏家):「B→C 264 長谷川将山(尺八)」の成果
舞踏部門
・スズキ拓朗(振付家・ダンサー・演出家):おどるシェイクスピア「PLAY!!!!! 〜夏の夜の夢〜」ほかの成果
・中村鷹之資(歌舞伎俳優・日本舞踊家):「第九回翔之會」の成果
文学部門
・井戸川射子(小説家・詩人):「無形」の成果
・西村麒麟(俳人):「鷗」の成果
美術A部門
・青山悟(美術家):「青山悟 刺繍少年フォーエバー」展ほかの成果
・笹井史恵(漆芸家):笹井史恵 漆芸展「風様ふわり、忽ちに雷様」ほかの成果
美術B部門
・金仁淑(アーティスト):「Eye to Eye」ほかの成果
・Nerhol(田中義久 / 飯田竜太)(現代美術家):「水平線を捲る」展ほかの成果
メディア芸術部門
・押山清高(アニメーター・アニメーション監督):映画「ルックバック」の成果
・橋野桂(ゲームクリエイター):「メタファー : リファンタジオ」の成果
放送部門
・上田大輔(ディレクター):「さまよう信念 情報源は見殺しにされた」の成果
・大島隆之(ディレクター):「“一億特攻”への道 〜隊員4000人 生と死の記録〜」の成果
大衆芸能部門
・坂本頼光(活動写真弁士):寄席定席における活弁の芸ほかの成果
・渡邊琢磨(作曲家):映画「ナミビアの砂漠」「Cloud クラウド」ほかにおける音楽の成果
芸術振興部門
・小川希(Art Center Ongoing代表):「芸術激流2024 ラフティング+アート」ほかの成果
・松田崇弥 / 松田文登(株式会社ヘラルボニー代表取締役 / Co-CEO):「HERALBONY Art Prize 2024」ほかの成
評論部門
・高橋義彦(北海学園大学准教授):「ウィーン1938年 最後の日々―オーストリア併合と芸術都市の抵抗」の成果
・林淳(京都文化財団主任):「いびつな「書の美」 日本の書がたどった二つの近代化」の成果
同賞の贈呈式 / 祝賀会は、3月11日(火)東京都内にて開催予定。受賞者には賞状に加え、大臣賞120万円、新人賞80万円の賞金が贈られる。