演劇カンパニー・ヌトミックの舞台『何時までも果てしなく続く冒険』が、1月17日(金)から19日(日)まで、東京・吉祥寺シアターで上演される。
バンド・東京塩麹のリーダーとしても活動する額田大志を主宰とし、2016年に東京で結成されたヌトミック。「上演とは何か」という問いをベースに、音楽のバックグラウンドを用いた脚本と演出で、パフォーミングアーツの枠組みを拡張していく作品を発表している。
同作は、岸田國士戯曲賞最終候補作『ぼんやりブルース』以来4年ぶりの劇場長編作品となる。11年前の新宿で亡くなった一人を巡り、姉、親友、偶然居合わせた人々などが、口々に「その日」の記憶を語り出す。飛び出す様々な言葉は、それぞれの記憶と紐づきながら、幾度も「その日」へと繋がっていき、ときにはあるはずのない記憶に塗り替えられる。やがて死者が語り出し、永遠に続く記憶の旅はある事実へと辿り着いていく。
出演者は俳優の佐山和泉、矢野昌幸、ヌトミックの長沼航と原田つむぎに加え、ベルギーと日本を拠点とするソプラノ歌手・薬師寺典子、トラックメイカー / シンガーのermhoiが演劇作品に初出演となる。
音楽は細井徳太郎によるエレキギター、額田によるシンセサイザー、渡健人によるドラムを中心とし、ほぼ全編に渡って生演奏が続く。作品の軸となるフレーズが、物語の進行に応じて様々な形で反復 / 変奏され続けていくミニマルテクノのようなストイックな演奏となる。一方で、ギターの細井徳太郎による音響的なアプローチも随所に挿入。上演が進むにつれて、徐々に音楽ジャンルが変容していく様も味わえる。開催にあたって、キャストと細井、渡からのコメントも公開された。
ermhoi ― トラックメイカー/シンガー
台本はある。ストーリーも面白い。でも言葉の読み方にも色々あり、立ち振る舞いにも色々あり、それによって物語は何通りにも違って聞こえてくるし、毎回意味が変わってくる。役者なのか演出家なのか、その場にいる全員の思考が常に回り続けるような稽古は、それはそれは不思議。薬師寺典子 ― 声楽家
普段は現代音楽を歌っています。新しい世界に飛び込むつもりで参加したヌトミックのリハですが、知見の広い共演者達からベリオやラッヘンマン、ファーニホウについて話しかけられ、世界は地続きだったとホクホクしています。ライヒが絶賛したという額田さんの音楽も楽しみです。世界の最小単位と繰り返しについても、ぜひ様々な人に見て頂いて、感想を頂けたら嬉しいです。佐山和泉 ― 俳優
このお話の気持ちたちに、この音楽劇の音や言葉や音楽や、空気や光景や、何かがよきものとしてちょっとでも届いたり追いついたりが叶ったらいいな。そんな気持ちでいる稽古序盤です。さてどこまで行けるかな。楽しみです。矢野昌幸 ― 俳優
今作は演劇公演になるのか、音楽のライブになるのか。渋くなるのか甘くなるのか知らず。「やっぱ自分の踊り方でおどればいいんだよ」ありがとうございます。暗黒大陸目指します。何卒よろしくお願いいたします。長沼航 ― 俳優
演劇を初めてまもないときに立った吉祥寺シアター。その舞台に、ヌトミックの本公演で戻って来れることが嬉しいです。しかも、強力な俳優・音楽家の皆さんとの共演、楽しみすぎる! この数年でヌトミックが扱ってきた主題、培ってきた技術を丸ごと投入した大事な作品になりそうです。劇場でお会いしましょう。原田つむぎ ― 俳優
ある日の稽古で出てきた「群雄割拠」という言葉。幾人もの実力者たちが対立するさま、とのことなのですが、今回争ってはいないものの、色んなジャンルやスタイルの強力な出演者たちによるヒリヒリとしたぶつかり合いと、反対に不思議な調和が見られそうな予感があります。ヌトミック4年ぶりの劇場長編作品、劇場にいない間にゆるやかに題材としていたことに正面から向き合うことになりそうです。気合いを入れて準備していますので、吉祥寺シアターまでぜひお越しください。細井徳太郎 ― ギタリスト・シンガーソングライター
「額田大志」という名前を初めて見たのはおよそ10年前に六本木Super Deluxeで開催されていた”Jazz Summit Tokyo”でのことだった。石若駿、新井和輝、常田大希、中山晃子、井上銘、寺久保エレナ(敬称略)今をときめく同年代のミュージシャンたちが参加していたイベント、その中に彼の名前もあった。彼の音楽を演奏するのは2度目のことで、彼の演劇を共に作るのは初めてのこと。とっても楽しみです。渡健人 ― 音楽家・ドラマー
ドラムを担当する渡です。豪華なメンバーの中に参加できること光栄に思います。まだ稽古が始まったばかりですが、額田からは既に果てしない音楽の構想が伝えられています。これまでのヌトミック作品ともまた違うアプローチが試されているように思います。今後の稽古も楽しみです!
また、音楽リハと舞台稽古の写真も公開。ヌトミックのメールマガジンでは、創作のプロセスも特別公開される。
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音楽のリハーサルに望む出演者。ermhoiと薬師寺典子は俳優としても出演し、スタイルの異なる歌
声が混じり合う上演となる。
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戯曲を読み合わせる出演者。口語や文語が入り混じり、話しかける対象もシームレスに変わってい
く台詞について、演じ方を皆で話し合う。
全4公演中3公演でアフタートークが行われることも決定しており、初日となる1月17日(金)の19:30公演には柴崎友香、翌18日(土)13:00公演にはいとうせいこう、同日18:00公演にはつやちゃんがゲストとして登壇する。チケットは各プレイガイドなどで発売中。30歳以下や高校生以下を対象とした割引チケットも販売されており、高校生以下チケットは小劇場応援サイト「演劇最強論-ing」でのみの取り扱いとなる。
ヌトミック『何時までも果てしなく続く冒険』
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〈出演〉
ermhoi
薬師寺典子
佐山和泉
矢野昌幸
長沼航(ヌトミック)
原田つむぎ(ヌトミック)
ギター:細井徳太郎
シンセサイザー:額田大志(ヌトミック)
ドラム:渡健人
〈日時〉
2025年1月17日(金)〜19日(日)
1月17日(金) 19:30☆
1月18日(土) 13:00◎☆ 18:00◎☆
1月19日(日) 13:00
受付開始は開演45分前、開場は開演30分前
◎=託児サービスあり 公演1週間前までに要予約
料金:0〜1歳児 2,000円、2歳児以上 1,000円
予約:イベント託児・マザーズ 0120-788-222(営業時間:土日祝日を除く 10:00〜12:00 、13:00〜17:00)
☆=終演後にアフタートークあり
アフタートークゲスト登壇者:
1月17日(金) 19:30 柴崎友香
1月18日(土) 13:00 いとうせいこう
1月18日(土) 18:00 つやちゃん
〈チケット〉
一般発売 2024年11月2日(土)10:00
料金(日時指定・全席自由・整理番号付)
前売 一般 4,500円 U30 3,500円 高校生以下 1,000円 アルテ友の会 4,000円
・当日は各500円増し。
・各種割引でご予約のお客様は受付にて要証明書提示。
・未就学児はご入場いただけません。
・車椅子でご来場のお客様は事前にお申し出ください。
・高校生以下は演劇最強論-ingにて取り扱い。
・アルテ友の会は武蔵野文化生涯学習事業団にて取り扱い。
取り扱い
イープラス
https://eplus.jp/sf/detail/4199890001-P0030001
チケットぴあ
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventCd=2438356
セブン-イレブン店頭(Pコード:530033)
ローソンチケット
https://l-tike.com/play/mevent/?mid=736032
ローソン、ミニストップ店内 Loppi(Lコード:33831)
演劇最強論-ing〈会員登録不要・各種手数料無料〉
https://www.engekisaikyoron.net/nuthmique_itsumademo/
武蔵野文化生涯学習事業団
https://yyk1.ka-ruku.com/musashino-s/sameShowList?en=410
〈会場〉
吉祥寺シアター
〒180-0004 東京都武蔵野市吉祥寺本町1丁目33番22号
JR中央線・京王井の頭線吉祥寺駅北口下車 徒歩5分
〈スタッフ〉
作・演出・音楽:額田大志
音響:稲荷森健
照明:松本永(eimatsumoto Co.Ltd.)
照明操作:佐々木夕貴(eimatsumoto Co.Ltd.)
舞台美術:中村友美
衣裳:臼井梨恵
舞台監督:中西隆雄
演出助手:中野真由子
宣伝美術:関川航平
広報:冠那菜奈
制作:河野遥、武田侑子
協力:東京デスロック、散策者、モモンガ・コンプレックス、みんなのひろば、急な坂スタジオ、公益財団法人セゾン文化財団
提携:公益財団法人武蔵野文化生涯学習事業団
助成:芸術文化振興基金、公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京[東京芸術文化創造発信助成]
企画制作・主催:ヌトミック