東京・墨田区菊川のミニシアター「Stranger」でホン・サンス監督とジョン・ヒューストン監督の特集上映が決定した。
6月28日(金)から7月18日(木)は「JAIHO Collaborations ホン・サンス特集上映」が行われる。6月28日(金)より最新作『WALK UP』が「Stranger」を含む全国各地で公開されることを記念したもので、特集上映ではユニークな会話劇が特徴の5作品をセレクト。フランスの映画批評誌『カイエ・デュ・シネマ』のベストテンで8位に選ばれた2005年公開の『映画館の恋』(英題:Tale of Cinema)や同6位となった2018年公開の『川沿いのホテル』(英題:Hotel by the River)、2011年発表で日本では未公開の短編『リスト』(英題:List)などが上映される。
7月19日(金)から8月8日(木)はミュージカル『アニー』(原題:Annie)の映画化で知られ、『黄金』(原題:The Treasure of the Sierra Madre)で『アカデミー賞』監督賞と脚色賞を受賞した「ジョン・ヒューストン特集上映」が行われる。人間が持つ野望とその挫折をテーマにした作品や、名だたる作家の原作を映画化するなど、多彩なジャンルの映画を数多く手がけるジョン・ヒューストンの初期1940年代から晩年1980年代までの監督作の中から、日本未公開作品を含む年代別5作品をセレクト。第二次世界大戦でPTSDに陥った兵士とその治療の様子を収めたドキュメンタリー『光あれ』(原題:Let There Be Light)、スティーヴン・クレインの同名小説を映画化した『勇者の赤いバッヂ』(原題:The Red Badge of Courage)、ヒューストン監督の遺作となった1987年公開の『ザ・デッド/「ダブリン市民」より』(原題:The Dead)などが上映される。
2022年9月にオープンした「Stranger」は、新潟・十日町シネマパラダイスから譲渡されたキネット・ギャレイ製の椅子と、山形・鶴岡まちなかキネマから譲渡された300席規模向けのスピーカー、複数の国際プロダクト賞を受賞しているGDCテクノロジー製のEspedeo Supra-5000をプロジェクターに使用している49席の映画館。2024年2月から運営組織を一新し、併設されたカフェとともに地域に寄り添った役割を発信している。作品に関連したDJイベントの開催や、監督やキャスト、プロデューサーと一緒に短編を観て語り合う『Tiny Space Theater』、アーティストの個展を開催する『Tiny Space Gallery』など、様々な企画が行われている。
JAIHO Collaborations ホン・サンス特集上映
第74回ベルリン国際映画祭にて2年ぶり5度目となる銀熊賞(審査員 大賞)を獲得したホン・サンス監督。 韓国映画を世界に向けて発信し続ける名匠ホン・サンス監督の日本劇場公開最新作『WALK UP』公開を記念し、日本未公 開の作品を含む珠玉の5作品をセレクト。ユニークな会話劇に酔いしれる体験をお届け します。『WALK UP』は6月28日(金)よりStranger他にて全国公開。
6月28日 (金)~7月18日 (木) ※上映の詳細(各作品上映回数)については調整中
料金: 一律 ¥1,500 (各種割引適用不可) ※同時上映 『リスト』 『草の葉』は2作品で¥1,500
『映画館の恋』 (2005)
2005年「カイエ・デュ・シネマ」 ベストテン8位 ホン・サンス監督が映画内映画とそれを 観終えた男女の恋の行方を2部構成で綴る異色ラブ・ストーリー。日本ではソフト化されていない幻の人気作。
『リスト』(2011)
2011年に発表した日本未公開の短編。『82 年生まれ、キム・ジヨン』のチョン・ユミと アカデミー賞助演女優賞受賞歴のあるユン・ヨジョンが母娘を演じる。
『草の葉』 (2018)
キム・ミニ主演、ホン・サンス監督第22作となる中編。ある路地裏の喫茶店で繰り広げる男女の会話劇。
『あなた自身とあなたのこと』 (2016)
キム・ジュヒョク×イ・ユヨン主演。 不条理でスリリングな恋の駆け引きを描いた辛口恋愛喜劇。
『川沿いのホテル』 (2018)
2020年「カイエ・デュ・シネマ」 ベストテン6位。 延南洞沿いにある静かなホテルで巻き起こるノスタルジックなヒューマンドラマ。
ジョン・ヒューストン特集上映
1941年に『マルタの鷹』で監督デビューを果たし、1948年『黄金』でアカデミー監督賞・脚本賞を受賞。1951年 『アフリカの女王』ではハンフリー・ボガートに初のアカデミー主演男優賞をもたらした。人間が持つ野望とその挫折をテーマにした作品や、名だたる作家の原作を映画化するなど多彩なジャンルの映画を数多く手がける。初期1940年代~晩年1980年代までの監督作の中から、貴重な日本未公開作品を含む年代別5作品をセレクトした特集上映。 (以下の他1作品上映予定)
7月19日 (金)~ 8月8日 (木) *上映の詳細(各作品上映回数)については調整中
料金:一律¥1,500
『光あれ』 (アメリカ/1946年/58分)
第二次大戦での体験からPTSDに陥った兵士とその治療の様子を収めたドキュメンタリー映画。米軍の依頼で制作されたにもかかわらず、その内容から30年以上にわたり封印されていた。
『勇者の赤いバッヂ』 (アメリカ/1951年/69分)
南北戦争を背景に、若き兵士たちの葛藤や恐怖を露にした戦争映画の傑作。スティーヴン・クレインの同盟小説の映画化であり、第二次大戦の実際の英雄オーディ・マーフィが主演を務めた。
『ゴングなき戦い』 (アメリカ/ 1972年/100分)
元プロボクサーと新人ボクサーの交流と反撥を描いたレナード・ガードナーの原作小説を、自身ボクサーであったヒューストン監督が映画化。男たちの孤独で泥臭い闘いが映し出される。
『ザ・デッド/「ダブリン市民」より』 (イギリス・アイルランド・アメリカ / 1987年/83分)
ジェイムズ・ジョイスの短編集『ダブリン市民』の一篇 「死者たち」を原作に、 舞踏会に集う人々の一夜の出来事を描いたヒュ ーストン監督の遺作。娘で女優のアンジェリカが主演を務めた。