『東京お台場トリエンナーレ2025』が、2025年の10月から12月まで開催されることが決定した。
東京都と一般社団法人お台場トリエンナーレ実行委員会が主催し、日本科学未来館などが協力する同イベント。観光地や2021年開催の東京オリンピック / パラリンピック会場として国内外に広く知られるお台場を舞台に、現代アートを中心とする国際芸術祭を開催するのは初めての試み。
会場は、砲台跡や火薬庫跡があることで知られる台場公園(第三台場)、お台場エリアに位置するフジテレビ本社屋と湾岸スタジオ、現在『SusHi Tech Tokyo 2024』の「ショーケースプログラム」が開催中の日本科学未来館などを予定。会期の詳細や公式WEBサイトなどは2024年の秋にアナウンスされる予定となっている。
なお、開催決定にあたって、東京都知事・小池百合子と、お台場トリエンナーレ実行委員会 実行委員長・遠藤龍之介からのコメントが公開されている。
開催によせて
東京都知事 小池百合子
「東京お台場トリエンナーレ2025」は、水辺の自然に恵まれ、世界に繋がる海の玄関口であるベイエリアを舞台に、来年10月から開催されます。
2025 年は、世界陸上やデフリンピックが開催される年です。国内外から多くの方が訪れる特別な時期に、かつて幕末に日本が新しい文化と出会った歴史的なこの場所で、アートを通じて東京にしかない価値や魅力を先鋭的に発信する国際芸術祭を開催することは、東京の芸術文化をさらなる高みへと導くことでしょう。 アートは、街に息吹を与え、その魅力を向上させ、私たち一人ひとりに感動と喜びを与えます。最先端のアートから私たちに投げかけられる未来への問いは、より良い社会づくりや持続可能なまちづくりの原動力となります。
2025 年、どのようなアートに出会えるのか。東京という都市がどんな変貌を遂げていくのか。とても楽しみです。
このたび、東京都と共にお台場トリエンナーレ実行委員会は「東京お台場トリエンナーレ 2025」を初開催する運びとなりました。
お台場トリエンナーレ実行委員会 実行委員長 遠藤龍之介
今や臨海副都心の代名詞となった「お台場」は、江戸時代からの歴史もあるエリアであると同時に、新たに開発された人工的な近未来都市としてのイメージもあります。嘉永6(1853)年のペリー来航を機に、外国の脅威から江戸を守るために、大砲を置く「台」となる「場所」として徳川幕府により築かれたのが「お台場」です。レインボーブリッジのたもとに浮かぶ島と、史跡となっている「台場公園」が砲台として築かれ、もともとの「お台場」がその名残をとどめて現在に至っています。
江戸と現代の東京が不思議に調和し、同時に存在する、ウォーターフロントの美しいロケーションが魅力の「お台場」。エンタテインメント催事や東京 2020 オリンピック・パラリンピック競技大会が開催されるなど、街の魅力を向上させてきました。そこで、台場エリアをこれからも継続的に活性化させるイベントとして、現代アートを中心とした国際的な芸術祭を開催し、これまで培ってきたエンタテインメントとアートの力で東京の魅力を世界に向けアピールしたいと考えています。
分断と混迷が続く不安な世界情勢の中で、芸術の力はますます重要になってきています。会場を訪れる方々が現代アート作品と触れ合うことで、感動、喜び、楽しみや癒しを、あるいは気づきや思索のきっかけになる場を提供する。そして、新たな価値観と出会う体験を東京・お台場で創出できれば、それにまさる喜びはありません。
日本が世界に向けて国を開くきっかけとなった歴史的な場所であるここ「お台場」から、新たな地平を切り開く、未来を見据えた多様な視点で芸術文化の力を世界に向けて開示することで、長く人々の記憶に残るイベントになることを切望しております。