現代美術作家でアーティスト・柳幸典が率いるチーム「YANAGI + ART BASE」が設計と芸術監督を担当した美術館『FLOATING MUSEUM(仮称)』が、6月に韓国の新安郡・安佐島に開館予定であることが発表された。
韓国の最西南端に位置する新安郡は、72の有人島と932の無人島の計1004の島に人口およそ3万人が住む小都市。韓国語で「1004」と「天使」の発音が同じであることから「天使の島」とも呼ばれている。
少子高齢化や若者の都市流出など、人口減少が問題になっている地域でもあることから、地域活性化のため「文化芸術の島」を目指し、新安郡がそれぞれの島に博物館や美術館を建設する「1島1ミュージアム」プロジェクトが2019年に始動。関連して発足した「安佐島全体のグランドデザインを手がける『安佐島プロジェクト(Anjwa-Do Project)』」を柳幸典と柳が率いるチーム「YANAGI + ART BASE」が担当。『FLOATING MUSEUM(仮称)』をはじめ、レストランや植物園、チケットセンターなど、ユネスコ自然遺産にも登録されている、数多くの生態系の宝庫となっている干潟や広大な塩田など、安佐島の特色のある景観を最大限に活かしながら、地域全体を再生していくグランドデザインが施されている。
同美術館は、「安佐島プロジェクト」の一環で、アート作品と建築の意匠を一体化した美術館を目指して「YANAGI + ART BASE」が芸術監督・設計を行ったもの。4つの異なるコンセプトと3つの機能(企画展示室2つ、休憩室)を備える、7つのキューブで構成され、「安佐島プロジェクト」のアーカイブ映像が上映されるほか、柳の代表作である「アントファーム」シリーズの新作『EURASIA 2021』(2021)『GANGNIDO』(2021)や、漆黒の空間の泥の玉『Wandering Mud』(2024)や光の空間の塩の玉『Wandering Salt』(2024)などの新作も展示される。