書籍『シティ・ポップ文化論』が2月23日(金・祝)にフィルムアート社から刊行される。
日高良祐の編著による同書は、2022年に東京都立大学で開催され話題となった全9回の公開講座『シティ・ポップから考える――都市・音楽・イメージ』の講義内容を加筆修正し、まとめたもの。同講座はメディア研究やポピュラー音楽研究を専門とする日高がナビゲーターを務め、講師には音楽ジャーナリストの柴那典、ポピュラー音楽や都市社会学の研究者である加藤賢、サブカルチャーへの深い造詣で知られ2022年に亡くなった劇作家 / 演出家 / 作家の宮沢章夫らが参加した。
1970年代の都市文化から1980年代の流行、そして2020年代の世界的なリバイバルまで、現在進行系のカルチャーの輪郭を捉えた内容となっており、世代や地域性など多角的な視点から分析。音楽の1ジャンルにとどまらない現象の歴史や背景、国境を越えて各所に与えた影響が学べる1冊となっている。なお、カバーイラストは同講座で講師も務めた漫画家 / イラストレーターの江口寿史が手掛けている。
『シティ・ポップ文化論』(フィルムアート社)
日高良祐=編著
柴那典/加藤賢/宮沢章夫/川村恭子/輪島裕介/小泉恭子/大和田俊之/金悠進/楠見清/江口寿史=著
発売日/2024年2月23日
本体価格/2,200円+税
判型/四六判・並製
頁数/256頁(仮)
●目次
はじめに 日高良祐
1 ミームの幻視と音楽ビジネスの都市再開発 柴那典
2 シティ・ポップの「シティ」はどこか──ポピュラー音楽の都市論 加藤賢
3 シティ以前の東京から──移動と切断から考える都市文化 宮沢章夫
4 一地方都市としての東京──シティ・ポップの原風景 川村恭子・輪島裕介
5 記憶に埋め込まれた音楽 小泉恭子
6 上京者のポップ──そしてディスコから見たシティ・ポップ 輪島裕介
7 東南アジアのローカルな「シティ・ポップ」──シティ・ポップにカギ括弧をつける 金悠進
8 リバイバルのテクスチャー──スタジオ・ミュージシャンとテクノオリエンタリズム 大和田俊之
9 同時代としてのシティ・ポップ 江口寿史・楠見清