マヒトゥ・ザ・ピーポーが初監督を務めた映画『i ai』(読み:アイアイ)が3月8日(金)から全国公開決定。本予告と場面写真、キャスト陣からのコメントが解禁された。
オルタナティブロックバンド・GEZANのフロントマンであり、音楽以外でも小説執筆や映画出演、フリーフェス『全感覚祭』や反戦デモの主催など、独自のレイヤーによるカルチャーを紡ぐ活動で知られるマヒトゥ・ザ・ピーポーが初監督を務め、2022年の『東京国際映画祭』アジアの未来部門にも正式出品された同作。マヒト監督の実体験をもとに、主人公のバンドマン・コウと、コウが憧れるヒー兄、そして仲間たちが音楽と共に過ごした日々、出会いと別れ、彼らの切実な時間が綴られていく。
主人公コウ役を務める富田健太郎は、『全感覚オーディション』と銘打たれたオーディションで約3500人の中から抜擢。ヒー兄役に映画だけでなく舞台やダンサーとしても活躍する森山未來、ヒー兄の恋人・るり姉役をゲスの極み乙女のドラマーで役者としても活躍の場を広げているさとうほなみ、ヒー兄の弟でコウとバンドを組むキラ役を、映画『世界は僕らに気づかない』で『第37回高崎映画祭』最優秀新進俳優賞を受賞した堀家一希が演じる。さらに吹越満、永山瑛太、小泉今日子ら多彩な実力派が顔を揃える。
今回解禁となったのは、コウとヒー兄、彼らをとりまく人々の切実な時間を切り取った本予告と場面写真。マヒト監督が自ら手がけた劇伴にのせ、コウがヒー兄からギターを教わるシーンから始まり、不穏なショットもインサートされた、出会いと別れがもたらす壮大なクライマックスを予感させる映像となっている。
キャスト陣コメント
『i ai』の劇場公開が決まりました。
あの夏をいよいよ皆さんに観てもらえるのかと思うと感慨深いものがあります。
2年半前の明石の海の匂い、深夜に一人徘徊した公園、子供達のアンコールの声、ギターの炸裂音、叫んだ屋上、全ての瞬間が今でも鮮度を保ったまま心に残っています。
『i ai』の夏、最高だったな。
紛れもなく人生の青春です。
皆さんにこの作品を届ける事が出来ること、本当に嬉しく思っています。
これから出逢える皆さんに心からの感謝を込めて。
多くの人に『i ai』が届きますように。
――富田健太郎
いつかの夏の終わりに撮影した『i ai』。
細かな記憶は少しずつ薄れてきてはいるけれど、あの時間が僕に与えたインパクトは今でも明確です。目を瞑って立ち上がってくるイメージは、どこまでも突き抜けた、真っ赤な青。マヒトの詩的でプリミティブな作家性に溢れた処女作に関われたことを、おもしろおかしく思ってます。
映画でしか生まれることのなかった世界です。映画館で体験しなければ意味はないかと。
――森山未來
初めまして、ヒー兄の弟、キラ役で出演しております、堀家一希です。
本作では誰かとの出逢い、別れ、言葉には出来ない一瞬の美しさが、景色と共に切り取られています。
僕自身も本作を通して会えなくなった人、これから出逢う人に想いを馳せる、良い機会になりました。
是非皆様もスクリーンで経験していただきたいです。
――堀家一希
ヒーの存在が大きすぎる。この物語の中での彼の生き様は、側から見て、すごく突飛で不安定で格好良くて羨ましくて掛け替えがない。そんな彼と共に生きられたことを幸せに思いました。この世界に於いての、音楽とひととのある種暴力的な関わりが何故か心地いい。出会えて良かった。
――さとうほなみ
マヒトゥ監督と2人で試写を観ました。
やられてしまいました。
物心ついてから自分の内側と外側で起きている、言語化出来ない、得体の知れない行き来する何かが、この作品から溢れ出ているのを皮膚から吸収してしまった。
これが観たかったんだ。。
昨今の不調和な世界に照射した赤い光『i ai』は、
皆様にどんな具合で届くのか楽しみでしかたがない。
――永山瑛太
儚くて、激しくて、美しいこの映画に参加できて嬉しかったです。
――小泉今日子
やっと公開が決まりました。
これは咳を我慢し、つられて季節も息をとめたとある夏、愛しき仲間と生傷を絶やさず駆け抜けた生きることについての物語です。
なぜ人は記録するのか?人はなぜ永遠に対して挑戦するのか?その答えを映画というフォーマットでしかすくいとれない瞬間の連続が肯定している。生きてる時間の中で死を生かそうとする試み、その痕跡が詩を呼び込む。
i ai、相逢、もう一度逢う。ううん、何度でも真実に会おう。わたしは映画という嘘の時間の中でたどり着いた本当がお守りのように、未来を照らすことを知っている。この正しく混乱した118分が歪んだ現実をサバイブする武器になることを確信している。
――マヒトゥ・ザ・ピーポー(監督・脚本)
『i ai』
出演 富田健太郎 さとうほなみ 堀家一希 イワナミユウキ KIEN K-BOMB コムアイ 知久寿焼 大宮イチ 吹越 満 永山瑛太 小泉今日子 森山未來
監督・脚本・音楽 マヒトゥ・ザ・ピーポー
撮影 佐内正史 劇中画 新井英樹
主題歌: GEZAN with Million Wish Collective「Third Summer of Love」(十三月)
プロデューサー 平体雄二 宮田幸太郎 瀬島 翔
美術 佐々木尚 照明 高坂俊秀 録音 島津未来介
編集 栗谷川純 音響効果 柴崎憲治 VFXスーパーバイザー オダイッセイ
衣装 宮本まさ江 衣装(森山未來)伊賀大介 ヘアメイク 濱野由梨乃
助監督 寺田明人 製作担当 谷村 龍 スケーター監修 上野伸平 宣伝 平井万里子
製作プロダクション:スタジオブルー 配給:パルコ
©STUDIO BLUE(2022年/日本/118分/カラー/DCP/5.1ch)
■公式サイト:https://i-ai.jp
■公式X:https://x.com/iai2022
■公式Instagram:https://www.instagram.com/i_ai_movie_2024/
ストーリー
舞台は、兵庫の明石。期待も未来もなく、単調な日々を過ごしていた若者・コウ(富田健太郎)の前に、地元で有名なバンドマン・ヒー兄(森山未來)が現れる。強引なヒー兄のペースに巻き込まれ、ヒー兄の弟・キラ(堀家一希)とバンドを組むことになったコウは、初めてできた仲間、バンドという居場所で人生の輝きを取り戻していった。ヤクザに目をつけられても怯まず、メジャーデビュー目前、彼女のるり姉(さとうほなみ)とも幸せそうだったヒー兄。その矢先、コウにとって憧れで圧倒的存在だったヒー兄との突然の別れが訪れる。それから数年後、バンドも放棄してサラリーマンになっていたコウの前に、ヒー兄の幻影が現れて……。