村上春樹の小説を原作とした長編アニメーション映画『めくらやなぎと眠る女』(英題:Blind Willow, Sleeping Woman)が、2024年初夏に日本公開されることが決定した。
村上春樹作品がアニメーション映画化されるのは同作が初めてとなる。物語は村上の『かえるくん、東京を救う』『バースデイ・ガール』『かいつぶり』『ねじまき⿃と⽕曜⽇の⼥たち』『UFOが釧路に降りる』『めくらやなぎと、眠る⼥』の6本の短編小説が翻案されたもの。
東日本大震災直後の東京を舞台とし、小箱を女性に届けるために北海道へと向かうことになった小村、置き手紙を残して姿を消した小村の妻・キョウコ、家に帰ると2メートルの「かえるくん」が待ち受けていた小村の同僚・片桐にまつわる内容となっている。
監督と脚本および音楽を手がけたのは、音楽家 / アニメーション作家のピエール・フォルデス。自身初の長編アニメーションとなる同作は、監督が「ライブ・アニメーション」と名づける実写撮影をベースにした技法で制作された。
同作の日本公開決定に際し、監督からのメッセージが公開となった。なお監督は10月28日(土)に開催される国際シンポジウム『世界とつながる日本文学 ~after murakami~』と、11月5日(日)に開催される『第10回 新千歳空港国際アニメーション映画祭』での作品上映にゲスト登壇する。
ピエール・フォルデス監督からのメッセージ
『めくらやなぎと眠る⼥』が⽇本で公開されると聞いて、とても幸せな気分です。この映画は、純粋なひらめきと野⼼の両⽅から⽣まれました――史上最も偉⼤で最もインスピレーションに溢れた作家の作品から得たひらめきと、アニメーションにおいてテクニックだけではなく語り⽅をも⼀新しようとした野⼼の産物なのです。様々な物語とキャラクターを絡み合わせつつ、この映画は、様々な物語とキャラクターを絡み合わせつつ、2011 年の地震と津波という⼤きな出来事が、登場⼈物たちをいかに⽬覚めさせ、⾃分の⼈⽣を⽣きようと試みさせるのかを探っていきます。私が村上春樹の⼩説を読んでいるときに感じたような、そしてこの映画を作っているときに感じたような⼤きな刺激を、観客に感じてほしいと思っています。私にとってこの映画は、控えめに⾔っても近年作られた最も⾰新的な⻑編アニメーションなのです。この映画が、優れたアニメーションを⽣み出すことで知られた国で公開されることに興奮しています。私はこの映画の脚本を、新幹線の中でお弁当を⾷べながら書き終えたのですから、なおさらです︕
『めくらやなぎと眠る⼥』
監督・脚本︓ピエール・フォルデス、原作︓村上春樹((「かえるくん、東京を救う」、「バースデイ・ガール」、「かいつぶり」、「ねじまき⿃と⽕曜⽇の⼥たち」、「UFO が釧路に降りる」、「めくらやなぎと、眠る⼥」)
声の出演︓ライアン・ボンマリート、ショシャーナ・ビルダー、マルセロ・アロヨ、スコット・ハンフリー、アーサー・ホールデン、ピエール・フォルデス
2022/109 分/フランス、ルクセンブルク、カナダ、オランダ合作
原題︓「Saules Aveugles, Femme Endormie」/英語題︓「Blind Willow, Sleeping Woman」
配給︓ユーロスペース、インターフィルム、ニューディアー
公式サイト︓ http://www.eurospace.co.jp/BWSW
公式SNS︓ X:@eurospace_d Instagram:@eurospace_distribution