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『Uber Boyz』に反映された、同世代の演劇人に共通する感覚
ーところで、昨今、1992年生まれの池田さんと同世代の演劇人の活躍が目立ちます。2021年の『芸劇eyes番外編 vol.3「もしもし、こちら弱いい派 ─かそけき声を聴くために─」』では、ウンゲツィーファの『Uber Boyz』(※)に3人の演出家が参加しました。ヌトミックの額田大志さん(1992年生まれ)、コンプソンズの金子鈴幸さん(1992年生まれ)、ウンゲツィーファの本橋龍さん(1990年生まれ)。この3人は『岸田國士戯曲賞』の授賞式でも再度パフォーマンスをされました。同世代だからこそ分かりあえる感覚ってありますか?
※編注:2021年に劇作家・本橋龍を中心に活動する「実体のない集まり」であるウンゲツィーファの公演として上演。ゆうめいの池田亮、盛夏火の金内健樹、コンプソンズの金子鈴幸、スペースノットブランクの中澤陽に俳優の黒澤多生を加え、全員が作 / 演出 / 出演を担う形で創作された作品。音楽にはヌトミック / 東京塩麹の額田大志を迎えた。
池田:ものすごくありますね。『岸田國士戯曲賞』の授賞式での『Uber Boyz』の出し物も、こういうことをやりたいって言ったらみんなアイデアがバーって、もうあり得ないぐらいたくさん出てくる。しかも、そのアイディアが「分かる! 分かる!」という感じなんですよ。

ー共通項はなんなんでしょうね?
池田:『少年ジャンプ』とか『コロコロコミック』とか、そういう男子が好きなものですかね。あとテレビかなあ。『岸田國士戯曲賞』候補になっていた金子君の『愛について語るときは静かにしてくれ』で最後に使われていた曲は『ビーストウォーズ』っていう3Dアニメの主題歌らしいんです。僕はそれを見たことがないんだけど、曲を聴いた時「あ、懐かしい、かろうじて覚えている」みたいな感じで。あと、1992年生まれはパソコン室が学校の中にできて、そこで色々なものを調べられるようになった世代だから、そういうところで繋がっているんじゃないかなと。それと、同世代だし互いにちょっと仲良くしておいたほうがいいだろうみたいな(笑)、勝手な仲間意識が生まれているのかなって。そういうことは『Uber Boyz』の中で話したりはしましたね。