メインコンテンツまでスキップ
NEWS EVENT SPECIAL SERIES

Hedigan’sのライブ収録現場を密着取材 バンド内の信頼関係と遊び心を見た

2024.12.13

Hedigan’s『Chance』

#PR #MUSIC

本番:解放の瞬間

21時35分。円陣を組み、5人で手をつないで高く上げて、気合いを入れる(ちなみに、これはいつもやっているものではなく、この日初めてやったらしい)。

「最近ライブで磨いて手応えのある曲たち」「普段通りのライブのモードになれるセットリスト」という意図で選ばれたのは、”夏テリー”、”LOVE(XL)”、”グレー”、”その後…”、”カーテンコール”、”再生”、”敗北の作法”、”O’share”の8曲。

5人の音の集合体=Hedigan’sの音は、自分の感情を、身体の動きを、どこへ連れていってくれるのか、受け手も予測できないし、メンバー自身も予測できてない。音楽が人知を越えたところに到達する瞬間を堪能させてくれるのがHedigan’sだ。

“その後…”では、音源にはないアウトロが加わる。野生的な声を重ね合わせ、熱量を高めるように楽器を鳴らし、最後に「パパ! ママ!」とシャウト。Hedigan’sが言う「ギャグセン」――生じゃないと起こり得ない、予想のつかないところへ飛んでいって、それがよすぎて笑っちゃうこと――を、この日何度もぶつけられた。“敗北の作法”もそうだ。音源にはないアウトロに、Hedigan’sの音はどこへ連れていってくれるのだろうかと、目が離せない。意識がぶっ飛ぶ。

「”敗北の作法”の最後を演奏しているときは、何も考えないようにしてます。ただの時計の針になろう、みたいな。いわゆるクラウトロックと呼ばれる、ドイツの1960〜70年代のフォーマットですけど、ドイツが敗戦したあとにアメリカ的なものに追従しないという意思表示としての音楽ジャンルであって、快楽を拒絶した形式だったりするので、それをできるだけちゃんと踏襲したいなと思って。そういう意味で、何も考えないで、無心になって、気持ちよくならない、気持ちよくさせない、という感覚でやっているつもりです」(本村)

「あれ、俺は小学生でもできることしか弾いてないので。2本の弦の同じ場所を交互に鳴らしてるだけ。ドラムに従う機械になろう、みたいな。感覚的に、校長先生の長い話を聞いてるときみたいな感じ(笑)。自分の意識は他の行きたい方へ向かっちゃうから」(YONCE)

そういった曲群の中で、”カーテンコール”や”再生”といった、YONCEの深い歌が全身に沁みわたるポップスも聴かせてくれる。

「俺にとってライブは、解放ですね。始まる前の舞台袖でBGMやSEがかかってる状況下で、『あのことをしゃべるんだ』『この曲のあそこは、今日はこういうふうやるんだ』みたいなことを考えていることもあるんですけど、そういうのが結局何もできない感じになるというかね。もうライブが始まったら、その瞬間のことしかできなくなる。究極のトランス状態になるのがライブ。いつも記憶があんまりない感じです」(YONCE)

この日は通常のライブと比べても、凄まじい集中力が5人の中で渦巻いていた。

「今日は異様に集中した感じがあった」(YONCE)

「音の広がり方が本当に独特で。スタジオとかの密閉された空間だとみんなの音が綺麗に聴こえるんですけど、今日は反響が強い分、耳を研ぎ澄ませないと音を取りこぼしちゃうような状況で、それがいい緊張感になりました。没入感、演奏への集中力みたいなものがあんまり体感したことのない感じで、演奏していて楽しかったです」(本村)

「寒かったので、その影響もあったと思います。寒いと緊張感やテンションがビリッとするというか。やっぱり環境や温度で演奏は変わりますね」(祐輔)

23時、終了。5人は、イレギュラーな場所で撮影をするうえでの緊張を乗り越えた達成感と、その中で「予想がつかない感覚」を楽しめた喜びや充実感を顔に浮かべていた。

Hedigan’sの1stアルバム『Chance』は、バンドが過ごした時間や気持ちの抑揚を記録するドキュメンタリーのような作品であるが、このライブ映像もまた、仲間たちとふざけたり遊んだりしながら、5人が集まることで自分の予想を超える瞬間を楽しんだ数時間の記録である。Hedigan’s以外のバンドでも経験が豊富な5人だが、理想的な生き方を共有し、「音の中で仲間と分かち合う」といったバンドの醍醐味を味わうためにHedigan’sを組んだのだということも、目の前で繰り広げられるライブや会話が語っていた。

『Hedigan’s “Warehouse Session”』

配信ライブ
YouTube『Hedigan’s “Warehouse Session”』
2024年12月13日(金) 22:00~
https://www.youtube.com/watch?v=i8xg9-daKWs

Hedigan’s『Chance』

2024年11月20日配信リリース

1 地球(仮)
2 マンション
3 その後…
4 グレー
5 再生
6 Mission Sofa feat.井上真也
7 But It Goes On
8 O’share
9 カーテンコール
10 ふしぎ
https://fcls.lnk.to/Chance

CD
2025年1月15日リリース
¥3,950

[DISC 1]
1. 地球(仮)
2. マンション
3. その後…
4. グレー
5. 再生
6. Mission Sofa feat.井上真也
7. But It Goes On
8. O’share
9. カーテンコール
10. ふしぎ

[DISC 2「Live at SPACE SHOWER MUSIC Presents “EPOCHS Music & Art Collective 2023″」]
1. 夏テリー
2. LOVE(XL)
3. サルスベリ
4. 説教くさいおっさんのルンバ
5. 敗北の作法
6. 論理はロンリー

CD予約リンク
https://hedigans.lnk.to/Chance

『Hedigan’s “TOUR Chance”2025』

2025年1月25日(土)神奈川県 Yokohama Bay Hall
2025年2月1日(土)福岡県 BEAT STATION
2025年2月9日(日)埼玉県 HEAVEN’S ROCK Kumagaya VJ-1
2025年2月11日(火・祝)宮城県 darwin
2025年2月15日(土)愛知県 名古屋CLUB QUATTRO
2025年2月16日(日)大阪府 BIGCAT
2025年2月23日(日・祝)北海道 cube garden
2025年3月2日(日)東京都 Zepp Shinjuku(TOKYO)

チケット一般発売中
https://lit.link/hedigans

J-WAVE「GRAND MARQUEE」のインタビューポッドキャスト

RECOMMEND

NiEW’S PLAYLIST

編集部がオススメする音楽を随時更新中🆕

時代の機微に反応し、新しい選択肢を提示してくれるアーティストを紹介するプレイリスト「NiEW Best Music」。

有名無名やジャンル、国境を問わず、NiEW編集部がオススメする音楽を随時更新しています。

EVENTS