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搬入〜セッティング:この場所を選んだ理由
18時、搬入スタート。メンバーも到着し、楽器やアンプなどの機材を車から下ろす。PA卓、照明、カメラなど、すべて持ち込み。何もない場所に、5人組のバンドが演奏できて、撮影もできるセットを組み立ていく。ここを収録場所に選んだ理由を大内に聞くと、煌びやかな場所ではなく、この無機質な感じがHedigan’sに合うんじゃないか、とメンバーで話したことを教えてくれた。


天井は高く、壁や柱はコンクリート。ここで5つの楽器を鳴らすと、どんな響きになるのだろうか。「どういう環境かわからないところでライブをやって、しかもそれを収録作品として残すことに、不安はなかったのか?」と尋ねてみると、みんな口を揃えて「不安だった」と笑いながら答えた。それでもここをチョイスするのがHedigan’sらしい。
「予定通りに始めて予定通りに終わるものは、お家で楽しめるものと変わらない」とYONCE(Vo,Gt)。人が集まって、「わざわざ」手間をかけて、自分が思ってもなかったことが起こる瞬間を求めるのが、Hedigan’sだ。その精神性は音源にも表出している。
たとえ上手くいかなかったとしてもいい。「責任の所在がとやかく言われがちな世の中ですけど、みんなでよくわかんないところに行こう、みたいな。そのほうが面白いし」(YONCE)。それらと真逆の価値観をよしとする社会で戦っているからこそ、私たちはHedigan’sの音楽から豊かさを感じ取るのだろう。

