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レーベル「DECKREC」のネモト・ド・ショボーレは、初期衝動をもとに音楽に携わる

2025.1.7

#MUSIC

グータッチでつなぐ友達の輪! ラジオ番組『GRAND MARQUEE』のコーナー「FIST BUMP」は、東京で生きる、東京を楽しむ人たちがリレー形式で登場します。

12月10日は、写真家の松本時代さんからの紹介で、音楽レーベル「DECKREC」の主宰で、バンド「CHILDISH TONES」としても活動する、ネモト・ド・ショボーレさんが登場。レーベルを始めたきっかけや、ドレスコーズ・志磨遼平さんとの交流、自身が所属しているバンドの活動などについて伺いました。

Scoobie Do、黒猫チェルシーなどが所属する音楽レーベル「DECKREC」を主宰

Celeina(MC):ネモト・ド・ショボーレさんは、レーベル「DECKREC」を主宰していらっしゃいます。「DECKREC」は、1999年に誕生して今年で創立25周年。POLYSICS、Scoobie Do、毛皮のマリーズ、黒猫チェルシーなど、数々のアーティストが所属してきたレーベルですが、始まったきっかけはなんだったのでしょうか?

ネモト:1998年くらいに、たまたま僕が働いていたライブハウスにPOLYSICSが出演しているのを見て、「何かやりたいな」と思ったのがきっかけです。そのライブハウスの親会社がレーベルをやっていたので、自分もレーベルを始められないかなと動き始めました。

Celeina:ちなみに、どのあたりのライブハウスですか?

ネモト:下北沢の「CLUB Que」というところです。

タカノ(MC):POLYSICSは、やっぱり当時から違いましたか?

ネモト:そうですね。当時メンバーが全員10代だったんですけど、もう完成されていました。つなぎを着て、ニューウェーブやガレージパンクっぽい音楽をすでにやっていましたね。

タカノ:なるほど。ネモトさんのアンテナに引っかかって、レーベルがスタートしたんですね。

ネモト:「DECKREC」はそもそも、POLYSICSの楽曲をリリースするために作ったレーベルなんですよ。なので、リリースが終わったら、レーベル自体が終わるかなと思っていました。

Celeina:レーベルを作ろうと思って、最初はどのように動かれたんですか?

ネモト:POLYSICSと出会って、「何かやりたいな」という初期衝動みたいな感じで始まったんですよ。だから、レーベルをやりたいという若い子たちにはなんの参考にもならない感じで始めました(笑)。

タカノ:でもそこから、Scoobie Do、毛皮のマリーズ、黒猫チェルシーなど、個性の光るバンドが所属していますよね。

ネモト:僕自身がモッズやガレージパンクなどの1960年代の音楽が好きだったので、そういう流れの中にいたバンドをいっぱいリリースしてきた感じです。

ドレスコーズの志磨遼平との交流も

タカノ:なるほど。たしかにPOLYSICSもピコピコした音が鳴りつつも、ロックなテイストの音楽をやっている印象があります。そして、以前、ドレスコーズの志磨遼平さんの書籍『ぼくだけはブルー』を紹介した際、志磨さんに番組に来ていただいてお話を伺いました。こちらの書籍でも「DECKREC」の話が掲載されているんですよね。

ネモト:そうですね、かなり深く関わっていました。今でも志磨くんとは交流があってよくやり取りしています。

タカノ:下北沢で飲みに行かれていたとか。

ネモト:当時僕はレーベルをやりながら、ロックバーをやっていたんです。僕の関西の友達が出張で東京に来ていた時に、一緒に連れてきたのが志磨くんや毛皮のマリーズのメンバーたちだったんです。それが志磨くんとの初めての出会いでした。そして、会った2時間後にはうちのレーベルからリリースしようって決めていたんです。

タカノ:すごいですね。

ネモト:今でも「次のライブが1本も決まっていないので、よろしくお願いします」と志磨くんに言われたことを覚えています。それくらい、当時は誰からも相手にされていませんでしたね。

タカノ:その時、松本時代さんも一緒だったと伺っています。

ネモト:そうです。松本時代は志磨くんの後輩なんです。当時、毛皮のマリーズは共同生活していたんですけど、彼はそこに転がり込んできたやつという感じでした。なので、松本時代のことはその頃からよく知っています。

Celeina:先ほど「初期衝動」という言葉もありましたけれども、ビビッときたらすぐに行動に移すタイプですか?

ネモト:何でもそう、というわけじゃないんですけど、夢中になったらそれしか見えなくなる感じですね。

タカノ:それってアーティスト側としてもすごく嬉しいですよね。そこまで熱量を持って、愛を持って接してくれるというか。

ネモト:レーベルを運営してきて1つだけ言えることは、「何かを好きになれる才能を持っていることが大事」ということですかね。それがあればやっていけると思います。

タカノ:すごく大事な言葉ですね。ありがとうございます。

Celeina:そんな「DECKREC」ですけれども、今年25周年を迎えて、周年記念イベントも開催されたんだとか。

ネモト:「DECKREC」としての具体的なリリースは、ここ数年止まっていたんです。でも、友達であるTHE NEATBEATSというバンドのMR.PANが始めた、荻窪の「TOP BEAT CLUB」というライブハウスに遊びに行った時に、「来年25周年だね」という話になって。じゃあ何かやろうかなと思い立って、軽い感じで企画し始めました。バンドをピックアップしていったら、結局8日間やることになりました(笑)。 僕がこれまで交流があったDJや、大貫憲章さんにも出演していただきました。

おもちゃの楽器だけで演奏する「CHILDISH TONES」でも活動

Celeina:そして、ネモトさんはCHILDISH TONESというバンドでも活動されているとのことで。

ネモト:今年で結成して丸10年になります。

Celeina:CHILDISH TONESも「DECKREC」の周年イベントでパフォーマンスされましたか?

ネモト:やりました。

Celeina:いいですね。普段はどういったライブをされているんですか?

ネモト:CHILDISH TONESは「おもちゃの楽器だけを使って演奏する」というコンセプトのバンドなんですが、普段は小さいライブハウスを中心に活動しています。

Celeina:おもちゃの楽器というと?

タカノ:今、曲が流れていますね。

https://open.spotify.com/intl-ja/track/0cv7X1RQCVc5FUmtXWNZm6?si=c38ebaf4af934e7f

ネモト:この曲は”God Bless the Girls”という曲です。avandonedというアイドルグループで活動していた宇佐蔵べにちゃんに参加してもらって、コロナ禍に3ヶ月に1回、7インチレコードを出していました。その楽曲を集めたアルバムの1曲目ですね。

https://open.spotify.com/intl-ja/album/1iODReIjIStzXndlEpzpfI?si=G7Rb3mVoSHGRABOa28KkEA

タカノ:おもちゃの楽器というのは、具体的にはどういうものなんですか?

ネモト:僕らが使っているのは、1950年代とか1960年代のアメリカのヴィンテージのおもちゃのギターとかトイピアノです。それらにピックアップを取り付けて、大きな音が出るように改造して使います。

Celeina:中に小さいマイクを仕込んで、ということですよね。イメージとしては、子供向けのギターみたいなものでしょうか?

ネモト:そうです。なので、もともと演奏するために作られていないんですよ。だから手を加えないとステージで使うには難しいんです。

タカノ:チューニングとか難しそうですね。

ネモト:試行錯誤の上、なんとか演奏に使えるようになりました。

タカノ:どういう編成で演奏されているんですか?

ネモト:ギター2本、キーボード、トイピアノ、ドラム、パーカッション、ボーカルとコーラスとかでしょうか。その時によって違うんですが、 1番多くて7人、少なくて5人くらいです。

タカノ:ドラムもおもちゃなんですか?

ネモト:そうですね。普通のドラムだと大きいバスドラムも、子供用なので小さくて、普通のドラムのスネアくらいのサイズしかありません。

タカノ:アンパンマンのドラムセットみたいなイメージでしょうか?

ネモト:まさにそんな感じです。

タカノ:そんなに小さいサイズのドラムでロックのサウンドが鳴らせるなんてすごいですね。おもちゃの楽器を使って音楽をやると伺って、僕はトクマルシューゴさんみたいなアプローチをイメージしていたんですけど、いい意味で裏切られました。

ネモト:1980年代のアメリカに 、Pianosaurusというバンドがいたんですが、このバンドがおもちゃの楽器だけを使ってロックンロールをやっていたんです。そのバンドの動画をたまたまXで見て、「明日からこれをやろう」と思い立ちました。そこからのめり込んで、色々楽器を探したりしましたね。

Celeina:ちなみにCHILDISH TONESは、近々ライブもあるということですが、こちらはどちらでされるんですか?

ネモト:荻窪の「TOP BEAT CLUB」で、1月25日にライブをします。ガレージパンクとか、1960年代っぽい音楽をやっているいいバンドがたくさん出るライブです。

Celeina:ネモトさんのSNSをチェックしていただければと思います。さあ、「FIST BUMP」はグータッチで繋ぐ友達の輪ということで、お友達をご紹介していただいています。どんな方をご紹介していただけますか?

ネモト:漫画家 / イラストレーターで、インディーズレーベル「雷音レコード」を主宰している本秀康さんをご紹介します。

タカノ:本さんというと、ceroの1stアルバム『WORLD RECORD』のジャケットを手掛けられていますよね。

ネモト:そうです。『レコスケくん COMPLETE EDITION』という本も出しています。なんだかんだ古い友達ですね。レーベル主宰者としても面白い人です。

タカノ:聞きどころが多そうですね。

Celeina:楽しみです。明日は本秀康さんに繋ぎます。「FIST BUMP」、本日はネモト・ド・ショボーレさんをお迎えしました。ありがとうございました。

GRAND MARQUEE

J-WAVE (81.3FM) Mon-Thu 16:00 – 18:50
ナビゲーター:タカノシンヤ、Celeina Ann

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